『 ゴルフをもっと簡単にする研究室 』として始めたこのブログは、おかげさまで5年が経ち、今回から6年目に入りました。
従来のゴルフ理論の常識とは大きく違う内容にもかかわらず、毎日数多くの方に読んでいただいていることに感謝しています。
そこで今回は、これまでに説明してきた内容を『 ゴルフを簡単にする新常識 』として表して、『 従来のゴルフ理論 』との違いが分かるように、対比しながらまとめてみました。
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新常識を取り入れて、ゴルフをもっと簡単にしましょう!
この5年間でお伝えしてきた内容は、従来のゴルフ理論とはあまりにも違うことばかりで、混乱している人もいるかもしれません。
そしてこの5年間で記事数も増えているので、これまでの内容を整理する必要もあります。
そこでこのブログで新常識として提案している内容を、従来の常識と対比しながら、スイングする順番に沿って説明していきましょう。
新常識と従来の常識との違いとは!?
➡ が新常識➪ が従来の常識
内容が似ている項目は省略します。
スイングの項目別の違い
① グリップの握り方
➡『 勝みなみ式テンフィンガー 』で、スクエアグリップ
➪ オーバーラッピングまたはインターロッキングで、フックグリップを勧められる
② ボールの位置
➡ 全てのクラブでスタンスの真ん中、ウェッジはもう少し右側
➪ クラブの長さによって、左かかと内側から徐々にボールの位置が右に変わる
③ ボールの見方
➡ 頭の前傾角度はキープするが、ボールは見なくてもよい
➪ ボールをよく見て、頭を動かさないようにスイングする
④ アドレスの手元の位置
➡ 身体の中央でセットし、手元の高さは各自がスイングしやすい位置でOK
➪ ハンドファーストで、手元を低く構える
⑤ バックスイングの体重移動
➡ 右への体重移動は意識せず、その場で右に回転する
➪ 右股関節に体重を乗せるようにバックスイング
⑥ ダウンスイングの体重移動
➡ 身体と腰が左へ流れないように意識して、その場でダウンスイング開始
➪ 左足を左に踏み込んで、体重移動を意識してダウンスイングを開始
⑦ ダウンスイングへの切り返し
➡ 下半身の動きを抑えて、下半身の回転に遅れないようにクラブを切り返す
➪ 下半身リードで、先行した下半身に引っ張られるようにクラブを切り返す
⑧ ダウンスイングのパワー感
➡ ダウンスイングの早いタイミングで「 ビューン 」と音がするように、クラブの重さを利用して最大のパワーを発揮する
➪ 手元を下に落とすように、力まずにダウンスイングを開始する
⑨ クラブのリリース
➡ ダウンスイング開始とともに、早いタイミングでクラブのリリースを開始
➪ 右肘を絞りタメを作って、ボールの直前で急激にクラブをリリース
⑩ ボールへの入射角
➡ クラブヘッドの大きな軌道を意識して、緩やかな角度でボールにアタック
➪ ダウンブローを意識して鋭角にクラブヘッドを入れる
⑪ インパクトの形
➡ アドレスと同じ位置で、ハンドジャストでインパクト
➪ ハンドファーストでインパクト
⑫ フォローの意識
➡ ダウンスイングの回転パワーを持続するようにスイング軸をキープ
➪ フォローで加速させて、左側で「 ビューン 」と音がするように意識する
以上、このようにスイング全体でかなり大きく違っています。
ここからはその違いについての補足説明です。
補足説明
① グリップの握り方
グリップを握る力加減はとても重要ですが、無駄な力みを抑える目的のオーバーラッピンクやインターロッキングなのに、違和感のある特殊と言えるような握り方なので、ほとんどの人がその握り方の狙いとは逆に余計に力んでいます。
『 ゆるゆるグリップ 』がよいと言われても、実際には緩すぎたり、力みすぎたりと、よい力加減は身につきません。
そんな点を解消するのが『 勝みなみ式テンフィンガー 』なのです。
試してもらえば分かると思いますが、他の握り方よりも絶妙な力加減を実現しやすくなります。
参考記事
【 お勧めしたいグリップの握り方!! 】
② ボールの位置
スイング中に身体が左に流れなければ、ボールの位置は全てスタンスの真ん中でOKなのです。
従来の常識がボールの位置を変えている理由は、左への体重移動とともに身体が左に流れているので、その分だけボールの位置を左にしないと辻褄が合わないからなのです。
一番フルスイングするドライバーが、一番身体が左に流れるのでボールの位置も一番左になるだけで、アッパー軌道でボールをとらえるためと言うのは、おそらく後付けの理論です。
したがって、スイング中に身体が左に流れないスイングが出来上がれば、ボール位置も当然真ん中から変える必要はありません。
ただし、ウェッジの場合や必要に応じて、真ん中よりも右になります。
参考記事
③ ボールの見方
実は「 ボールをよく見る 」という強い意識が、ゴルフを難しくしている根本的な理由でもあります。
止まっているボールなので、スイング軌道が合っていれば、ボールを見なくてもしっかりと当たります。
ただし、スイング軸をキープするためには、頭の位置をアドレスの状態にキープした方が効果的でもあります。
スイング中にクラブヘッドがボールに当たる前に、身体が起き上がってしまいやすいので、その対策として、ボールを見続けるような体勢を取るわけです。
つまり、スイング軸さえキープできるならば、ボールを見る必要は全くありません。
逆にボールを見ない方が、悪い意識を抑えられて、身体も気持ちよく動くようになります。
参考記事
【 これはゴルフスイングの革命か!? その1 】、【 その2 】、【 その3 】
④ アドレスの手元の位置
アドレス時の手元の位置を、ハンドファーストで、なおかつハンドダウンに構えて、インパクト時でもそれを再現しようと、多くのプロが意識しています。
ところが実際には、ほとんどのプロがインパクトで手元が大きく浮いていて、アドレスよりも10cmくらいも上でインパクトしているのです。
それならば、最初からハンドアップ気味に構えたほうが自然なスイングになりませんか?
既に世界のトップクラスはハンドアップが主流になっていますが、もちろん何も問題点はありません。
自分がスイングしやすければOKなのです。
参考記事
⑤ バックスイングの体重移動
⑥ ダウンスイングの体重移動
「 バックスイングで右に体重を乗せて、ダウンスイングでは左に体重を乗せる 」ということが正論のようになっていますが、実際には体重移動をインパクトのパワーに直結させることは難しいだけでなく、スイング軸が左右に動く分だけ確実にスイングは複雑になります。
それならば考え方を変えて、スイング軸を保つことに専念したほうが、クラブの遠心力をうまく引き出せるようになるので、結局は精度とスイングパワーが上がることになります。
参考記事
【 松山英樹選手のスイングをアマチュアゴルファーが目指すためのコツ その1 】
⑦ ダウンスイングへの切り返し
バックスイングからダウンスイングへ切り返す時には、どんな人でも必ず上半身よりも下半身が先に動き出しています。
たただしその動き方は千差万別で、見方によっては上半身から先に動いているように見える人もいるので、プロの皆さんはわざわざ「 下半身から先に動かす 」ことを強調しているわけです。
しかしそのような人はごく僅かであり、ほとんどの人は下半身が先に大きく動きすぎることによってスイングが乱れています。
そして下半身が先に大きく動けば動くほどに、デメリットばかりが増えて行きます。
そこで多くのゴルファーが目指すべきなのは、まずは下半身の無駄な動きを抑えてスイング精度を上げて、その中で上半身を上手く使えるように工夫することです。
結果的には、そのほうが下半身もうまく使えるようになるでしょう。
参考記事
【 ドライバーのスライスの直し方! その1 】、【 その2 】、【 その3 】
【『下半身リード』が上達を妨げている一番の原因だった!! 】
⑧ ダウンスイングのバワー感
従来のゴルフの常識を忘れ去ることができれば、本当に効率的なのは、「 ダウンスイングのパワーを上げること 」だと気づくはずです。
バックスイングで高い位置に上げたクラブの重さを利用して、ダウンスイングの初速を上げることができれば、クラブヘッドの遠心力のパワーとシャフトの「 逆しなり 」をうまく使えるようになり、ボールはもっと効率よく飛んで行くようになるでしょう。
参考記事
【 中高年でもまだまだ飛ばせる!! 】
⑨ クラブのリリース
ダウンスイングのパワーを上げるためには、クラブをリリースするタイミングを早める必要があります。
プロコーチの皆さんが好むような「 タメ 」を作っている暇はなく、より早い位置でクラブをリリースしながら、ダウンスイングのパワーを上げて行くべきなのです。
このようなダウンスイングの考え方を、『 ダウンマックス 』と表現して、今後説明していく予定です。
参考記事
【 ダウンスイングでタメを作らない! その1 】、【 その2 】
⑩ ボールへの入射角
セカンドショットのボールへの入射角は、緩やかなダウン軌道を意識する必要があります。
多くのゴルファーは、身体の柔軟性が低く、肩甲骨の動きが少ないために、クラブヘッドの円軌道の半径が小さくなり、その分だけ鋭角にボールに向かってしまいます。
それなのにゴルフレッスンでは、ダウンブローばかりが強調されるので、更にその欠点が増長されることになります。
できるかぎり大きな円軌道を意識して、緩やかなダウン軌道の入射角を目指しましょう。
参考記事
【 スコアアップのツボはこれだった! その2 】、【 その3 】
⑪ インパクトの形
ボールは止まっているので、自分の身体も左に流れなければ、アドレスの再現のようなインパクトが可能になるはずです。
正面からスイングを見ると、シャフトが地面と垂直になるような『 ハンドジャスト 』でインパクトすることになります。
現実的には、左へのスイングパワーによって、多少は身体が左に流れるので、その分だけ若干のハンドファーストになってもOK。
ところが従来の常識だと、最初からハンドファーストで構えているのに、体重移動の意識とともに身体が左に流れた分だけ、もっとハンドファーストの度合いが大きくなります。
さらに加えるならば、多くの人がクラブヘッドを振る意識よりも、手元を振る意識が強く、その結果インパクトでは手元がもっと左に流れてしまうので、「 超ハンドファースト 」の状態になっている人が多くなっています。
つまりアマチュアゴルファーにとっては、あえてハンドファーストの意識を持つ必要はなく、それどころか逆に『 ハンドレイト 』の意識を持つくらいのほうがスイングを改善できるかもしれません。
参考記事
【 ハンドファーストでダウンブローはもはや古い! その1 】、【 その2 】
【 アイアンショットの常識が変わったかもしれない2012年のマスターズ 】
⑫ フォローの意識
フォローで「 ビューン 」と音がするようにクラブを振る、という従来の常識が頭の中に染みついている人が多いと思いますが、頑張って忘れ去って下さい。
それならばインパクトで最速になるような意識がよいのかというと、それでもタイミング的には遅すぎるのです。
インパクトで最速にしようとすると、その直前に手元の余計な操作が加わることになり、スイングの精度が落ちてしまいます。
手元の余計な操作を抑えるためには、ダウンスイング開始時点から『 ダウンマックス 』のイメージでパワーを上げること。
フォローに関しては、ダウンスイングのスピードとパワーを落さないように、バランスよく振り抜ければ十分です。
参考記事
【 スイング改善の特効薬! 】
今回のまとめ
これまでの5年間で説明してきた内容を整理しながら、『 従来のゴルフ理論 』との違いが分かるように説明してきました。
『 ゴルフを簡単にする新常識 』として皆さんのゴルフに取り入れてもらえるならば、確かな効果が得られると思いますが、その効果をより発揮するためには、『 従来のゴルフ理論 』をどれだけ忘れ去れるかが大きなポイントになってきます。
その理由をもっと理解したい場合は、【 上達できない理由が分かればゴルフはもっと簡単になる! その1 】をご覧ください。
残念ながら日本のゴルフ理論は、5年前に予想していたよりも変化が少ないものでしたが、世界のゴルフは確実に進化していて、もっと簡単になっています。
その世界の流れに遅れないように研究を続けたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。