ゴルフは他のスポーツと比較しても、プロからのレッスン情報を十分に手に入れられる状況になっています。
ところがこんなに多くのレッスン情報が得られているのに、アマチュアゴルファーにはあまり効果が表れないという、とても残念な現象が続いています。
今回はその理由を説明し、もっと正しい情報を身につけられるヒントにして欲しいと思います。
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プロからの情報をそのまま受け取ってもダメな理由がある!
プロゴルファーやプロコーチからの情報は、その時は「 なるほど… 」と納得してみても、いざ実際に試してみると何故かうまくできないというのが、ゴルフでは当たり前の現象です。
しかしその理由さえ分かってしまえば、今まであまり役に立たなかった内容も、今後はもっと役に立つように自分で変換できるようになるので、その点について説明します。
プロからの情報がうまく伝わらない理由と対処方法
■ 理由① 生い立ちの差
現在55歳くらいよりも若い年代のプロゴルファーは、ほぼ例外なく子供の頃からゴルフ一筋で歩んでいます。
それはティーチングプロにもかなりの割合で当てはまっているはず。
そのように子供の頃からゴルフ一筋の彼らは、ゴルフが上手いのは当たり前ですが、それだけでなくアマチュアゴルファーとは大きく違う共通の特徴を持っています。
その特徴とは、「 意識しなくても滑らかなアームローテーションの動きができること 」、「 柔軟な肩甲骨周りの動き 」、そして「 左右の腕でボールをゴルフクラブで何回でもリフティングできるような器用なクラブさばき 」、このような点がアマチュアゴルファーとは大きく違っています。
このような特徴の差があることは、皆さんもある程度は理解していると思いますが、結局ゴルフスイングを突き詰めていくと、この特徴の差こそが、プロからのレッスンを身につけるためには大きな壁になっていたのです。
➁ 特徴の差が大きすぎて、溝が埋められない
ところがプロの皆さんは、このような「 滑らかなアームローテーションの動き方 」、「 柔軟な肩甲骨周りの動き 」、そして「 左右の腕が器用に使える 」という特徴を、当然アマチュアゴルファーも同じように持っていると錯覚したままレッスンしている状態なので、そこで大きな問題が生じることになります。
なぜならアマチュアゴルファーは、多くの人が30歳代、40歳代からようやくゴルフを始めますが、その時はすでに子供の頃とは違い、肩甲骨周りの動きは硬くなっていて、特に左手の器用さもかなり失っているので、プロが描いているようなアームローテーションをうまく行うことができません。
そして週1回程度の練習量では、永遠にプロのような滑らかなアームローテーションは身につかないことが現実なのです。
それなのにプロの皆さんは、アマチュアゴルファーでも少し練習すればアームローテーションが身につくはずだと思っているのかもしれません。
だからこそ、アームローテーションをできることが前提のレッスン内容をそのまま発信し続けているのだと思います。
● 具体的な例
プロのようなアームローテーションができないと、インパクト前後のフェース面の動き方に大きな差が生まれます。
一般的なアマチュアのフェース面のターン量は、プロよりもおそらく20°~30°くらいは少ないのです。
その例は、以下の通りです。
❶ プロが「 ライン出しの時はフェース面をターンさせない 」と言っていても、実際にはアマチュアの普段のショットよりもフェース面はターンしている。
❷ 「 バンカーショットではフェース面を大きく開きましょう 」と言っていても、実際のインパクトでは、プロのフェース面はスクエアまで戻っている。
❸ アプローチショットでも、プロはフェース面を開いて打っているつもりでも、実際には自分のイメージよりもフェースターンさせているので、インパクトでは開いた状態にはなっていない。
以上、このようにいろんな場面で、プロはあたかもフェース面を開いたまま打っているかのように、アマチュアゴルファーに伝えていますが、実際に彼らのインパクトの瞬間をチェックすると、全員がインパクトではフェース面はスクエアか、もしくは閉じるくらいまでフェースローテーションが行われていたのです。
( ちなみに、トッププロほどそれは徹底されています。)
つまり、プロ本人がが自覚しているよりもフェース面が大きくターンしています。
さらにその後のフォロースイングでは、フェース面のターン量の差はもっと大きくなっています。
それなのにアマチュアゴルファーは、そのプロからの表現をそのまま受け止めて、忠実にそのイメージで打とうとしているので、結果的にはプロとのフェースターンの動き方が違いすぎて、いくら練習しても同じように打つことができないのです。
そして多くのアマチュアゴルファーは、「 フォローでクラブヘッドを目標方向に真っすぐ送り出そうとする 」という潜在的な意識が強いこので、余計に適切なフェースターンを妨げている一因になっています。
■ 対処方法
だからと言って、これからプロのようなアームローテーションとフェースターンをマスターしようと思っても、肩甲骨と手首と肘の柔軟性を今さら上げることが難しいだけでなく、早急にそのようなスイングを目指してしまうと、身体の色んな部分に怪我のリスクが高まります。
そこでまずは事実を理解したうえで、自分の身体の状態と相談しながら、少しずつアームローテーションとフェースターンを意識し、その感覚を植え付けていくことが一つの方法です。
しかしトライしてみれば分かりますが、間違いなくしばらくの間は調子を崩すことになるので、それなりの覚悟と時間が必要です。
そこで別案として推奨したいのが、このブログでこれまでに紹介してきたスイング理論の実践です。
プロのアドバイスをそのまま受け入れないことを意識できれば、このブログで紹介してきた内容だけでも十分に80台、70台のスコアは可能だということを説明してきました。
そして今回の内容をもっと理解してもらえる記事としては、【 バンカーショットをもっと簡単に!! その1 】や【 これでどんなバンカーも怖くない!! 】があるので、そちらも合わせてご覧ください。
今回のまとめ
今回はプロからのレッスン内容をそのまま取り入れても、いつまで経ってもうまくできない理由と対策方法について説明してきました。
皆さん、これからテレビでゴルフの試合を見る時は、インパクトの瞬間のフェース面の向きと動き方、そしてフォローでもっと大きく閉じられていくフェース面の角度に注目して下さい。
今回の内容が少しずつ理解できるようになるはずです。
しかし先にも説明したように、けしてプロと全く同じことを目指す必要はありません。
その事実を理解しながら、少しの工夫を加えることで、ゴルフはもっと簡単なものになり、どんどん上達していくことが可能なのです。
そして現在このブログでは、プロのようなフェース面の動き方にもっと簡単に近づけられる方法も研究していて、近日中には少しずつその内容をお届けできる予定です。
それまでは自分のフェース面の動き方をスマホのスロー動画で確認しながら、自分とプロの違いの真実を知り、もっとよいインパクトが作れるように対処してください。