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石川遼選手の覚醒に必要なものは? その1

time 2017/03/31

石川遼選手の覚醒に必要なものは? その1

石川遼選手がPGAツアーで苦戦しています。

昨シーズン、腰の怪我でシーズン途中から離脱したので、今シーズンは公傷制度によって出場中。

しかしここまでの調子が上がらず、このままではシード権を失いそうなペースでシーズンが進んでいます。

かつては「 トリプルR 」と称されて、リョウ・イシカワ選手、ローリー・マキロイ選手、リッキー・ファウラー選手の3人が世界の次世代のエースとして期待されていました。

それこそ10代の頃は3人の中でも一番の勢いと実績があったかもしれません。

現在でも日本ツアーなら常に優勝争いに加わり、もしフル参戦するならば賞金王最有力のはずですが、PGAツアーではなかなかその実力が発揮出来ずにいます。

元プロスポーツ選手の僕から見ても、そのセンスと潜在能力は抜群で、けして松山英樹選手にも引けを取らないように感じるのですが…。

そこで今回は、石川遼選手が覚醒するためのポイントを考えてみましょう。

このブログでは松山英樹選手のスイングを【  松山英樹選手のスイングをアマチュアゴルファーが目指すためのコツ  】で詳しく説明しています。

まずはそちらをご覧いただき、その比較として石川遼選手のスイングを説明します。

 

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石川遼選手と松山英樹選手のスイングは全く違う!

その石川遼選手のスイングの特徴は、ズバリ従来のゴルフ理論のど真ん中を行くスイングです。

ドライバーショットの場合は、松山英樹選手と比較すると、石川遼選手のほうが下半身リードの動きが大きく、ダウンスイングの腰の左への移動量も20cm以上多く移動しています。

つまり、下半身リードと体重移動で飛距離アップを狙っているようです。

はたしてその効果は?

ダウンスイングですぐにクラブに回転運動を与えている松山英樹選手に対して、石川遼選手はクラブを回転させずに下ろすだけの動き方になっています。

その動き方の石川遼選手のほうがダウンスイングのタメが大きくなり、そのかわりインパクトまでのフェースローテーションの動きが大きくなります

右から左に大きく移動しながらスイングする石川遼選手のほうが、インパクト時のグリップ位置も、アドレスの位置よりも握りこぶし1つ分くらい左になってしまうので、それに合わせてボールをセットする位置も左になっています。

このスイングの違いによって、アイアンショットの場合は必然的に、石川遼選手のほうがハンドファーストでダウンブローの度合いが強いインパクトになります。

この両者の打ち方の違いこそ、まさにこのブログでここまで説明してきたゴルフロボット打法と、従来のゴルフ理論との打ち方の違いです。

 

スイング改造中の石川遼選手だが…疑問点あり

その石川遼選手、昨年のワールドカップで松山英樹選手とのペアで出場しました。

その時に松山英樹選手と比較して、自分のほうがフェースローテーションが多いことに気がつき、その後にフェースローテーションを抑えたスイングに改造中

そのフェーローテーションを抑えるスイングを目指すことには大賛成なのですが、問題なのは基本的なスイングがあまり変わっていないことです。

現在のスイングを変えずに、自分の意識と腕の使い方だけで対処することは、スイングの理論上無理があります。

本当に必要なのは、フェースローテーションを抑えるのではなく、フェースローテーションが必要ないスイングを作ることなのです。

つまり、松山英樹選手やジェイソン・デイ選手、ジョーダン・スピース選手らのように、下半身リードと左への体重移動の両方の動きを抑えて、なおかつダウンスイングでタメを作らないようにする

その動き方によって、クラブに早いポイントから大きな回転運動を与えることが出来るので、フェース面をボールに早いタイミングで向けられるようになり、その結果的として無駄なフェースローテーションが不要になるのです。

残念ながら、石川遼選手はこの点に気づいていないようです。

それに加えて、現在はアイアンショットのスピン量を増やしてボールを高くしようとしているらしいのですが、その点にも「 ちょっと待った! 」です。

【  谷原秀人選手の活躍で日本のゴルフ界に変化が起きる!?  】でも説明しましたが、世界のトップクラスの選手のボールの高さは、パワーやスピン量だけでなく、ハンドジャストレベルブローによって打ち出し角が高いショットになっています。

それなのに、現在のハンドファーストでダウンブローの打ち方のままでスピン量を増やそうとする身体の動き方では、フェースローテーションが必要ないスイングからはますます遠ざかることになるのです。

その結果、スイング全体がチグハグになってしまい、逆に調子を崩すことに…。

 

覚醒にはゴルフロボット打法の理論が必要

したがって石川遼選手が覚醒するためには、松山英樹選手のようなスイング、つまりゴルフロボット打法を身につけられるのか?…が大きな鍵を握っていると思うのですが…。

石川遼選手はスタートホールのドライバーショットで、右へのプッシュアウトや左へ引っ掛けるケースが非常に多いように感じます。

これはダウンスイングで腰が先行する動きと、腰が左へ移動する動きの両方が大きいので、スタートホール独特の緊張や気持ちの高ぶりなどの影響で、上半身と下半身の動くタイミングが崩れやすいことが原因だと分析します。

この点が松山英樹選手のように、ダウンスイングで下半身と上半身が連動するように切り返して、腰を左へ移動させずにその場で回転運動を始めるスイングに変身出来るなら、緊張する場面での安定感も格段に上がるでしょう。

しかし全面的なスイング改造に着手するには、今シーズンの残された時間はもう僅か。

全てを改造することは無理だと思うので、腰の左への移動量を抑えて、ダウンスイングのタメを少しでも減らす方向で取り組むことが現実的な手法だと思います。

 

頑張れ、石川遼選手!

 

ここまでは石川遼選手のスイング全体について説明してきました。

その他にもアプローチショットとバンカーショットの打ち方に気になる点があるので、その点を引き続き【  その2   】で説明します。

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