ゴルフのスコアアップに向けて、本当に効果があるのは、自分に合った取り組み方を見つけることです。
スイングやクラブで理想ばかり求めるよりも、自分にできる範囲内でスイングを追求し、自分の持っているクラブの調整を地道に続けるだけでも、驚くような成果が得られるのがゴルフというスポーツ。
今回は、友人の驚異的な進化を例に、その点について詳しく説明したいと思います。
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背伸びをしないゴルフスタイルこそが上達への早道
先日、僕の友人がベストスコア81をマークしました。
この友人は、【 初心者から僅か5ヶ月で95を達成!! 】と【 初心者から僅か1年5ヶ月でベストスコア86を達成!! 】の記事で、これまでにも上達具合を紹介していますが、50歳代後半でようやくゴルフを始めたのに、留まることなく素晴らしく順調に進化を続けています。
いよいよ80切りが見えてきたこの友人の、その進化の秘密を紹介します。
順調な進化の秘密と今後の課題
一般的には、このような驚異的な進化を達成するためには、毎日のように猛練習を重ね、ラウンド数もかなり必要になると思います。
ところがこの友人は、練習は週1回程度しか行っていません。
ラウンド数は、会社経営者としての付き合いが多いので、年間40ラウンド程度とやや多めですが、驚くほどではないでしょう。
そしてラウンド数が増えたことによって、我が家と一緒に練習する機会は月1~2回と少ない状態が続いています。
そんな中でも、着実に進化を続けられたことには、確かな理由があります。
■ 進化の秘密
その内容は次の4点で、実はこの項目自体は、【 初心者から1年5ヶ月でベストスコア86を達成!! 】と全く同じなのですが、その内容は本人に合わせて進化しています。
① 一般的なスイング理論は、全て遮断する
② 損をするクラブは使わない
③ ラウンドで起きた問題だけを、次の練習時に対策する
④ ショートホールのワンオン率を上げる
それでは進化した中身を紹介します。
① 一般的なスイング理論は、全て遮断する
実はこの点について、本人の進化とともに、実行することが難しくなってきました。
なぜなら、本人が上達を自覚すればするほどに、スイングに対する知識欲が増えることは避けられないので、僕に会うのは月に2回くらいという状況の中で、ついつい余計な情報を取り入れてみたくなるのはゴルファーの性としては仕方のないところ。
しかしせめて80を切るまでは、もっと強い意思を持って、余計な情報を遮断してもらいたいのです。
その例を紹介します。
先日久し振りにラウンドに同行した時に、少し前に我が家と練習した時と比べて、スイングがかなり乱れていたので、本人に確認したところ、「 地面反力が飛ぶらしいと聞いたので、ちょっと試してみたくなりました 」という回答。
❶
そのイメージがこの写真❶のスイングなのですが、残念ながら全くの間違ったスイングだったのです。
もし「 地面反力 」を使いたいのなら、もっと早い段階で膝を沈み込ませて、インパクトの時にはすでに上方にジャンプするように膝が伸び上がっていなければなりません。
ところがこの写真の状態では、インパクトの時に膝が一番沈み込んでいるので、「 地面反力 」とは真逆な状態になっています。
この動き方では、ティショットの時には、クラブヘッドが上から入りすぎて、バックスピン量が多く、そしてボールは右に大きく曲がりやすくなります。
その代わりセカンドショットの場合は、このような「 膝が沈み込む 」動きは効果があるかもしれません。
当日の最初の数ホールを観察していると、「 ティショットは大きく右に曲がっているのに、セカンドショットは意外に調子がよい 」という印象だったので、おかしいと思いましたが、その後に「 地面反力 」を意識していると本人から聞いて、実際のスイングの状態をスロー動画で確認して、「 なるほど… 」と全てに納得できたわけです。
結論としては、この友人の場合、僕から「 余計なスイング理論を取り入れないこと 」と念を押されていたにもかかわらず、安易におかしな理論に手を出してしまいました。
ところが理解力が不十分だったので、「 地面反力 」とは違う方向になっているのに、その事実に気づかず、ティショットで大きく曲がり続けていたわけです。
そこで改めて、今後もこのような現象が起きて回り道をしないように、もっと強い意志で余計な情報を遮断することを求めました。
② 損をするクラブは使わない
アマチュアゴルファーの場合、毎回失敗するようなクラブを使い続けることをよく目にします。
毎回失敗する=スコアで損をする、ということなので、そのクラブは使わないようにするか、またはもっと自分に合わせて調整する必要があります。
この友人の場合、使うクラブの本数を極力絞っていて、そして使うクラブについては、本人に合うように諸々のクラブを僕が調整しているので、その点はかなりのアドバンテージです。
そこで今回は、本人のクラブの内容を紹介します。
●ドライバーは、【 ピン G425 MAX + 純正シャフトを独自にチューニング!! 】のドライバーで、その後に気温が20℃を超えてからは、シャフトをベンタス ブラック6のSフレックスへと交換して、その仕様でベストスコア81をマークしました。
●アイアンは初心者の時に購入したピン G425のアイアンセットにLウェッジを追加し、それぞれの番手を写真❷と❸のように、各所に鉛のテープで調整してあります。
❷
❸
このアイアンは、重心距離が長く、よく言えば寛容性の高い、悪く言えば鈍い特性なのですが、最初は本人の感覚に合わず、全く芯には当たりませんでした。
そこで重心距離は気にせずに、本人に合うように鉛のテープで調整を重ねたところ、この写真❷と❸のようになりました。
ソールの鉛は、2年間使用しているので、かなりすり減っています。
●ユーティリティは、【 打ちやすいユーティリティを発見! 】で紹介した、タイトリスト TS2の27°と23°を初心者の頃から使用していて、シャフトはアイアンと同じNS.PRO950 GH neoのSフレックスです。
スリーブ調整機能付きなので、ロフト角とライ角を調整し、鉛の調整も加えてあります。
ベストスコア90を切ってから解禁したタイトリスト TS3の17°は、まだ精度が低いので、ほとんど使用していません。
このように、初心者から2年間クラブを買い替えることはせずに、自分に合うように調整を続けたので、回り道をせずに順調に進化することができたと思います。
➂ ラウンドで起きた問題だけを、次の練習時に対策する
バンカーショットだったり、特定の傾斜のショットだったりと、ラウンド時には具体的なミスショットの内容が明確になります。
その問題点を克服するために、次の練習時に徹底的に対策を行います。
しかし、あまりラウンドで経験することのない内容については、あえて先行して練習することはせずに、少ない練習機会を有効に使うように心がけます。
④ ショートホールのワンオン率を上げる
この点に関しては、とても順調で、早くも年間のワンオン率75%以上と、すぐにでも70台を目指せるレベルになっています。
毎回の練習時に、ショートホールのティショットを想定し、しっかりと左右の方向にも打ち分けることを続けている成果です。
今回同行したラウンドでも、ショートホール4回全てでワンオンに成功していました。
■ 今後の課題
1⃣ スイングの改善
実は、【 初心者から僅か1年5ヶ月でベストスコア86を達成!! 】 で説明していたスイングの問題点は、それほど改善されていません。
それぞれの課題は少しずつ進歩しているものの、ラウンドではまだまだ「 悪いクセ 」として顔を出してきます。
しかしその課題は当初から絞り込んであるので、本人にとっては、ラウンド中にチェックしやすいはず。
そして初心者からまだ2年なので、少し気長に臨んでも大丈夫だと思います。
2⃣ クラブの改善
現在のクラブセッティングのままでも、70台は十分に可能だと思いますが、本人も初心者から2年経ち、ようやく試打会でも各クラブの違いが分かるようになってきたので、そろそろドライバーとアイアンを、もう少し打ちやすい物へと変更してもよい時期だと思います。
3⃣ 年齢との戦い
本人はそろそろ60歳に近づいてきましたが、日頃の不摂生のために、最近身体的な問題点がちらほらと表れてきました。
年々身体の柔軟性が落ちていく中で、このままの生活を続けるのか、それとも多少は身体の管理に努めるのか、大きな分岐点にきていると思います。
そして今後のゴルフ人生にも大きく影響することでしょう。
つまり、本人の覚悟によって、今後のスイングとクラブの方向性も変わってしまうしまうことになるわけです。
これはとても大きな課題と言えるでしょう。
今回のまとめ
ここまでは驚異的なスピードで進化を続けてきた友人ですが、ここから打ち破らなければならない壁は、かなり厚いものです。
はたしてこのままのスピードで進化を続けられるのか、それともここからはキープすることが精一杯になるのか!?
年齢的な壁も打ち破らなければならないのですが、そんな時に頼りになるのが自分に合ったゴルフクラブの選択と、もっと自分に合わせるクラブの調整です。
ゴルフは幸いにも、かなり道具に助けてもらえるので、この友人に対しても、今後はもっとクラブの選択と調整でアシストできると思います。
そんな点も含めて、今後の展開にご期待下さい。
※この後友人は、あっさりと80の壁を突破してしまいました!
その様子は【 遂に初心者が2年6か月で77を達成!! 】で紹介しています。