今回は鉛のテープを使って、硬く感じて振りにくいシャフトを、打ちやすくする方法とその考え方を紹介します。
鉛のテープをうまく活用できれば、魔法のように打ちやすく調整できるようになるかもしれません。
そのコツをつかめるようにトライしてみましょう。
sponsored link
鉛のテープで魔法をかける!
【 失敗しないドライバー選びの注意点! 】などで説明しているように、カーボンシャフトは気温の変化によって、柔らかく感じたり、硬く感じたりするものです。
理想的な対処法としては、その季節に応じたシャフトを用意できるならば、年間通して安定したプレーが可能になりますが、一般的なアマチュアゴルファーにはそのような対処は難しいものですね。
そこで取るべき対処法としては、柔らかく感じたり、硬く感じるようになったシャフトに対して、無理にスイングを変えて合わせるよりも、鉛のテープを使ってシャフトの動きを自分の感覚に合わせるほうが簡単で効率的でもあります。
そんな鉛の調整方法の中で、今回は少し上級編として、シャフトが硬く感じる場合の調整方法について説明します。
硬く感じるシャフトを打ちやすくする方法!
気温の下がる冬場になると、シャフトが硬く感じるようになる人が多いと思います。
秋までは調子のよかったシャフトが、冬場になった途端に硬く感じて、まるでただの硬い棒のようなフィーリングになってしまい、タイミングが合わないし、ボールの高さも低くなる。
こんなパターンが多いはず。
そんな時に無理やりスイングで補おうとすると、外側から引っ掛けるようなスイングになったり、上から鋭角的にクラブヘッドが入ってしまうようになり、大きくスイングを崩すことになります。
だからと言って、冬場に練習を休みたくはないし、冬用のクラブを用意するのも大変ではありますね。
そんな時に試してもらいたいのが、シャフトの中間地点に鉛のテープを張って、シャフトの撓り方、またはキックポイントを変えてみる方法です。
同じ硬いシャフトでも、自分の感覚に合うシャフトの動き方に近づけられれば、硬かったはずのシャフトが不思議なくらいに動くように感じて、うまく打てるようになるかもしれません。
● 調整方法と考え方
僕の友人の男性は、ヘッドスピードが42m/sくらいなのですが、男子プロ並みのハードなシャフトを好んで使用しています。
練習場では自制できるのですが、コースではどうしても余計な力みを抑えられなくて、スイングが不安定になっていました。
そこで少しくらい力んでも暴れないような、年齢やヘッドスピードから見るとかなり硬い、そして重めのシャフトを選ぶようになりました。
そんなセッティングで秋頃までは好調だったのですが、冬場になって気温が10℃を切るようになると、途端に練習場でもうまく打てなくなってきたのです。
打っている本人はシャフトの動きが感じられずに、僕の見た目でもスイング中のシャフトの動き方はただの硬い棒のように見えました。
そこで…僕が見た印象から、「 この辺が動いたらタイミングが合いそうだ 」と思ったシャフトの位置に鉛のテープを巻いてみたのです。
僕は動体視力が要求される種目のプロスポーツ選手だったので、肉眼でもシャフトの動き方を判別することができます。
スイング中に動きすぎている場所や、動いてほしい場所を感じることができるのです。
これまでに多くのゴルファーに鉛の調整をしてきたので、「 経験 」と「 慣れ 」という積み重ねもあります。
その僕の判断で貼ってみた場所が、下の写真の位置です。
シャフトは、ツアーADのVR-6で、フレックスはX。
ヘッドは、テーラーメイドのSIMです。
貼って一発目から「 おぉ~ 」と本人からのよい反応がありました。
まるで気温があと10℃高かった頃のようなフィーリングで打てるようになったのです。
もちろん念のために、その周辺に貼る位置を少しだけ移動してみて、その中から一番よい場所を選んでいます。
ちなみに友人は、シャフトの先端剛性が高いほうが好みなので、下の写真のようにチップカットと同様な効果のある『 チップ巻き 』と呼んでいる鉛の貼り方も取り入れています。
冬場になってシャフトが硬く感じるようになっても、このチップ側の鉛は貼ったままのほうが本人の好みでした。
同様に、冬場になってからシャフトの動きが悪くなっていたクラブがもう一本あったので、そちらも調整しました。
シャフトは、モーダス ハイブリッド、フレックスがツアーS。
ヘッドは、テーラーメイドのGAPR LO。
気温の低下でシャフトの動きが感じられなくなり、ミスショットが目立つようになっていました。
こちらも僕の見た目からの判断で、「 ここが撓った方がよさそう 」という場所に鉛のテープを一巻きしてみたところ、シャフトが動くように感じて、よい感覚が蘇ってきたそうです。
このクラブも、気温の高い時に調整してあった『 チップ巻き 』はそのままです。
今回のまとめ
シャフトが硬く感じた場合の、鉛のテープの貼り方を紹介してきました。
たとえ硬くて動かなく感じても、ちょっとした撓りのポイントを作ることができれば、予想以上によいフィーリングを得られることもあります。
この場合に注意するべき点は、けして自分のスイングを変えないこと。
同じ感覚で同じスイングを続けないと、鉛の効果を正しく感じることができません。
理想的には、今回の例のように、打つ人と貼る人が別のほうが、時間の効率もよく、余計な先入観、必要以上の期待感を持たずに作業を進めることができます。
必ず効果が表れるとは限りませんが、まずはチャレンジしてみて下さい。