ドライバーショットを成功させる秘訣は、「 クラブヘッドを正しい軌道でコントロールしてボールをミートすること 」です。
そんなことは誰もが知っているのに、どうしてうまくいかないのか?
そこには気づかずに陥ってしまう落とし穴があるのです。
今回はその点について説明します。
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自分のスイングを必ず自分の目で確認しましょう!
先日遠方の友人のラウンドに同行した時に、貴重なスイング動画を撮影しました。
その友人はベストスコア83で、アベレージは90台前半の腕前ですが、ドライバーショットには大きな問題点を抱えていました。
練習場では安定したフェードボールを打てるのに、いざコースとなると大きなスライスが止まりません。
過去に何回か練習場でアドバイスしたことがあり、スイング自体にはそれほど問題のないレベルにまで改善できているのに、コースではいつまで経ってもスライスに悩まされていました。
そこでコースで起きているスライス病の本当の原因を知るために、ティショットの正面と後方から、スイングのスロー動画を撮影してみました。
…すると、その中には驚きの事実が写っていたのです。
そんなつもりではなかった自分のスイングにビックリ!
この2枚の写真をよ~く見て下さい。
スロー動画の中から切り取った写真です。
「 もの凄いカット軌道のスイング 」になっていることが分かりますか?
写真 1 ➔ シャフトが水平の位置で、右脇が空き、手元が高く、クラブヘッドの位置がかなりアウト側になっています。
写真 2 ➔ インパクト直前なのに、クラブヘッドの位置はまだかなり高く、フェース面も大きく開いたままです。
この2枚の写真のスイングの流れでは、まともにボールに当たるはずがありません。
この流れから無理やりインパクトでフェース面を合わせても、大きくスライスするか、左に真っすぐ飛んで行くしか道はないのです。
このスロー動画を見た本人が一番驚いていました。
本人にしてみれば「 こんなスイングをしているつもりはない! 」からです。
彼はスイング理論に精通していたので、どのようにスイングすればよいのかは十分に理解していて、自分はその通りに実行しているものと思い込んでいました。
それなのにコースではスライスしか打てないので、クラブが悪いのか?メンタルの問題なのか?もっとよいスイング理論はないのか?…と悩むことになりますね。
ところが…自分の実際のスイングを見てみると、全くイメージ通りにはなっておらず、これではスライスするのは当然の結果だったのです。
過剰な意識を抑えられればゴルフは簡単になる!
それでは、なぜこんなにも本人のイメージと違っていたのか?
そして、練習場ではここまでひどいスイングはしていないのに…。
その答えを一言で表すなら、「 コースで現れる過剰な意識 」が悪い動きを作り出していたのです。
何球も続けて打てる練習場とは違い、コースでは一発勝負なので、ついつい「 飛ばしたい 」「 ちゃんと当てたい 」「 フェアウェイにボールを運びたい 」という意識が、本人の自覚以上に過剰に高まってしまいます。
その過剰な意識によって「 力み 」が生まれ、「 腰の回転が先行しすぎる 」ことで、驚くほどのカット軌道のスイングになってしまうのです。
それでは、どうやってこの過剰な意識を抑えればよいのか?
その答えが次の2枚の写真です。
こちらもスロー動画から切り取った写真です。
かなりよいスイングができていますね。
写真 3 ➔ 写真1と同じくシャフトが水平の位置で、右脇は適度に締まっていて、手元も高くなりすぎず、クラブヘッドの位置も理想的なくらいのイン側をキープしています。
写真 4 ➔ クラブヘッドはスイングプレーン上の低い位置にあり、この流れならよいインパクトができそうなことは明白です。
先の写真1、写真2とは大違いのスイングで、このようなスイングの流れであれば、多少芯を外したとしてもナイスショットは約束されたようなものです。
この写真のように友人は、スライス間違いなしスイングから、ナイスショットが確実なスイングへと激変するまでに修正することができました。
そしてその修正に使った時間は、なんと僅か1分だったのです。
いったいどんな魔法を使ったのか?
実は写真3と写真4のスイングは、ボールをセットしないで「 素振り 」をしたものだったのです。
ボールをセットしない「 素振り 」なら、なんの苦労もなく理想に近いスイングができました。
ただ単に、彼の持っている知識通りにスイングすればよいだけなのですから…。
つまり…ボールをセットしない「 素振り 」ならば、「 飛ばしたい 」「 ボールに当てたい 」「 フェアウェイに運びたい 」という過剰な意識を抑えられるので、簡単によいスイングができるのです。
あとは実際にボールを打つ時でも、「 素振り 」と同じスイングをやり切るだけでOK。
そのためには、しっかりとスロー動画で自分のイメージと現実との違いを認識して、それが一致するように、メンタルコントロールを含めた練習を重ねる必要があります。
今回のまとめ
従来の一般的なゴルフレッスンでは、写真1と写真2のようなカット軌道になっているゴルファーに対して、そのカット軌道を抑えるために、「 バックスイングの上げ方を… 」「 トップの位置を… 」「 股関節に体重を乗せて… 」「 ダウンスイングで肘を絞って… 」「 ダウンスイングでタメを作って… 」「 インサイドアウトの軌道にして… 」etcと、彼らのイメージする「 型 」にはめるようにレッスンを繰り返しています。
その結果、多くのアマチュアゴルファーはどんどん不自然なスイングが形成されることになります。
不自然で気持ち良く振れないのに、肝心の上達も進まない…。
ところが、写真3と写真4のスイングのように、ボールをセットしない「 素振り 」なら、実はほとんどのゴルファーが簡単によいスイングをマスターすることができます。
ゴルフスイングとは、基本的にはこのスイングで十分なのです。
つまり、従来のゴルフレッスンのような「 難しいだけの不自然な理論 」は、そもそも必要なかったのです。
「 素振り 」のスイングを磨いて、実際にボールを打つ時でも、しっかりと正確にそのスイングを実行できる方法を考えればよいだけで、けして特殊な技術は必要ありません。
そして最後の仕上げとして、自分のイメージ通りのスイングができているのかを、しっかりと自分の目で確認することです。
それをやらずして、正しいスイングを知っているつもり、やっているつもり、というだけでは不十分ということもしっかりと頭に入れておきましょう。
この写真の友人も、自分のスイングを自分の目で確認し、イメージと現実の違いを認識し、できるかぎり「 素振り 」のスイングを意識してティショットすると、すぐに「 過去イチ 」のナイスショットが打つことができたのです。
ただし、そのスイングを続けられるほど甘くはなく、すぐに「 悪いクセ 」といえる「 過剰な意識 」を抑えられなくなり、その後にミスショットもでていました。
あとはその「 過剰な意識 」を、いかにして自分なりの方法 ( イメージ力、考え方、ボールの見かた、練習量 ) で抑え込めるのかが、その後の上達スピードに影響することになります。
今回の内容を基にして、【 ドライバー 】の記事を読んでもらうと、理想のスイングの習得に向けて、自分なりのいろんなアイディアが浮かんでくると思いますよ。