今回は僕の奥さんのクラブセッティングを紹介します。
ゴルフ業界の常識から大きく外れている、しかし少ない練習量でも結果を出せる、その独創的なクラブセッティングは皆さんの参考になると思います。
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自分の感覚に合っていることこそが正しいセッティング!
ゴルフ業界にはクラブのフローが大事だという定説があり、ドライバーからウェッジまで、各クラブの重さと長さの規則的な階段を作ることが正しいとされています。
ゴルファーなら誰もが知っていることで、皆さんもその流れに沿うようにクラブセッティングを考えているのではないでしょうか?
しかしここで一度冷静に考えてみましょう。
本当にそのようなクラブのフローを作る必要がありますか?
そして、そのフローがスコアアップに役立っていますか?
一般的なアマチュアゴルファーの場合、パターを除くと40回から70回くらいラウンド中にクラブを持ち換えます。
そこには決まった順番はなく、その状況に合わせたクラブ選択と打ち方が必要になります。
ドライバーの後に9番アイアンだったり、マン振りした後に5割の力加減のコントロールショットだったりと、使うクラブも振り方も力加減も不規則です。
その使用状況の中で、はたして規則正しいフローが必要あるのでしょうか?
もしゴルフのプレーが、ドライバーから長いクラブの順番に打っていくスポーツならば、クラブのフローも役立つかもしれませんが、実際にはそんな場面は間違いなく訪れません。
それならば毎回違う様々な状況の中で、自分が必要とする距離と打ち方を合わせやすいのならば、クラブの重さやシャフトの特性などはバラバラでも問題はないはずです。
そんなセッティングを施してある僕の奥さんの例を紹介するので、もっとスコアを出しやすい、結果を出せるクラブセッティングについて、思考を柔らかくして考え直してみて下さい。
常識外れのクラブセッティングの例
セッティングスペック
● ドライバー ( 2本とも2019年購入 )
エスヤード T.388 ( 2012年モデル )、9.5°、ディアマナ S73、フレックスS、44インチ
ブリヂストン ツアーステージ Xドライブ340 ( 2005年モデル )、9.5°、ディアマナ S73、フレックスS、43.75インチ
● 3番ユーティリティ ( 2018年購入 )
ヤマハ RMXユーティリティ ( 2016年モデル )、17°、FUBUKI Ai FW55、フレックスS
● 4番ユーティリティ ❶ ( 2017年購入 )
ヤマハ RMXユーティリティ ( 2016年モデル )、20°、FUBUKI Ai FW55、フレックスSR
● 4番ユーティリティ ❷ ( 2009年購入 )
コブラ キングコブラ バフラーDWS ( 2008年モデル )、23°、ALDIRA VS PLOT – HL 61、フレックスR
● アイアン型ユーティリティ ( 2008年購入 )
エポン AF – 901 ( 2008年モデル )、25°、K`s – Hybrid、フレックスR
● 5番ユーティリティ ( 2007年購入 )
キャロウェイ Xユーティリティ 5H ( 2006年モデル )、27°、MachLine UT335、フレックスR
● 5番アイアン ( 2019年購入 )
エポン AF – Tour MB ( 2018年モデル )、28°、MODUS³ TOUR 120、フレックスS ( 2番手ずらし )
● 7番アイアン ~ PW ( 2008年購入 )
エポン AF – 701 ( 2007年モデル )、30° ~ 45°、MODUS³ TOUR 105、フレックスS
● ウェッジ ( 2018年購入 )
BRIDGESTONE FORGED ( 2014年モデル )、50°/08°、58°/08°、Dynamic Gold 120、フレックスR
● パター ( 2014年購入 )
アダムス IDEA SUPER LS XTD ( 2013年モデル )、19°、N.S.PRO 950GH、フレックスS
クラブ説明
● 概要
ご覧のようにメーカーもモデルもバラバラです。
クラブの年式も購入時期もバラバラ。
そして注目して欲しいのは、シャフトの銘柄も重さも全く統一性がないこと。
ドライバーが70g台なのに、ユーティリティが50g~60g台、アイアン型ユーティリティはスチールシャフトの90g台。
アイアンも5番が110g台なのに、7番 ~ PWが100g台、ウェッジが110g台という具合に、全く一定のフローがありません。
その中でも最も掟破りなのがパターで、なんとクラブ自体は19°のユーティリティをパターとして使用しています。
こんな常識外れのセッティングですが、使っている本人にとっては、それぞれの状況に合わせてクラブを持ち換えた時に、「 この距離をどんな打ち方でいくべきか… 」をイメージしやすく、そして高い確率で実行できるセッティングになっているのです。
最も重要視しているのが、ショートホール対策です。
スコア70台を出す秘訣は、「 ショートホールのワンオン率75%以上 」だと思っていて、100~170ヤードのショートホールを、寒暖の差や風の強弱など、どんな条件下でも達成できるように、クラブセッティングを工夫しています。
そんなセッティングの工夫を、各クラブ別に説明します。
● ドライバー
無風で打ち下ろしのない平たんなホールで、想定している飛距離は180 ~ 200ヤード。
こちらの地域は年中コースコンディションが柔らかいので、ランはなく、ほぼキャリーのみの飛距離になります。
ちなみに、女子プロトーナメント開催コースでドライビングディスタンスを計測するホールは、打ち下ろしの2つのホールが一般的ですが、同じところから打ってみると平均220ヤードくらいでした。
古いモデルなのに、そして年齢が増えているのに、ラウンドしている各コースの各ホールの最長飛距離を、この2~3年間でほぼ全て更新しました。
【 失敗しないドライバー選びの注意点! 】でも説明したように、カーボンシャフトは温度変化に敏感なので、気温に応じて3本くらいエースドライバーを用意しています。
現在は気温20° ~ 30°を想定して、上記の2本の中から選びます。
使う本人が『 重く・短い・小型ヘッドのドライバー 』が好みなので、それに合わせてとてもハードなシャフトが装着してありますが、使ってみるとシャフトが短くて小型のヘッドなので、意外にハードではありません。
もし同じシャフトで、45.5インチの長尺で460ccの大型ヘッドなら、とてもハードに感じるので、このセッティングは成立しません。
感覚的には、「 ヘッドが大きい3番ウッド 」だと思って下さい。
しかしこの『 重・短・小ドライバー 』なら、3番ウッドどころか、最新の長尺の大型ヘッドよりも飛んで曲がらないのです。
● 3番ユーティリティ
ティショットは170 ~ 180ヤード。
セカンドショットは160 ~ 170ヤードを想定しています。
フェアウェイウッドは、シャフトが長く、ヘッド形状がシャローなのが好みではなく使っていません。
もちろん、3番ウッドで「 あわよくば200ヤード 」のような無謀な攻め方も無しです。
4番ユーティリティ ❶と同じクラブで、同じシャフトなのに、フレックスは3番がSで、4番がSRです。
その理由は、この3番を使うのは距離の短いミドルホールのティショットか、ライのよいセカンドショットだけで、常にある程度の「 マン振り 」が必要なので少し硬めになっています。
● 4番ユーティリティ ❶
ティショットは150 ~ 170ヤード。
セカンドショットは150 ~ 160ヤードを想定しています。
ティショットはショートホールでの距離を合わせ、セカンドショットは少しライが悪くても、短いラフでも、いろんな傾斜からでも使用するので、多少コントロールすることを想定して、少し柔らかめになっています。
距離の長いホールのパーオン率は、このクラブがカギを握っています。
● 4番ユーティリティ ❷
ティショットは145 ~ 155ヤード。
セカンドショットは140 ~ 150ヤードを想定しています。
ALDILAのシャフトは国産よりも少しハードな設定で、温度変化の影響も少ないので、気温の変化に左右されずに安定して使用できます。
基本的には「 マン振り 」専用ですが、多少コントロールしやすいように、少しアンダースペックを狙っています。
● アイアン型ユーティリティ
ショートホールのティショットしか使用せず、145 ~ 150ヤードを想定しています。
ピンポイントでピンを狙えるクラブです。
セカンドショットでは、ソールの形状が合わずに、抜けが悪いので使用しません。
【 本当に抜けのよいアイアンとは!? 】を参照してください。
● 5番ユーティリティ
ティショットは140 ~ 150ヤード。
セカンドショットは130 ~ 150ヤードを想定しています。
このクラブは、【 ラフからの打ち方は『 ラフ専用 』クラブを使えばとても簡単! 】で紹介したクラブで、基本的にはラフから打つためのセッティングになっていて、少し軽くて柔らかめです。
しかし寒い時期やライが悪い時にはフェアウェイからも使用していて、フルショットしない時のコントロール性が抜群。
寒い時期にはティショットで使用することもあります。
それ以外にも、【 失敗しないランニングアプローチの方法 】で紹介したように、ランニングアプローチで積極的に使用しています。
● 5番アイアン
ティショットは135 ~ 145ヤード。
セカンドショットは130 ~ 140ヤードを想定しています。
ティショットの精度は高く、セカンドショットはライがよければとてもヘッドの抜けがよいアイアンです。
ヘッドが小ぶりなので、ラフからの抜けがよく、状況によっては使用しています。
ライが悪い時は使用しないので、「 マン振り 」専用のセッティングです。
【 アイアンシャフトのセッティングに新提案! 】で紹介したように、シャフトは2番手ずらしで3番アイアン用を使用しています。
● 7番アイアンからPW
ティショットは100 ~ 140ヤード。
セカンドショットは90 ~ 130ヤードを想定しています。
本当はMODUS³ TOUR 120 フレックスSの1番手ずらしがよさそうな気もしますが、まだ試していません。
基本的にはコントロールショットはせずに、「 マン振り 」専用のセッティングになっています。
● ウェッジ
基本的にはパーオン逃がしのサードショット専用で、5 ~ 75ヤードを想定しています。
【 ウェッジのシャフトの選び方 】で説明したように、いろんな使用状況に対応するために、フルショットで打ちやすかったMODUS³ TUOR 120のフレックスSから、ハーフショットでコントロールしやすいDynsmic Gold 120 フレックスRに交換。
クラブヘッドは、弾きすぎない柔らかい打感のフォージドで、ソールの抜けのよさが選択基準になっています。
● パター
掟破りなパターは、19°のユーティリティヘッドを使用しています。
このクラブヘッドを使用する理由は、打感とコントロール性のよさです。
【 失敗しないランニングアプローチの方法 】で紹介したように、中空構造のユーティリティヘッドでボールを打っていると、その打感とコントロール性がとてもよいことが分かります。
「 それならばパターでもいけるのでは? 」と思い、いろいろ試した結果、以前に購入して自宅で眠っていたこのクラブヘッドを選択。
オリジナルはカーボンシャフトで操作感が軽すぎたので、同じく自宅で眠っていたスチールシャフトに交換し長さを合わせて、パター用のグリップを装着して特殊なパターを作りました。
通常のパターのように、「 真っすぐ引いて、真っすぐ出す 」ストロークだと、ロングパットではボールが弾んでしまうので、ショットのように「 イントゥイン 」の軌道でストロークする必要があります。
しかし慣れてくると、そのメリットがどんどん分かってくるはず。
【 パッティングのインパクトロフトはマイナスロフト!? それともプラスロフト!? その2 】で紹介したように、以前からパターのロフト角はもっと大きいほうがよいと思っていて、ロフト10°くらいの中空構造ならば、距離感とコントロール性が抜群になるはずだと想像していました。
しかし世の中にはそんなパターは無かったので、ユーティリティヘッドで自作して代用しました。
中空構造と19°のロフト角の組み合わせは、ボールがフェース面に乗っている時間が長く、コントロール性が抜群。
どんなに速いグリーンでも、転がりすぎたり、ボールを弾きすぎるという恐怖感は全くありません。
今回のまとめ
今回紹介した結果を出せるクラブセッティング、いかがだったでしょうか?
このような常識外れのクラブセッティングで、【 驚異的なパーオン率100%にあと一歩まで迫ったラウンドの詳細を報告します! 】のように、パーオン率100%を目指してラウンドしています。
実際のラウンドでは、フルショットだけでなく、いろんな力加減のコントロールショットが必要になりますが、そんな中でクラブのフローが本当に必要でしょうか?
もちろんある程度の基準は必要ですが、実際のラウンドではもっと臨機応変に対応する必要があり、そこにはフローの効果は必要ないと思います。
そもそもフローにこだわるのなら、長尺ドライバーは絶対に避けるべきで、他のクラブとはかけ離れすぎています。
それよりも、自分のラウンドの中で必ず訪れる難しい状況下で、的確に対応できるクラブを選び、そしてその場面を想定して練習を重ねるほうが、少ない練習量でも結果に結びつけることができると思いませんか?
バックに入れられるクラブの本数は決まっていて、何セットも所有することも難しいので、あえてフローは気にせずに、コースや気温の変化への柔軟性の高いクラブセッティングを考えてみて下さい。