アプローチショットでピンにピタリと寄せるためには、正しい打ち方とコツが必要です。
アプローチショットについてはこれまでに、【 簡単なアプローチショットの打ち方 コントロールショット編 その1 】【 アプローチショットのコツ 30ヤード以内のショートアプローチ編 その1 】【 世界のトップ選手と日本人選手とのアプローチショットの違いを分析 】などで、打ち方の考え方やコツを説明してきました。
今回のテーマは、アプローチショットを更に磨くための極意として、しっかりと感覚の中に植え付けてもらいたいポイントについて説明します。
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アプローチショットの極意とは?
その極意とは、ボールをフェース面から滑らさないように、しっかりと乗せてコントロールすることです。
そのための注意点は、① ヘッドを加速させないこと。② むやみにフェースを開かないこと、の2点です。
しかしこの2点とは、現在の日本のゴルフ理論では、多くのプロゴルファーとプロコーチが、「 フェースを開いてヘッドを加速させてスピンをかける 」というように、全く逆の方向に推奨しているポイントなのです。
ところが現在の世界のゴルフを見渡すと、ヘッドを加速させずに、必要以上にフェースを開かない打ち方のほうが主流になってきています。
そして実際に試してみても、世界の主流の打ち方のほうが日本の方式よりもはるかに簡単で、しかも正確にピンに寄せることが出来るのです。
注意点 ① ヘッドを加速させないこと
それなのにいまだに日本のゴルフ理論では、ヘッドを加速させて、ボールをフェース面で切るようにコントロールして、スピン量を増やす打ち方が主流になっています。
しかし現実には、特にラフからのショットでは、いくらヘッドを加速させてスピンをかけたつもりでも、ハイスピードカメラのスロー映像では全くスピンがかかっていないことが判明しています。
それどころか、ヘッドを加速させて打つことで、ボールに勢いがついてしまい、逆に止まらないボールになっている場合が多いのです。
つまり日本人選手達は、たとえラフであってもボールを切れば切るほどにスピンがかかる、と思いこんでいるだけだったのです。
先日放送された日本プロゴルフマッチプレー選手権 レクサス杯の番組内で、スピンをかけることが大好きな日本のゴルフ理論が、一気に変わるきっかけになりそうな話が出てきました。
その話が出たのは決勝戦の中で、藤本佳則選手と小平智選手がグリーン周りのアプローチに失敗した時です。
彼らは二人ともまさに日本の方式の、オープンスタンスでボールを右足寄りに置き、小さい振り幅からヘッドを加速させるように、ヘッドを鋭角に入れてスピンをかける打ち方。
ピンをデットに狙ったのですが、ラフが深いせいもあり、フェース面にボールが乗らずにスピンもかからず、ピンに寄せることが出来ませんでした。
それを見た解説の丸山茂樹選手から、「 ヘッドを加速させる打ち方だけでなく、ヘッドを加速させないアプローチの打ち方も覚えないとダメ 」という内容の解説がありました。
ヘッドを加速させるとボールに勢いがつくので、スピンがかからなかった場合は、勢いが強いボールにしかならない。もっとボールの勢いを殺すような打ち方も必要。…という内容だったと思います。
このような内容は、このブログでは当初から何回も説明してきましたが、日本人選手からこのような内容の解説を聞いた、または見たのは初めてです。
丸山茂樹選手は米国PGAツアー参戦時には、アプローチショットの名手として有名でした。
おそらくすでにその当時から、ヘッドを加速させないアプローチショットの打ち方を身につけていたはずですが、これまでにはその打ち方の説明をしたところを見たり、読んだりしたことはありませんでした。
日本人選手がヘッドを加速させる打ち方ばかりで、しかも失敗するシーンが目立つので、見るに見かねたのでしょうか?
いずれにしても、この解説の内容を日本人選手が聞いていたなら、確実に考え方を変えるきっかけになるでしょう。
石川遼選手も米国PGAツアーでは、日本方式のアプローチの打ち方で失敗するシーンが目立っていて、非常にもったいないゴルフになっています。
【 松山英樹選手のスイング理論が日本のゴルフ理論の基本となる日が近づいた!? 】でも説明していますが、最近になって明らかに丸山茂樹選手のゴルフ理論、スイング理論の解説内容が変わってきているように感じます。
アマチュアゴルファーにとっては、難しい打ち方ばかりだった日本のゴルフ理論が、大きく変わる日がいよいよ近づいてきているのか…!?
そこでアマチュアゴルファーが気をつけるべき点は、ヘッドを加速させるばかりの日本人選手達の影響は受けずに、いかにシンプルにボールをフェース面に乗せられるのか、ということに注力することです。
けっしてヘッドを加速させずに、出来ることならヘッドを減速させて、ボールをフェース面から滑らさないようにコントロールしましょう。
今までとは比較にならないくらい、柔らかくコントロールされたボールを打つことが出来るでしょう。
次の注意点 ② むやみにフェースを開かないこと、については【 その2 】で引き続き説明します。