アプローチの打ち方には数多くの種類がありますが、その中でもグリーン周りからの距離の短いアプローチショットは、スコアを安定させるために非常に重要なテクニックになります。
いろいろな状況に応じた打ち方がありますが、その中の代表的なものがランニングアプローチです。
そこで今回は、失敗しないランニングアプローチの方法を紹介します。
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簡単なランニングアプローチの方法を紹介
グリーン周りのアプローチの方法は、飛び越えなければいけない障害物が無いのなら、出来るだけボールを上げずに転がしたほうが簡単です。
しかもピンに直接狙いやすいので、その打ち方の選択はランニングアプローチがファーストチョイスになりますが、皆さんはそのランニングアプローチをうまく打てていますか?
アマチュアゴルファーの場合、実際のグリーン周りから練習する機会が少ないので、どうしても苦手にしている人が多い印象です。
そこで今回はそのランニングアプローチで、とても簡単なのにプロ並みにピンを狙える方法として、『 ユーコロ 』という打ち方を紹介します。
『ユーコロ』をするためのクラブ選び
一般的なランニングアプローチの方法としては、ボールを右足寄りに置いてウェッジで打つ方法と、8番か9番アイアンでパターのように打つ方法が代表的な打ち方です。
その他にもフェアウェイウッドやユーティリティを使う方法や、チッパーと呼ばれるクラブを使う人もいるでしょう。
そんな数ある方法の中で最も簡単でお勧めしたい方法が、ユーティリティで転がすアプローチで、その名を『 ユーコロ 』と勝手に呼んでいる打ち方です。
そしてユーティリティの中でもお勧めしたいクラブが、ロフト角27°で、フェースプログレッション( FP値 )が大きい物。
「 出っ歯 」か「 ストレート 」タイプのヘッド形状の物です。
つまりそのクラブとは、【 ラフからの打ち方は『 ラフ専用 』クラブを使えばとても簡単! これで夏ラフも怖くない! 】でも紹介したものと同じクラブであり、その『 ラフ専用クラブ 』をランニングアプローチでも使う作戦なのです。
27°のユーティリティを選ぶ理由
そのクラブを選ぶ理由を説明しましょう。
① 27°が最適なロフト
グリーンエッジからだけでなく、グリーン手前の花道、グリーン脇の多少のラフ、冬場の芝がとても薄いライ、雨で緩んだライ、このようなあらゆる状況での使い勝手を考えると、20°前後のロフトではボールが芝に食われて止まってしまったり、逆に予想以上に転がってしまう場合があります。
チッパーのように35°くらいもロフトがあると、ライの状況によってはボールが上がりすぎたり、スピンがかかりすぎてイメージ通りに転がらない場合が多くなります。
そんないろいろな状況にうまく対応出来るのが、ちょうど中間的なロフトの27°なのです。
多少のラフでも適度にボールが浮くので、芝の抵抗を受けずにクリアしてくれて、グリーン上はスピンがかかりすぎずにイメージ通りに転がってくれます。
② 大きいフェースプログレッション
ユーティリティならどのような形状のヘッドでも芝の抵抗を受けにくいのですが、フェースプログレッションが大きい「 出っ歯 」や「 ストレート 」タイプのヘッド形状のほうが、より芝の抵抗を受けずにストロークすることが出来ます。
つまり、グースネックのタイプはお勧めしません。
③ 短いシャフト
例えばフェアウェイウッドの3番の場合、かなりシャフトが長くなりますが、27°のユーティリティならシャフトが短いので、ランニングアプローチがとても打ちやすくなります。
④ 『 ラフ専用クラブ 』を有効活用
【 ラフからの打ち方は『 ラフ専用クラブ 』を使えばとても簡単! これで夏ラフは怖くない! 】で説明したように、ラフから打つクラブとして是非27°のユーティリティを用意して欲しいので、せっかくそのクラブを用意してあるなら、もっと有効に活用しましょう。
以上が27°のユーティリティを選ぶ理由ですが、27°でなくても、25°~30°くらいなら使い勝手は十分確保出来ます。
失敗しない『ユーコロ』の打ち方
それでは『 ユーコロ 』の打ち方を説明します。
パターで打つようにストロークしてもらえばOKなのですが、もっと簡単にイメージが出せる打ち方を紹介します。
もっとパターのイメージでストロークしやすくするために、上の写真のようにヘッドのトゥ側を下げて、パターのライ角に近づくようにシャフトを立ててクラブをセット。
27°のユーティリティはシャフトが短いと言っても、実際にはパターよりは長いので、その長い分は肘を曲げて長さを調節するように構えて下さい。
両肩と両肘とグリップ位置の関係が五角形になるようなイメージです。
その目安としては、身体とボールの距離感をパターの時と同程度になるようにして下さい。
このようにセットして、あとはロングパットを打つようにストロークすればOK。
ストロークと言っても、パターのように「 真っすぐ引いて、真っすぐ出す 」よりは、ボールの前後で大きなRを描くように、左右対称にヘッドを動かすイメージのほうがよいでしょう。
そして失敗しないためには、ボールの前後5cmくらいを軽くダフらせるように、ソールを芝に滑らせて下さい。
距離感は、パターと同じくらいのイメージになると思います。
ピンまで歩測して15ヤードなら、パターの15ヤードとほぼ同じストローク感になります。
あとはコースで実際に打ってみて、ラフで抵抗が大きそうなら、その分だけ微調整しながら感覚をつかんで下さい。
慣れればけして大げさではなく、本当にプロゴルファー並みの精度のランニングアプローチが可能になります。
この『 ユーコロ 』のランニングアプローチ、同じ場所からパターと打ち比べてみれば分かりますが、パターよりも傾斜と芝目の影響を受けずにボールが転がります。
この点も大きなメリットになるでしょう。
まとめ
この27°のユーティリティを使った『 ユーコロ 』、もしプロゴルファーが試したら、笑いが止まらないほど簡単なはずですが、残念ながら27°のユーティリティを使っているプロゴルファーはほとんどいないので、彼らはこの効力を試す機会がないのです。
そしてこの『 ユーコロ 』はあまりにも簡単なので、罪悪感を感じて遠慮する気持ちが生まれたり、ウェッジやアイアンを使わないと初心者のようで恥ずかしいと思う人もいるかもしれません。
しかし、グリーン周りから3番ウッドで転がすアプローチを世界に広めたのは、当時世界No.1だったタイガー・ウッズ選手です。
ゴルフ界の常識には縛られずに、余計な遠慮も恥じらいも捨てて、失敗しないランニングアプローチの方法を駆使して、どんどんピンに寄せまくって下さい。
27°のユーティリティはバックに入れるべき重要なクラブ
今回説明した『 ユーコロ 』だけでなく、ラフからのショットでも活躍してくれる27°のユーティリティ、とても利用価値の高いクラブです。
アマチュアゴルファーが1ラウンドの中で『 ユーコロ 』を使いたくなる場面は、少なくともる5回前後はあるはず。
そして、ドライバーショットのフェアウェイキープ率が50%だとすると、セカンドショットでラフから打つ回数が少なくても7回。
合計すると12回も使う可能性があることになります。
つまり、パターとドライバーの次に重要なクラブとして位置づけるべきなのです。
皆さんも、その利用価値の高い27°のユーティリティを用意して、スコアメイクの強力な武器にしてみませんか?
※この『 ユーコロ 』に関連した記事を、【 全英リコー女子オープンの覇者も使っていた「『ユーコロ 』のランニングアプローチ! 】で追加しているので、そちらもご覧下さい。