最近ますます関心が高まっている短尺ドライバーですが、クラブメーカーは相変わらず長尺ドライバーにしか興味がないように感じます。
待っていてもクラブメーカーが作ってくれないなら、自分で作るしかありませんよね。
ところが一言で短尺ドライバーと言っても、どんな長さで、どんなスペックがよいものかと、迷うことばかりなので、実際に自分で製作するまでにはなかなか踏み切れない人が多いことと思います。
このブログでは多くの短尺ドライバーを製作し紹介してきましたが、それでもまだまだ疑問点が多いはず。
そこで今回から回数を分けて、自分に適した短尺ドライバーを製作するために必要になる情報を、もっと詳細に紹介していきたいと思います。
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短尺ドライバーを極めるための講座 その1
1限目 短尺ドライバーのメリットとは?
まずはヘッドの大きさは関係なく、短尺ドライバーとしてのメリットを、しっかりと理解しましょう。
短尺ドライバーの最大のメリットは、ズバリ「 打ちやすい! 」ということです。
極端な話、短ければ短いほど、打ちやすくなります。
ただし飛距離との兼ね合いがあるので、最低限の長さは必要になりますが、短いという武器は、ゴルファーに多くのメリットをもたらしてくれます。
その代表例がこの9点。
① インパクトのタイミングを合わせやすい
② ショットの精度が上がる
③ 空気抵抗が少ない
④ クラブを重くできる
⑤ 操作性、コントロール性が高い
⑥ スイングがよくなる
⑦ 他のクラブとスイングの流れが近くなる
⑧ 疲れにくい
⑨ その他…
長すぎるドライバーのシャフトを短くすることで、このように数多くのメリットが生まれてきます。
そしてこのメリットは、逆に長尺ドライバーのデメリットと言ってもよいと思います。
まずはその内容を1つずつ確認していきましょう。
① インパクトのタイミングを合わせやすい
ゴルフ上達への最も重要なポイントが、『 自分のタイミングでボールを打つ 』ということだと思います。
単純にプロの打ち方を真似したり、他人が勧める打ち方をするだけでは、けして『 自分のタイミングでボールを打つ 』ことはできません。
現在主流のゴルフレッスンの内容は、なぜかタイミングを合わせづらい内容ばかりなうえに、ドライバーのシャフトが長すぎるので、『 自分のタイミングでボールを打つ 』ことがかなり難しい状況になっています。
一番大事なことは、自分の感覚にピッタリと合うインパクトのタイミングをつかむことなのです。
そのためには、ドライバーのシャフトを短くすることが非常に効果的ですよ。
② ショットの精度が上がる
短いほうが間違いなくミート率が上がり、スイング軌道も理想に近づけやすいので、その分だけショットの精度は確実に上がります。
③ 空気抵抗が少ない
ゴルフクラブのシャフトは細いから空気抵抗はそれほど影響しない、と思うのは大間違いです。
たとえば2インチも短くなれば、誰もがその差を感じるはずです。
特にコースのティショットでは、身体に風が直接当たるので、その影響はもっと大きくなります。
④ クラブを重くできる
クラブを長くして軽くすることが、ゴルフ界の主流になっていますが、スポーツの常識から考えれば、「 ちょっと待った! 」です。
クラブを短くして重くすれば、長くて軽いクラブと同程度の運動エネルギーを生み出せるので、それならば短いほうが簡単だと思いませんか?
⑤ 操作性、コントロール性が高い
練習場では簡単に正確なアドレスを作れますが、実際のコースは各ホールの視覚的要素に惑わされて正確なアドレスを作ることは難しいものです。
そんなラウンドのティショットでは、アドレスの歪みを無意識に感じとって、スイング軌道の帳尻を合わせるように微妙に操作をしているものなのです。
ゴルフロボットのような何も微調整をしないスイングは、現実には不可能なので、スイング中の微調整を行うためには、当然シャフトが短いほうが簡単ですね。
⑥ スイングがよくなる
ドライバーが45.5インチだとすると、他のクラブよりもかなり長さが突出することになります。
ウェッジとは10インチも違うことになり、ドライバーはかなりの「 横振り 」のスイングが必要になります。
長くて軽いものを横に振ることがどれほど難しく、ボールへのパワーの伝達力が悪いことは、説明するまでもないでしょう。
クラブの重さを有効に使えるような「 自然なタテ振り 」のほうが、簡単であり、飛距離も出せて、結果的によいスイングを作ることができます。
⑦ 他のクラブとスイングの流れが近くなる
これは ⑥ の説明とも重なりますが、各クラブの長さが近いほうがゴルフはシンプルに、そして簡単になっていきます。
PGAツアーで活躍しているブライソン・デシャンボー選手は、アイアンを全て同じ長さに揃えていますが、それはとても理にかなっていることだと思います。
またブライソン・デシャンボー選手は身長185cmですが、ドライバーは45インチで、これでもPGAツアーの中では長いほうです。
平均185cmくらいの大柄な選手ばかりのPGAツアーの平均が44.5インチくらい。
その比率で考えれば、身長170~175cmには43.5~44インチくらいが適当でしょう。
身長が低いことをカバーするために、逆にシャフトを長くするという、日本のゴルフ界の考え方には無理があると思います。
⑧ 疲れにくい
長尺ドライバーは重量が軽いのに、ラウンドの後半で疲れる、という話をよく耳にします。
たとえば45.5インチだと300gくらいまで軽くしないと…、という人がいますが、ところが44インチなら310gだとしても、それほど重く感じないでラウンドすることができます。
空気抵抗という見えない負荷が影響しているので、長いクラブはどんなに軽くても、ジワジワと身体に負担がかかってしまいます。
長尺ドライバーを使用しているプロゴルファーの中に、背中や首を痛める選手が多いことは、けして偶然ではないでしょう。
⑨ その他…
その他にもまだまだメリットは多数ありますが、個人差があるのでそれぞれが感じとって欲しいと思います。
その1のまとめ
ここまでに説明したメリットによって、短尺ドライバーは打ちやすく、精度が高くなることが大きなメリットになります。
そして思わぬ効果として、実際のラウンドで使用してみると、意外なほどに飛距離が長尺ドライバーよりも伸びてくるのです。
短尺ドライバーをコースで使用してみると実感できると思いますが、一発の飛距離が優れているはずの長尺ドライバーは、ラウンド中の会心のティショット数が本当に少ない!
皆さんも自分のラウンドを振り返ってみて欲しいのですが、長尺のメリットを生かせたようなナイスショットは、実際のラウンドでは14ホール中で2発か3発くらいではありませんか?
もしナイスショットが5発もあれば、かなりの長尺ドライバーの名手になりますが、はたして…?
現実には長尺の代償として、大きく曲げたり、150~180ヤード程度のミスショットが多くなっているのが、スコア90台、100台のゴルファーが直面している問題です。
それでは80台、70台への道は、かなり険しいものになりますね。
たとえばヘッドスピード40m/sの人なら、無理に230~240ヤードを目指すのではなく、平均220ヤードで、フェアウェイキープ率70%以上を目指したほうが、確実にスコアアップに結びつきます。
そしてナイスショットが続くと、もっと気持ち良く振りきれるようになるので、結果的に長尺ドライバーよりも飛んでしまうので、今まで取れなかったドラコンを短尺ドライバーで取れるようになります。
これは短尺ドライバーを使用する友人達の実体験です。
短尺ドライバーを極めるための講座として今回の1限目は、短尺ドライバーのメリットを説明してきました。
メリットばかりなのに、逆にデメリットとなる要素があまり見つかりません。
ただし市販されていないので、選択肢もなく、自分に合うスペックも分かりませんね。
その点を2限目以降で解決できるように説明していきたいと思います。
【 その2 】をご覧ください。