今回の内容は、初心者レベルから5ヶ月で95にまで進歩した友人へのレッスン内容の報告です。
まるでどこかの有料ゴルフレッスンの宣伝文句のようですが、その友人は週1回の練習場でのレッスンと、たった1回のラウンドレッスンで達成することができました。
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必要な内容だけに絞って効率よくレベルアップ!
この友人は、数年前に一度ゴルフを始めたものの、ボールがまともに当たらずにゴルフが嫌いになり、わずかな練習とラウンドを経験しただけで、一旦ゴルフから遠ざかっていました。
しかし会社経営者である友人は、仕事上のつきあいからゴルフを避けきれなくなり、ゴルフクラブを新調して再開することになったのです。
そんな事情だということを別の友人から紹介されたので、それならばこの機会に僕がレッスンしましょう、という流れになりました。
ゴルフを再開したばかりなのに、すでに1か月後のラウンド予定が入ってるという無茶なスケジュールだったので、まずはより短期間に効率よくレベルアップできるようにプランを考えました。
今回その内容と、その後の経過を報告するので、現在100切りを目指している人にはぜひ参考にしてもらいたいと思います。
わずか5ヶ月で95への道
最初に見た友人のスイングはかなりひどく、やっはり全てのクラブがまともにボールに当たらない状態でした。
そこで…中途半端にスキルと知識がなかったことをよしとして、全てにおいてこのブログ流の考え方を受け入れてもらい、真っ新な状態から再スタートする方法ができたことは、本人にとってもラッキーだったと思います。
このブログでは、世界のトッププロにも共通する、シンプルで効率のよいゴルフ理論を追求していますが、残念ながら巷には、それとは真逆と言えるような複雑な動きを求める内容が溢れています。
そんな相反する内容に混乱しないように、これまでに友人が知っていた少ない知識は全て忘れてもらいましたが、これがとても効果的だったのです。
◆ 最新のゴルフスイングの基本を最小限の範囲で身につける
世界の主流になっている最新のスイングを、アマチュアゴルファーが取り入れるためには、プロが説明している方法では身につけることは難しいので、もっと誰もが身につけられるような内容に変換したシンプルなゴルフ理論が必要です。
その中でも100切りに必要なものだけを更に絞りこんで、集中的にレッスンした項目は次の7点だけです。
① 体重移動を抑えてその場で回転
➥ 体重移動を抑えれば、左の壁などは必要なく、クラブの遠心力を生かして安定して正確に飛ばせる。
けして身体が左へ流れないように、シンプルにその場で回転する。
② ボールの位置は真ん中
➥ 体重移動を抑えれば、左に腰がスエーしないので、ボールの位置はどのクラブでも真ん中でOK。
ドライバーもアイアンも真ん中、ウェッジは少し右でもOK。
③ ハンドファーストは厳禁
➥ 特に初心者はハンドファーストになりすぎるので、その動きを抑える必要がある。
インパクトの瞬間を正面から見た時に、シャフトが垂直になるようなハンドジャストの状態を作る。
④ 下半身の動きを極力抑える
➥ 初心者ほど下半身が無駄に早く動きすぎてしまうので、まずは腰や膝の余計な動きを抑制する。
下半身リードという意識は、この場合悪効果でしかないので、徹底的に抑える。
⑤ ダウンスイングでクラブヘッドを大きく丸く動かす
➥ 初心者ほど右肘をすぐに曲げてクラブを上げて、右肘を曲げたままクラブを下ろしてしまうので、クラブヘッドの動きが小さくなり、その結果とししてクラブヘッドは丸く動かない。
ダウンスイングで「 ブーン 」と音がするような、大きな円軌道のスイングを目指す。
⑥ ボールの手前に、ソールから緩い角度でクラブヘッドを着地させる
➥ 初心者ほどクラフヘッドが鋭角的にボールに向かってしまうので、その悪い動きを矯正する。
けしてリーディングエッジから入れる意識は持たずに、ソール全面をボールの手前にしっかりと着地させる。
⑦ 正しいスイング軌道を意識する
➥ クラブの軌道を正しく作れるならば、ゴルフは一気に簡単になります。
この内容は【 ゴルフを簡単にするクラブの通り道! 】で説明しています。
◆ スイング以外のレッスン内容
スイング以外にも、上達を早める重要なポイントがあるので、その一部だけを伝授しました。
① 外部からの余計な情報を入れない
➥ この友人には、僕からの情報以外は極力目にも耳にも入れないようにお願いしました。
まだスイングが固まっていない段階で、いろんな情報が入ると混乱するし、しかもその情報に統一性がなければ、逆に大きなマイナスになります。
もちろん知人からのアドバイスも遠慮してもらいました。
② 無駄な練習をしない
➥ 初心者の段階でやみくもに一人で練習しても、逆に悪いクセがついてしまうことになるので、練習は僕と一緒の時だけにしてもらうようにお願いしました。
しかし本人は我慢できずに「 コソ錬 」を繰り返していて、その結果少し回り道になりました。
③ クラブから助けてもらう
➥ 短期間で上達するためには、その人の感覚に合うクラブがあれば強力な武器になりますが、現実は初心者がそんなクラブを入手することは無理なことです。
そこで【 最新ドライバーを打ちやすくセッティングしてみました! 】のようなアシストを加えて、もちろんアイアンも本人の感覚に合わせて鉛でセッティングしてあります。
◆ ラウンドでプレーをチェック
上記の内容で週1回の練習を重ね、練習場では順調に上達し、2ヶ月経った頃にはうまくいけば「 100切り 」が可能なレベルになりました。
しかし数回ラウンドを重ねても110前後で停滞していたので、その原因を探るために実際のラウンドに同行して、ミスショットの症状を確認しました。
そこで確認した修正すべき問題点が、次の4点です。
❶ ドライバーショットが練習場と全く違う
➥ 想像通りでしたが、実際のコースではドライバーショットが乱れまくっていて、OBが多いだけでなく、練習場の実力が全く発揮されていなかったのです。
ラウンド慣れしてないこともあり、実際のコースではボールの行方が過剰に気になっていて、いわゆる超ヘッドアップ状態で、身体がかなり早く起き上がっていました。
もちろん飛ばしたいという無駄な力みも溢れ出ていました。
❷ セカンドショットが不安定
➥ まさに【 100切りを目指す人がコースでやるべきこと! 】がピッタリと当てはまっていて、ミスショットをする時は、そのショットの前に何回素振りしてもソールで地面を擦れないのです。
その代わり、素振りですぐにソールがしっかりと擦れるときは、かなりの確率でナイスショットができていました。
❸ コースではアプローチの距離感が合わない
➥ この問題は、初心者レベルの人には仕方のないこと。
ラウンド経験を重ねながら、けしてヘッドアップしないように、そして焦って打ち急がないように気をつけて、徐々に距離感を身につけるしかないでしょう。
❹ ショートホールの精度が低い
➥ 当然のことですが、このレベルのゴルファーのショートホールワンオン率はかなり低いものです。
たとえば1ラウンド4回の中で、2回ワンオンできれば、それだけでかなり「 100切り 」に近づくはずです。
◆ チェックした問題点の対策
❶ ドライバーショットが練習場と全く違う
➥ まずはヘッドアップしない、そして早すぎる身体の起き上がりを抑えることが大事なのですが、それはメンタルも含めてすぐには直りません。
そこで、その点をもっと練習場でも意識しつつ、ドライバーを1インチくらい短く持つことにしました。
【 最新ドライバーを打ちやすくセッティングしてみました! 】の対策だけではこの欠点を補うには不十分で、かと言ってこの段階ではドライバーを変えるのは早計なので、グリップを短く持つことで対策しました。
❷ セカンドショットが不安定
➥ コースでソールをうまく擦れなかったことを踏まえて、練習場でももっとしっかりと意識してもらいました。
けしてソールが「 ドカン 」と落ちないように、「 シュパッ 」と滑らかに擦れるように素振りを重ねる。
その他では、27°のユーティリティよりも長いクラブは使わないことにしました。
通常「 100切り 」「 90切り 」を目指すためには、23°のユーティリティよりも長いクラブを使わないようにアドバイスしていますが、この友人の場合はパワーがあり、ヘッドスピードはおそらく45m/s以上なので、27°のセカンドショットでも190ヤードくらい飛んでいたので、それ以上の長いクラブは必要ありません。
使うクラブを少なくすれば、各クラブの習熟度を上げることにも役立ちます。
❸ コースではアプローチの距離感が合わない
➥ この友人はハンドファースト癖が強く、特にコースで緊張するほどに強くなる傾向です。
簡単には直らず、日頃から意識し続けるしかありませんが、その対策の一環として「 ユーコロ 」を伝授しました。
【 失敗しないランニングアプローチの方法 】で紹介している打ち方で、飛び越えなければいけないバンカーなどの障害物がない限り、グリーンまで距離が10ヤードくらいも残っていたとしても、とことん「 ユーコロ 」で対処してもらいました。
その結果、使えば使うほどそのコツがつかめるようになり、寄せワンやチップインバーディまで経験できて、スコアメイクが飛躍的に向上。
❹ ショートホールの精度が低い
➥ これは単純にショートホール用のティショットの練習が不足していただけなので、その点はすぐに改善できるはず。
この友人に限らず、多くのゴルファーはショートホール用の練習が少なすぎます。
練習場で見ていると、ドライバー以外のクラブでティアップの練習をしている人はほとんど見ることができません。
実際のラウンドで使う場面が少ないはずのミドルアイアンのセカントドショットばかり練習していて、スコアメイクに大事なショートホールの練習が明らかに不足しています。
この友人にももちろんショートホール用の練習は勧めていましたが、本人的にはドライバーショットの改善に手いっぱいの状態だったので、まだまだ不足していました。
今回のまとめ
このようなレッスン内容と過程の中で、最初はボールに当たらなかった友人が、短期間で95にまでレベルアップすることに成功しました。
そして次のラウンドでも、別のコースで96をマークして、確かな進歩を証明しています。
この友人の場合、仕事上の付き合いで、適度な間隔を空けながら定期的に5ヶ月で10回以上ラウンドできたことも効果的だったと思います。
そのスイングはまだまだ欠点だらけで、改善しなければならないポイントが満載なのですが、重要なことは、細かいことはあまり気にせずに、改善すべきポイントを正しく理解して、そして意識し続けて、迷いなく練習を重ねることです。
そしてあまり欲を出さずに、その時々に必要な改善ポイントだけに絞っておくことも必要です。
この友人の場合は、90を切るまではこの方針のままで十分だと判断していて、あとは傾斜での対応を少しレベルアップできればOKだと思います。
今後90が切れるようになれば、もう少し細かくスイングのレベルアップを狙い、クラブについても買い替えを含めてセッティングを煮詰めていく予定です。