2024/11/24
【 その1 】に引き続き、アマチュアゴルファーに共通するスイングの問題点を説明します。
【 その1 】では、① 下半身が無駄に動きすぎることについて説明しました。
今回は、② 無意識にボールに合わせに行ってしまう上半身の動き方を説明します。
※ 今回の内容もスイング全般に当てはまりますが、その中でもドライバーショットをイメージして下さい。
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無意識にボールに合わせる上半身の動き方とは?
アマチュアゴルファーには、上半身の動き方にも共通の問題点があります。
それは自分では気づいていないのに、無意識にクラブヘッドをボールに合わせに行ってしまう動き方です。
そしてその動き方は、本人は無意識なので、その点を認識しないことには直すことが出来ないやっかいなもの。
また、その動き方を直さなくても、それなりのプレーが出来てしまうことにも問題があります。
しかしもっとレベルアップを目指すためには、そこは妥協せずに、その無意識な動きの問題点をしっかりと認識して、シーズンオフの間に改善を進めましょう。
② 無意識にボールに合わせに行ってしまう上半身の動き方
ゴルフに限らずどんなスポーツでも、ある程度そのプレーに慣れてくると、無意識の中で帳尻を合わせるような動き方が身についてくるものです。
しかしその無意識な帳尻を合わせる動き方が、結果的には上達の妨げになってしまうもの。
ゴルフにおいては、理想的なスイング像は「 素振り 」のようなスイングとよく言われています。
たしかに「 素振り 」のように、身体に無駄な力みもなく、気持ち良く振り抜けるスイングで、しっかりとボールを打ちたいものですね。
スイング軸を保ち、理想的なスイング軌道の中の最適な位置にボールがあり、インパクトの時にフェース面がスクエアにセットされるなら、ナイスショットは間違いなし。
つまり大事なポイントは、スイング軸を保つ、理想的なスイング軌道、最適なボールの位置、スクエアなフェース面、という4点セットを精度よく合わせること。
そのためには、スイングの途中で微調整する必要がないように、的確なアドレスを作り、あとはその通りにスイングするだけ。
最終的な理想形は、目を閉じてスイングしても、ナイスショットが出来ること!
しかし言うほどには簡単ではないのが、ゴルフというスポーツ。
本人の感覚では的確なアドレスを作って、その通りにスイングしているつもりなのに、実際には微妙なズレが出来ているので、そのズレを修正しようと、スイング中に無意識にボールに合わせに行く動きが出てしまうものなのです。
その証拠に、もし目を閉じてスイングすれば、本人による無意識の微調整は出来なくなるので、なかなかナイスショットにはならないはず。
そしてその無意識にボールに合わせに行く動き方が、本人の本来持っているスイングのレベルを落とすことになっています。
そこで、その微妙なズレを生んでいる要因をそれぞれ確認して、目を閉じてもナイスショットが出来ることを目指し、ズレを少しでも減らせるように対処しましょう。
■ ズレ その1 ➔ スイング軸
もっとも明快なズレというのは、単純にスイング軸のズレです。
スイング軸がズレていては、ボールにちゃんと当たらないので、無意識にも、そして意識的にも、クラブヘッドをボールに合わせるように動いてしまうもの。
そこで【 その1 】で説明したように、まずはスイング軸の土台となる下半身の無駄な動きを抑えること。
そして次に上半身もズレのないスイング軌道を作れるなら、スイングに関してのズレは大幅に減少して行きます。
まずは下半身、そして上半身と無駄な動き方を抑えて、スイング軸のズレを修正しましょう。
もしかするとその修正だけで、この後に説明するズレは自然に消えてしまう可能性もあります。
■ ズレ その2 ➔ ボールとの距離
ボールとの距離がズレているケースが多く見られます。
本人は正しくアドレスをセットアップしたつもりでも、実はそのボールとの距離が近すぎる場合が多く、いざスイングを開始すると、実際のボールの位置よりも外側のスイング軌道になる傾向があります。
そのズレの度合いは、ボールの位置にシャフトがちょうど通過するくらいのズレ。
そのズレをスイング中に察知して、フェース面の中央にボールが当たるように、ダウスイングの途中で無意識にスイング軌道を変えてしまう動きが出ると、当然その分だけカット軌道になります。
例えば、シャフトからフェース面のセンターまでの距離が5cmなら、5cm分イン側にスイング軌道が変わり、その5cm分だけカット軌道になるわけです。
もしくは、そのままうまく振り抜けるなら、カットにはならずに少し左方向に飛んで行くことになります。
このズレが生まれる理由としては、単純にボールの位置が近すぎるパターンと、ゴルフはシャフトを握ってスイングするので、どうしてもダウンスイングの開始時点でシャフトが動く軌道をボールに合わせに行ってしまうパターンなどがありますが、理由はどちらでもかまいません。
意識的でも、無意識でも、スイングの途中でボールに合わせに行かず、たとえ目を閉じてスイングしてもフェース面のセンターにボールが合うような距離感をつかんで下さい。
なお、このボールとの距離は、近すぎるケースが多いのですが、中には遠すぎる人もいるでしょう。
その点はしっかりと確認して、自分なりに修正して下さい。
■ ズレ その3 ➔ インパクトの手元のズレ
インパクトの時に手元の位置が、つまりグリップした両手の位置が、アドレス時よりも5~10cmほど高く、そして身体よりも遠い位置にズレて戻っています。
よくプロゴルファーがゴルフ雑誌などで、「 手元が浮かないように… 」と説明しているポイントなのですが、現実にはほぼ全てのプロゴルファーも、アドレス通りの位置には手元は戻っていません。
ゴルフは長いクラブを全力でスイングするので、どうしてもその反動などの作用で身体の動きには誤差が出てしまうもの。
しかしその誤差は、少ないほうがよいのは当然のこと。
多くのプロゴルファーは、手元が浮かないようにと意識しているようですが、アマチュアゴルファーの場合は、どうせ浮いてしまうのなら、最初から手元を浮かせ気味にアドレスすることも考えてみましょう。
つまり、ハンドアップ気味のアドレスを作るということです。
日本人選手は、手元を低く動かすことにこだわる傾向ですが、ジョーダン・スピース選手やジャスティン・トーマス選手などは、かなりのハンドアップでセットして、そのままスイングしています。
固定観念には縛られずに、自分に適した方法を見つけてください。
そのためには、スマホなどのスロー動画で手元のズレを確認しながら修正する方法が効果的です。
◆ ズレを修正しようと無意識の動きが働く
ここまでに説明した3点が、ズレを生んでいる主な原因。
そしてこれらのズレを修正するように、本人には無意識のボールに合わせに行く動きが働くことになります。
その中にはもちろん、意識的に行っている修正も含まれます。
◆ 無意識の修正 その1 ➔ ダウンスイングの手元の動き
ズレのあるスイングをしているので、ダウンスイングの途中までは、どうしてもボールの位置を探すように手元が先行して動いてしまうものです。
つまり、手元が先行してクラブヘッドが遅れ気味になります。
この動きは、「 タメを作る 」動き方に似ていますが、けしてタメを作っているわけではなく、単なる振り遅れの傾向になります。
「 素振り 」の場合はボールの位置を探す必要がないので、この動きは出ませんが、実際にボールを打つ時は、この傾向が出やすくなっています。
◆ 無意識の修正 その2 ➔ インパクトで合わせる動き
ズレのあるスイングでは、インパクトでもフェース面をボールに合わせるように無意識の操作が入ります。
フェース面の角度とフェース面の位置を、インパクト直前に急な動きで、しかも手先で操作しているので、スライスやフックなどの「 こすり球 」の原因になっています。
せめてインパクトの直前ではなく、もっと手前のタイミングで合わせに行かないと、「 ぶ厚いインパクト 」は不可能なのです。
無意識にボールに合わせに行く動き方を抑えましょう!
このようなズレを修正しようとする動きの影響で、本当は「 素振り 」のように無駄のない大きなスイング軌道を作れる能力を持っているのに、実際にボールを打つ時は、手先で合わせに行くような動きが入るので、歪んだ小さなスイング軌道になってしまっているのです。
あくまでも理想形は、スイングの途中でボールに合わせに行くことはせずに、ダウンスイングの開始時点で、しっかりと狙いが定まっているスイング軌道。
その理想形に近づいて行けるなら、当然スイングスピードも精度も上がり、スイング全体の形も徐々によい方向に変化して行くことでしょう。
シーズン中は目先のスコアが気になるので、練習でも知らないうちにボールに合わせに行く動きが出やすくなります。
このシーズンオフを利用して、じっくりとそれぞれの項目を確認して、十分な対策をして下さい。
今回の内容は、【 ドライバーショット上達へのヒントを紹介します 】のコーナーも参考にして下さい。