【 その2 】に引き続き、まるでゴルフロボットのような松山英樹選手のスイングを、アマチュアゴルファーが目指すためのコツを説明します。
sponsored link
松山英樹選手のスイングをコピーしてみましょう!
いよいよ松山英樹選手のスイング解析の最終回です。
インパクト後の動き方には、真似をしないほうがよい部分があるので、気をつけて下さい。
⑥インパクト
アドレスの状態からほんの僅かだけ身体が左に移動しているが、彼のダウンスイングの強烈な回転パワーを考えれば、スイング中にこれ以上はアドレスの状態を再現することは不可能といえるほどの状態。
腰の向きもほぼ正面でインパクトを迎えている。
インパクトのグリップ位置もセンターで、頭の位置とグリップの位置とボールが作る3点の位置関係が、地面と垂直状態のほぼ一直線上になっている。
この形をハンドジャストと呼んで下さい。
注目すべき点は、このインパクトの形が出来れば、「 左の壁 」を作る意識は必要ないこと。
松山英樹選手と比較すると多くのプロゴルファーは、身体はもっと左に移動していて、腰の向きはもっと左を向いている。
インパクトのグリップの位置も左になっているので、ボールとグリップ位置の延長戦上は、頭ではなく左肩になっている。
その結果、ドライバーショットではハンドファーストになり過ぎないように、必然的にボールの位置は左にセットされる。
このようなスイングでは、インパクト時には左の壁を作る意識が必要になる。
⑦フォロースルー
両腕が伸びたままの大きなフォロースルーで、なおかつ両腕が腰よりも上の高さになるまで、頭の位置と顔の向きはインパクト時のままキープされているのが特徴。
全くヘッドアップの動きが見られない、究極の形です。
身体の位置もアドレスに近い位置をキープされたままなので、左の壁を作る意識は、このスイングには必要ないことが分かる。
注目ポイントは、全くアームローテーションがされていない腕の形。
⑥ ダウンスイング途中からの流れで、アームローテーションが必要ないからです。
ここまで出来るのはまさにゴルフロボットのような本当に凄いスイング。
しかし残念ながら、アマチュアゴルファーがこの動き方を全て忠実に再現することはお勧めしません。
インパクト後の頭の位置を松山英樹選手のように究極まで残すことは、首や背中を痛める可能性が高い。
松山英樹選手のようなハードなトレーニングと入念な身体のケアがあるから可能になる動き。
アマチュアゴルファーには過剰な負荷は禁物。
プロゴルファーが首や背中を痛める場合も、この動き方を追及しすぎている可能性が高い。
松山英樹選手には長く活躍して欲しいので、もう少し負荷を逃がすような動きをして欲しい。
両腕が伸びたフォロースルーも、出来る範囲の中で目指す程度で十分。
その点にこだわりすぎて、スイング中に無理な意識が出てしまうと、せっかくここまでうまく出来てきたスイングの流れが逆に崩れかねない。
もちろん飛距離と方向性のアップに効果はあるものの、多少ひじが曲がったままでもスコア70台は十分可能です。
※追記
その松山英樹選手、2018年からフォロースルーの動き方が、少し身体の負担の少ない動き方に変わってきました。
年齢と身体の柔軟性に合わせて、徐々にスイングを修正することは必要です。
※追記
その後はまた身体の負担が大きい動きに変わってしまい、ケガとの戦いが続いていることは残念です。
また、通称「 猿腕 」と呼ばれる腕の特徴を持った人は、この両腕が伸びるフォローは作りにくい。
例えば藤本佳則選手もおそらく「 猿腕 」だと思うが、両ひじが曲がったままのフォロースルーになっている。
したがって、この⑦フォロースルーでは重要となるコツは特になく、イメージだけ参考にすればOK。
フォローで加速させる意識は不要
この地点での重要な注意点が1つ。
それは、フォローでクラブヘッドを無理に加速させる意識は必要ないこと!
松山英樹選手のスイング、すなわちゴルフロボット打法には不要な理論。
フォローでのクラブヘッドの加速は、よいスイングによる回転運動で生まれる遠心力と慣性力のエネルギーでクラブヘッドが自然に加速されるもの。
多くのプロゴルファーは、インパクト前後にアームローテーションでクラブヘッドを返す操作しているので、その動き方によって加速させているように感じるだけ。
一般的なゴルフレッスンでは、必ずアマチュアゴルファーに対して指導してくるポイントだが、スイング中に加速させようとする動きを無理に加えることは、逆にスイングのバランスを崩すだけ。
「フォローで加速させる 」という意識は、頭の中から消し去って下さい。
⑧フィニッシュ
左足の上に乗った見事なフィニッシュ。
松山英樹選手のフィニッシュだけを見ると、おそらく多くのプロコーチは「 左に体重移動が出来ているスイング 」として、体重移動の重要性を説いてくるだろうが、それは大きな間違い。
松山英樹選手のフィニッシュは、左方向へスイングした強烈な回転エネルギーが作り出す自然な形。
アマチュアゴルファーはそこまでのスイングパワーは発生しないので、たとえ松山英樹選手になりきれても、もっとセンター寄りの位置でのフィニッシュになるが、その点は気にする必要はない。
以上、ここまで3回に分けて松山英樹選手になりきるコツを説明してきました。
皆さんに上手く伝わったでしょうか?
練習量の少ないアマチュアゴルファーは、それぞれのクセや特徴を生かしてスイング理論を考えることが重要です。
クラブヘッドとフェース面の回転運動の全体像をイメージして、あまり細かい動きの形にとらわれずに自分に適したスイングを作りましょう。