【 左足上がりのセカンドショットの打ち方にはコツがある! 】に続いて今回は、左足下がりのセカンドショットを簡単にするためのコツを説明します。
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難しい左足下がりでも、コツをつかめば大丈夫!
左足下がりのセカンドショットは、全てのショットの中でもかなり難しい部類に入ると思います。
しかもその傾斜が10°以上の急傾斜になると、難易度は格段に上がることになります。
ところがそんな難しい傾斜であっても、成功するための正しい理論をしっかりと理解して対処できれば、意外なほどにうまく打てるようになります。
その成功するための重要なポイントは、『 ボールにクラブヘッドをしっかりと届かせる 』こと。
このポイントをつかむために、じっくりと考えていきましょう。
10°以上の急な左足下がりからうまく打つ方法
■ まずは左足下がりの基本的な打ち方をつかむ
左足下がりの傾斜でうまく打てない理由は、ボールにクラブヘッドがうまく届いていないからです。
① ボールの手前の傾斜に邪魔をされて、ダフってしまう。
➁ 傾斜に沿ったスイングができていないので、ボールの手前でクラブヘッドが上がってしまう。
③ スイング中に身体が左側に流れて、狙いがズレてしまう。
このような理由で、ボールに対してクラブヘッドがしっかりと届かずに、うまく打つことができなくなっています。
それでもまだ5°程度の緩い傾斜ならば、その対処法は比較的簡単です。
まずはボールの位置を、スタンスの中央よりも少し右にセットします。
5°の傾斜に合わせて身体を傾けて、身体が流れないように左足でスイング軸をキープして、あとは下り傾斜に沿うようにクラブヘッドがボールに向かって着地して行けばOK。
左下がりの傾斜に惑わされてトップの位置が低くなり、打ち急ぐような状態に陥りやすいので、その点をしっかりと意識しましょう。
大きめのトップからクラブの落下エネルギーを利用するイメージを持ち、ゆったりとしたリズムでスイングできれば、クラブヘッドはしっかりとボールに届くはずです。
基本的な打ち方としては、こんなイメージで大丈夫でしょう。
■ 10°くらいの急傾斜は少しだけオープンスタンスで対処する
左足下がりの基本的な打ち方をつかんだうえで、今度は10°くらいの急傾斜の打ち方を考えましょう。
傾斜が急になればなるほど、ボールへのコンタクトが難しくなるので、それをカバーするための工夫が必要です。
そこでお勧めしたいのが、基本的な打ち方に加えて、少しだけオープンスタンスにすることです。
左足下がりの傾斜の中でオープンスタンスにすると、クラブヘッドのトゥ側が下がりやすいので、その状態を利用すれば、急傾斜の中でもクラブヘッドがボールに届きやすくなります。
つまり、ライに対してクラブヘッドの動き方が馴染みやすくなるわけです。
特にカット軌道を意識しなくても、左足下がりの傾斜の中でオープンスタンスでスイングすれば、勝手に適度なカット軌道が出来上がるわけです。
このように対処するだけで、スクエアにアドレスするよりも楽にボールをとらえることができるようになります。
■ もしかしたらプロよりもうまく打てるようになるかもしれません
そしてこの打ち方、マスターすればプロよりもうまく打てるようになるかもしれないのです。
なぜならば、プロの場合はフェースターンの量が大きいスイング特性によって、アマチュアよりもトゥが上がり気味にクラブヘッドが動きます。
そのために、このような急な左足下がりや前下がりの傾斜から打つ時には、クラブヘッドの動き方がライに馴染みづらいので、その分だけ余計にスイング精度が必要になるからです。
本来ならば、フェースターンの少ないスイング特性はアマチュアの欠点なのですが、このような難しいライでは逆に利点にもなり、少ない練習量でも簡単にマスターできて、プロよりもスライスしないよいボールを打てる可能性が高いのです。
※ このようなライからは、「 打った後に傾斜の下に歩き出すように… 」というレッスン内容がありますが、その打ち方はお勧めしません。
確かに上手く打てる時もありますが、失敗するする確率が非常に高く、実際にもこのような打ち方をしているプロは少数しかいません。
■ 写真でイメージをつかむ
● ダウンスイング
❶
写真では分かりづらいと思いますが、実際には10°くらいの急傾斜です。
本来のスタンスがクローズド気味なので、本人にとってはこの写真の状態でもオープン気味になります。
【 左足上がりのセカンドショットの打ち方にはコツがある! 】のダウンスイングの写真と比較してもらえば分かりますが、スタンスをオープン気味にしただけで、それほど意識していなのに、スイング軌道はアウト側に変わっています。
左足上がりの時はクローズドスタンスなので、➪のクラブヘッドの位置は腰に重なるくらいにイン側から下りていました。
ところが今回の左足下がりではオープンスタンスにすることで、➪のクラブヘッドの位置は腰よりもかなり前方になっていて、その分だけボールに対して自然にアウト側のスイング軌道になっているわけです。
この時左足は、身体が左側に流れないようにスイングパワーをしっかりと受け止めています。
● インパクト直前
❷
スタンスをオープンにしたことで、スイング軌道はアウト側になり、ボールに対して真後ろからアタックできる準備が整いました。
クラブヘッドがこの写真の⇧よりもアウト側から入ってしまうと、当然引っ掛けやスライスになりやすいので、真後ろからのアタックを意識しましょう。
そして⇧のようにクラブヘッドはややトゥ側が下がっているので、ライに馴染みやすくなり、よいインパクトを作ることが可能になります。
このまま傾斜に沿うように着地すれば、分厚いインパクトになるので、スライスせずに目標方向にストレートボールが飛び出してくれます。
なお、本来カット軌道が大きいスイングの場合は、オープンスタンスにすると真後ろよりもアウト側からしかアタックできないので、その分だけクローズド気味にスタンスの向きを調整する必要があるでしょう。
その他でも、どんなライからでもクローズド気味の方が打ちやすい人は、その特徴を生かせるようにセットアップをアレンジすれば大丈夫です。
※ プロの場合は、もっとフェースターンが大きくてトゥ側が上がっているので、インパクトではピンポイントになり、引っ掛けやすくなったりスライスしやすくなります。
そして大きいフェースターンによって、インパクトロフトが立ちやすいので、ボールが上がりづらい、もしくは1番手ロフト角の大きいクラブを選ぶことになります。
フェースターンが少ないアマチュアは、「 左下がりではロフトが立つ 」という考え方は当てはまりません。
● インパクト直後
❸
傾斜に沿ってスイングできたので、目標通りにストレートボールが飛んで行きました。
クラブヘッドは目標方向に送り出さずに、⇦のようにスイング軌道通りにフェースターンされていればOK。
※ プロの場合は、この時点でもっと大きくフェースターンしています。
● 360°の動きをチェックする
❹
❺
【 左足上がりのセカンドショットの打ち方にはコツがある! 】と同様に、クラブが360°の回転運動をしている状態をチェックします。
左足下がりの急傾斜では、フィニッシュを決めることが難しくなりますが、写真の❹と❺のように、シャフトが垂直な時にほぼ同じ位置になっています。
➪のフェース面の向きも、トップとフォローでは180°入れ替わっています。
このように体勢の維持が難しい傾斜の中でも、無駄な力みを取り除いて、バランスのよいフルショットを心掛けましょう。
左足下がりはバックスイングが小さくなりやすいので、❹のようにしっかりと高めのトップを作り、あとは左足下がりの傾斜に対する重力の力を利用するようにダウンスイングを意識できれば、無駄な力みは取り除けるはずです。
今回のまとめ
難しい傾斜の中でも、理論的なセットアップを正しく作ることができれば、その難易度を大幅に減らすことができます。
そして今回の説明のように、アマチュアの持つスイング特性を逆に利用することができれば、もっと簡単に感じるようになるはず。
傾斜に逆らわずに、馴染むように、もっとクラブヘッドのコントロールを追求して下さい。