2024/11/24
タイガー・ウッズモデルの「 P・7 TW 」の発売をきっかけに、注目度が高まっているマッスルバックのアイアンですが、実は我が家もこの春にマッスルバックの5番アイアンを購入し、そのセッティングを進めていました。
ようやくセッティングが決まったので、その詳細を報告します。
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マッスルバックアイアンはけして難しくない!
多くのアマチュアゴルファーが難しいと思い込み、試すことさえしていなかったマッスルバックのアイアン。
いろんな人に聞いても、「 自分にはパワーがないから… 」「 自分の腕前では無理 」「 ヘッドが小さくて当たる気がしない 」などと、ネガティブな答えしか返ってきません。
打ったこともないのに、なぜそう思い込んでしまうのでしょうか?
そんなイメージを作ってしまう風潮は、ゴルフ界の最大の問題点です。
プロゴルファーとクラブメーカー、そしてメディアが口を揃えて、「 このクラブが簡単で、このクラブは難しい 」と安易に決めつけて発信しているだけなのに、多くのゴルファーは打ち比べてもいないのに、そんな評判を簡単に信じ込んでしまう。
皆さん、そんな呪縛から解き放たれて、目を覚ましてみましょう!
マッスルバックにたどり着いた理由
使用するのはもちろん僕の奥さんですが、現在愛用しているアイアンはエポンのAF-701というポケットキャビティのモデルです。
2008年に購入し、シャフトを3回リシャフトしながら現在も使い続けています。
このアイアンの性能は素晴らしく、毎年いろんな最新モデルを試打しても、いまだにこれを凌ぐモデルは現れません。
このAF-701のおかげでベストスコア71も達成できました。
しかしここ数年、気になっている点がありました。
セカンドショットを打つ場合に、どうしても少し「 引っかかる感じ 」を消せないのです。
具体的には、芝から抜ける時にソール面の後ろ側の角、つまりトレーリングエッジが引っかかり、抵抗感を作っていました。
たとえばインパクトの時に、プロゴルファーのように不自然なくらいにアームローテーションをすれば、その抵抗感は消せるはずなのですが、週一くらいしか練習しないゴルファーにとっては、それは簡単な作業ではありません。
それならば、トレーリングエッジが引っかからないクラブを使ってみたらどうなのか、と考えました。
しかし現在のクラブの傾向は、ソール面が広いほうが簡単だと信じられているので、イメージしたソール形状のアイアンはなかなか見つかりません。
そこでたどり着いたのが、マッスルバックのアイアンだったのです。
美しくて素晴らしい性能のエポン AF-Tour MB
僕の奥さんは年齢が○○歳の女性ゴルファーなので、もちろん当初は「 さすがにマッスルバックは無理だろう… 」と思いましたが、ところが打ってみると「 あれっ!? 」って言うくらいに、違和感なく打てました。
それどころか、ショップの試打席のマットからのヘッドの抜け具合は、自分のアイアンよりも明らかによかったのです。
「 これは実際にコースで試すしかない 」と、早速モーダス³ 120のSが装着されているAF-Tour MBの7番アイアンをコースに借り出しました。
そして実際にコースで使ってみると、予想通り、いやそれ以上にマッスルバックは、コース上の芝との相性が抜群によかったのです。
とにかくヘッドが気持ちよく抜けてくれるので、多少のダフりは関係ないくらいに飛距離や方向性に変化が表れません。
ティアップでも小さいヘッドは振りやすく、抜群の安定性がありました。
ヘッドが小さいと芯が小さいと思われるでしょうが、ヘッドが小さいと逆に芯を外さないし、実際の芯もかなり広くなっています。
この現象は、小型ヘッドのドライバーと全く同じ感覚です。
そしてなによりも、やはりマッスルバックは打感が最高に気持ちよいそうです。
「 モチッ 」とした柔らかい打感は、ヘッドスピードが遅い女性でも十分に感じられました。
AF-701の研ぎ澄まされた「 ハジキ感 」のある打感も素晴らしいのですが、マッスルバックは別物の気持ちよさだそうです。
さらに芸術品のような美しい外見も大きな魅力で、これはもう手に入れるしかないと思いましたが、AF-701も捨てがたい魅力があるので、まずは単品で購入することにしました。
購入したのはなんと5番アイアン!
嬉しいことにエポンのアイアンは単品で購入できることも魅力で、予算的には大変助かります。
そこでまず何番を購入するのか考えましたが、今までソールの抜け具合が特に気になっていたのがSとAのウェッジ系と6番アイアンでした。
SとAに相当するクラブは、他のモデルで抜けのよさそうなウェッジを見つけていたので、まずは6番アイアンの飛距離に相当するものとして、ロフト角28°の5番アイアンを購入することにしました。
ご存知のように、マッスルバックのアイアンは、どのメーカーもロフト角が通常のアイアンよりも寝ています。
AF-701の6番アイアンは27°なので、飛距離を合わせるにはAF-Tour MBでは28°の5番になるわけです。
しかし女性なのに、しかも年齢は女子プロの平均年齢よりも2倍以上高齢なのに、いまさらマッスルバックの5番とは、ゴルフ界の常識からは大きく外れすぎていますね。
実際の話、エポンにとっても、女性のアマチュアゴルファーでは、初のマッスルバックユーザーなのだそうです。
そんな無謀とも思える選択ですが、打ちやすいことは分かっていたので迷いなく購入しました。
セッティングでは回り道を進んでしまった…
問題はシャフトの選択でした。
試打したクラブはモーダス³ 120のSで、素晴らしく打ちやすかったのですが、その番手は7番でした。
たとえ5番でも同じセッティングでよいと思ったのですが、現在AF-701にはモーダス³ 105のSを使用しています。
その点を考慮するとモーダス³ 105も候補になり、しかも5番ということを考えると、フレックスはSではなくRのほうが、シャフトをうまく使えて打ちやすいのかも…と考えて、まずはモーダス³ 105のRを試すことにしました。
しかし結果は、大失敗。
僕が得意とする鉛の調整を駆使して、ヘッドとシャフトのチューニングを重ねましたが、どうしても試打をしたモーダス³ 120のフィーリングには届きません。
その間に数ラウンドして、6回ショートホールのティショットで使用して、全部1発で乗せてバーディも1個取っているのに、本人はそのフィーリングに納得してくれません。
そこで次なる選択肢は、モーダス³ 105のSか、試打クラブと同じモーダス³ 120のSとなりますが、ここは重量などのスペックは一旦無視して、本人が打ちやすかったと言うモーダス³ 120のSにリシャフトすることにしました。
結果は大成功で、やはり試打クラブのフィーリングを信じて、最初からこのセッティングにすればよかったのです。
マッスルバックの打ち方は普通でOK!
マッスルバックのアイアンとなると、皆さんはダウンブローで打たないと「 ボールが上がらない 」とか「 飛距離がでない 」と思われるでしょうが、全く普通の打ち方、つまり緩やかな入射角で大丈夫です。
写真のように、大きな円のヘッド軌道を意識して、打ち込まずに振り抜くだけで、高弾道の素晴らしいボールが飛んで行きます。
マッスルバック5番の飛距離は、ポケットキャビティの5番と6番の中間くらいです。
その距離感は、試打した7番でも同じでした。
ボールの高さは、ポケットキャビティの6番と同じくらいで、そのボールはグリーン上に「 ピタッ 」と止まります。
コースとの相性が抜群!
その見た目にも、スペック的にも、超ハードな印象のマッスルバックのアイアンですが、僕の奥さんよりももっと非力な女性の友人が打っても、コース上の芝の上からなら、素晴らしいセカンドショットが打てました。
これはまさに、芝からの抵抗感のない「 ヘッドの抜けのよさ 」と、コースボールとの相性の良さが生み出す絶妙なフィーリングなのです。
実際にも、練習場のマットとレンジボールの組み合わせでは、ポケットキャビティを上回っているようには思えませんが、コースでこそ、その威力は発揮されるのです。
ゴルフ界の常識では、ソールの広いアイアンのほうが、ソールは滑ってくれて優しい、とされていますが、一般的なゴルフ場の芝はそんなに甘くはありません。
プロが使うようなトーナメントコースとは違って、料金のリーズナブルなコースは、芝の密集度が低いので、たとえソールが広くても綺麗に滑ってくれることはありません。
逆に広いソールのほうが、抵抗になっているように感じます。
最近もてはやされている「飛び系アイアン」も、もっとソールが広くなっていますが、その性能が本当に発揮されるのは、フェアウェイが絨毯のような超名門コースだけなのではないでしょうか?
それよりもこの狭いソールこそが、いろんな芝からの抵抗が少なく、ヘッドが気持ちよく抜けてくれるのです。
今回のまとめ
世間のイメージとは真逆に、コースではとても打ちやすかったマッスルバックのアイアン。
女子プロ達も、意外なほどに多くの選手が使用しています。
もしうまく打てない場合は、それはパワーやヘッドスピードの問題ではなく、おそらくボールへのヘッドの入射角の問題だけです。
打ち込むようなダウンブローではなく、イン側から緩い入射角でボールをとらえれば、必ずうまく打てます。
確かにごまかしは効かないので、おかしな入射角ではナイスショットは生まれませんが、逆にそれが自分の上達にもつながるので、まずは1本、それとも中古セットで、試してみることをお勧めします。
もちろん初心者や100切りを目指す方に難しいと思いますが、もしベストスコアが90を切っているなら、そろそろアイアンのソールの幅を意識しながら、マッスルバックの検討を始めてみてもよい頃だと思いますよ。
※追記
【 アイアンシャフトのセッティングに新提案! 】で紹介していますが、その後に『 2番手ずらし 』として、3番用のシャフトを5番用の長さに合わせてリシャフトし、さらに打ちやすくなりました。