今回は中古ドライバー購入で役立つポイントを説明します。
もちろん最新ドライバーは魅力的なのですが、安価な「 宝の山 」から見つけ出す中古ドライバーも、その魅力はけして負けてはいないと思います。
中古ドライバーの中には、最新ドライバーにも劣らない高性能なモデルがあるので、その浮いた予算でシャフトをもう1本用意することも可能になります。
そんな「 宝探し 」で失敗しないためのポイントを、お勧めモデルを例にしながら考えていきましょう。
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最適な中古ドライバーを見つけ出すコツとは！？
最新モデルは毎年発売されますが、厳密に性能だけを追求すれば、メーカーの宣伝文句ほど進化はしていないので、それならばもっと数が豊富な中古ドライバーの方が、自分に合う物を見つけ出せるのかもしれません。
【 今年も冬用のドライバーを作りました！！ 】などでも説明しているように、寒暖の差が激しい日本のゴルフ環境では、気温の変化に合わせてドライバーやシャフトを2～3本用意することをお勧めしていますが、そんな対応も安価な中古ドライバーならば可能になります。
その代わりにあまりにも選択肢が多く、そして試打をできるチャンスも少ないので、失敗しないためにはしっかりとポイントをつかんでおきましょう。
中古ドライバーの選び方のポイント
【 こちら 】で説明したように、近年の最新モデルは、残念ながらヘッドスピード45m/s以下の人には適さないモデルが多くなっています。
そもそも実際の飛距離性能はこの10年間それほど変化がみられないので、その人にとってのベストモデルを実現するためには、自分に適したヘッドとシャフトの組み合わせを見つけだすことが最も重要なポイントになります。
そこで今回は、自分に適したヘッドの選び方に特化して考えていきましょう。
膨大な中古ドライバーの中から適したヘッドを探し出すために、チェックして欲しいポイントが3点あります。
❶ スリーブ仕様
❷ ハードすぎないヘッド構造
❸ 適切なヘッドスペック
まずはこの点について説明します。
❶ スリーブ仕様
【 今年も冬用のドライバーを作りました！！ 】などで説明していますが、気温の変化に合わせてシャフトを手軽に交換できることは、アマチュアにとってはとても大きな武器になるので、今後ドライバーを購入する場合は、スリーブ仕様を選ぶことをお勧めします。
お気に入りのシャフト2～3本を、そのメーカー用のスリープ仕様にしておけば、シーズンを通してゴルフが楽に、そしてもっと楽しくなるでしょう。
❷ ハードすぎないヘッド構造
【 こちら 】で説明したように、あまりにもヘッドの剛性が高すぎると、いくら初速が速くなっても、宣伝文句のような性能を引き出すことは難しく、逆にコントロール性が落ちることになります。
したがって、アスリートモデルの中でもあまりヘッド剛性が高くないモデルを探すのか、またはアスリートモデル以外から探すことになりますが、残念ながらアスリートモデル以外ではスリーブ仕様の選択肢がとても少ないのが現状です。
❸ 適切なヘッドスペック
最近主流になっている、「 大きすぎる感性モーメント 」、「 長すぎる重心距離 」、「 深すぎる重心深度 」、「 低すぎる重心高 」というスペックは、実はPGAのトッププロが望んでいるような尖った特性なのです。
残念ながらヘッドスピード45m/s以下の人にとっては、全てが過剰な数値になっていて、逆にスイングの邪魔になっている可能性が高いと思います。
独自の試打経験と研究結果では、 「 慣性モーメント4000～4500g・cm² 」、「 重心距離40mm以内 」、「 重心深度40mm以内 」、「 重心高30mm以上 」という、この辺りの数値に収まっているならば、十分な安定性と操作性が確保されて、多くの人が「 打ちやすい！ 」と感じられるはずです。
ちなみにスリーブ仕様を前提なので、ロフト角、ライ角、フェイス角などは調整可能として考えることもできます。
そしてこのヘッドスペックの各項目については、【 自分に適したドライバーヘッドの見つけ方！ 】で詳しく説明しています。
以上、このようなポイントを満たしているドライバーを探し出すにあたり、とても役に立つのが【 重心ハンドブック 】です。
そして今回その中から見つけ出したお勧めドライバーが、ナイキ ヴェイパー スピードです。
■ ナイキ ヴェイパー スピードのヘッドスペック
慣性モーメント : 4544g・cm²
重心距離 : 39.5mm
重心深度 : 37.8mm
重心高 : 33.2mm
「 重心ハンドブック 」によると、このように全ての項目をクリアしている数少ないドライバー。
ヘッド体積も公称460ccですが、実測438ccと少し小ぶりで、もちろんスリーブ仕様。
ヘッド重量が201.5gと重めなので、もし短尺シャフトと組み合わせても、ヘッドバランスはある程度確保されます。
そしてなによりも、ハードヒッター向けのモデルではないので、ヘッド剛性は控えめで、ヘッドスピード45m/s以下でもシンバル効果が感じられる高い反発力を得ることができます。
● インプレッション
このドライバーは、既に秋頃に購入していて、実際にコースでも試しています。
購入検討時はこのヘッドだけを狙っていたのでシャフトの銘柄は無視して、ヘッド単体の程度のよさを優先して選択したところ、装着されていたシャフトがたまたま純正のRでした。
その純正シャフトは45.75インチと長く、シャフト重量54g、トルク4.6は、軽くて柔らかいのは明らかです。
このドライバーを使用する僕の奥さんは、ご存知のようにハード系のシャフトが好みなので、当初はこの純正のRシャフトは使えないだろうと予想しました。
それでも【 理想のドライバーがバリエーションアップに成功！！ 】で説明しているように、我が家はナイキ ヴェイパー フライを所有していて、スリーブ仕様のナイキ用シャフトを複数用意してあるので、ヴェイパー フライよりももっとヘッドスペックがよさそうなヴェイパー スピードを購入してみたのです。
ところがこの純正のRシャフト、実際にスイングしてみると、確かに柔らかいのですがとても安定していてハジキ感のあるシャフトだったことは嬉しい誤算でした。
過去に何十本もテストしてきた各メーカーの純正のRシャフトの中でも最高の出来で、写真のように『 チップ巻き 』を1巻きしただけで、球筋をドロー気味やフェード気味と打ち分けやすいだけでなく、素晴らしい飛距離性能を発揮してくれます。
シャフトの長さも公称45.75インチなのに、実際には他メーカーの45.25インチ相当で、スイングしても長さは気にならないそうです。
2015年モデルなので中古価格1万円程度と、そのコストパフォーマンスはとても高く、現在我が家のドライバーの中でも、気温が15℃以下ならNo.1の性能であり、25℃辺りでもかなりの性能を発揮していました。
その性能は、【 2022年のベストドライバーはこれだ！！ 】で紹介した、ヨネックス EZONE GT425 + レクシス カイザ Hにも迫れるほどのハイレベルなのです。
そしてこのドライバーを、ヘッドスピード42m/sの友人に試打してもらったところ、予想通りにすぐに同じ仕様を購入するほどに気に入ってくれました。
つまり、ヘッドのスペックが適切なので誰にもコントロールしやすく、シャフト性能も優れていたということです。
※ シャフトの長さについてですが、国内メーカーは短めに表示する傾向があり、たとえ45.75インチと表示していても、実際には46インチ規制に抵触する物があるので、その点には気をつけて下さい。
■ その他のお勧めドライバー
参考までに、「 重心ハンドブック 」を持っていない人に向けて、適切なヘッドスペックで、お勧めしてもよさそうなモデルをリストアップしてみました。
● ヤマハ RMX 118
スピーダー661エボリューションⅣが装着されていた中古クラブを試打しましたが、シャフトとの相性も抜群で、このまま購入してもよいかも、と思ったほどの高性能でした。
● スリクソン Z785
スピーダー661エボリューションⅤが装着されていた中古クラブを試打しましたが、本人とシャフトの相性が合わないながらも、かなりよい感触でした。
そしてこのモデルを使用していた女子プロは、当時皆がとても調子がよかったという実績があります。
● キャロウェイ マーベリック サブゼロ
試打したことはありませんが、【 『夢のドライバー構想』は幻想に終わる…！？ 】で説明したように、レディスモデルのヘッド剛性が柔らかかったので、メンズモデルであってもそれほどハードではないと予想します。
稲見萌寧選手が長らく使用していることからも、信頼性が高いのではないでしょうか。
● コブラ バイオセル+
試打したことはありませんが、コブラのクラブはドライバーだけでなく、他のクラブもどれも高性能なので、期待できると思います。
2014年モデルなので、かなり安価なこともプラス材料です。
その他では、国内メーカーに該当するモデルが予想以上に見つかったのですが、どれもアスリートモデルで、まだ試打経験がなかったのでリストアップしていません。
そして外国メーカーの該当モデルはかなり少ないので、外国メーカーにこだわるならば、その候補は絞りやすいことになります。
今回のまとめ
今回はお勧めドライバーのスペックを参照しながら、ヘッドスピード45m/s以下向けの中古ドライバーの選び方のポイントを説明してきました。
「 重心ハンドブック 」を所有していないとなかなか難しい作業なのですが、少しだけでも目指すべきドライバー像が見えてきたのではないでしょうか。
このような「 お宝モデル 」はまだまだ埋もれているので、今回の内容を参考にして、まずは1本探し出してみませんか。
