ヘッドスピード40~45m/s向けに、理想的な振り心地を実現できるアイアンシャフトのセッティングが遂に完成しました。
いろんなスイングタイプにも合う、万人向けのとてもよいセッティングになっていると思うので、その詳細を皆さんにも紹介します。
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アイアンシャフトの理想的なスペックとは!?
このブログではこれまでに、【 アイアンシャフトのセッティングに新提案! 】や【 ヘッドスピード40m/s前後に最適なスチールシャフトを発見!! 】などで、アイアン用のスチールシャフトについて新しい試みに取り組んできました。
その後も妥協することなく、もっとよいセッティングはないものかと研究を続けた結果、ようやく理想的なセッティングにたどり着きました。
そのセッティングが、『 モーダス³ 105 Sフレックスの3番手ずらし、0.5インチチップカット、0.5インチ伸ばし 』という、今までにない新しいセッティング方法です。
理想的な振り心地を実現するセッティングの詳細
■ セッティングの概要
シャフト : 日本シャフト モーダス³ 105
フレックス : S
シャフトの番手ずらし : 3番手
チップカット : 0.5インチ
シャフト長さ : 標準よりも0.5インチ伸ばす
ヘッドバランス : D3 ~ D7 ( 我が家のクラブはD6 )
■ セッティング内容の説明
モーダス³ 105のSフレックスを3番手分ずらして組み上げます。
例えば7番アイアンならば、4番アイアン用のシャフトをチョイス。
そのシャフトを0.5インチチップカットします。
シャフトの長さは、各自のヘッドの標準長さよりも0.5インチくらい長くします。
このように組み上げると、ヘッドバランスはヘッドの種類によって、D3 ~ D7くらいのヘビーなバランスになると思います。
■ このセッティングになった理由
【 アイアンシャフトのセッティングに新提案! 】で説明した方法は、モーダス³ 120のSフレックスを2番手ずらして組み上げる方法でした。
そのセッティングはとてもよい振り心地だったのですが、問題だったのはヘッドスピード40~45m/sのゴルファーには少し重く感じることでした。
僕の奥さんのアイアンもそのセッティングに変更し、その振りやすさには満足していましたが、さすがに少し重さは気になっていました。
僕の奥さんはこのブログで紹介している通り、ヘッドスピードは37m/sなのに、ドライバーからウェッジまでの全てのクラブで、ヘッドスピード40~45m/sに最適なスペックを好んでいますが、モーダス³ 120だと少し重さが気になったのです。
そこで次の手として、【 ヘッドスピード40m/s前後に最適なスチールシャフトを発見!! 】で、K`sハイブリッドのXフレックスを試したところ、とてもよいフィーリングに仕上がっていましたが、何もチップカットをせずに各番手を組み上げたことが問題だったようで、冬場になると突然変調に陥りました。
そこでこれまでの経験を基に、モーダス³ 120よりも少し軽く、そしてK`sハイブリッドよりも少しだけ重くてしっかり感のあるシャフトを目指して、シャフトの選定とセッティング方法を考えました。
そんな過程の中で、我が家のクラブのリシャフトを担当してくれる友人と相談して決まったのが、今回のセッティングです。
■ モーダス³ 105の欠点を解消
最近モーダス³ 105を標準シャフトやオプションシャフトに設定するメーカーが増えてきました。
モーダス³ 105は、ヘッドスピード40~45m/sのゴルファーに最適だと思われる100g台の重量設定になっています。
ところがSフレックスだと硬いと感じる人がとても多く、かと言ってRフレックスだとヘッドが遅れるような頼りなさを感じるはずです。
そして残念ながら、その中間になるSRのフレックスは設定がありません。
そこで考えたのが今回も『 番手ずらし 』の方法です。
モーダス³ 120は2番手ずらしで程よい効果がありましたが、モーダス³ 105の方がもう少し硬いので、3番手くらいずらしたほうがよいと予想しました。
そこでリシャフトを担当してくれる友人から、「 3番手ずらすなら、少しチップカットしたほうがよいかも… 」というアドバイスがあったのです。
ギアマニアのその友人は、自分用に多くのシャフトをいろんな手法でリシャフトを試していて、彼なりのノウハウが豊富に蓄積されています。
そしてそのアドバイスを聞いて思い出したのが、メーカーから公表されている剛性分布図です。
実際のフィーリングもこの剛性分布図通りに、モーダス³ 120のほうがモーダス³ 105よりも中間部が柔らかく、その逆にモーダス³ 105は先端部が柔らかく感じます。
そこで、このモーダス³ 120とモーダス³ 105の「 いいとこ取り 」を目指すことにしました。
モーダス³ 105の方が中間部が硬いので、2番手ではなく『 3番手ずらし 』にして最適化を狙います。
その代わりに、モーダス³ 105のRフレックスのような頼りなさが出ないように、チップカットをすれば、その分だけ先端剛性が上がってちょうどよい具合になると予想しました。
そしてその特性をもっと生かせるように、ヘッドバランスを少し重くしたほうがよいと思い、0.5インチ長めに製作してみました。
それでもしバランスが重すぎると感じたら、少しバットカットすればよいだけなので問題はありません。
■ 狙い通りのフィーリングに仕上がりました!
このようにセッティングしたクラブは、とてもよいフィーリングに仕上がりました。
重すぎることなく、適度な重量感で、しなやかさとしっかりした手応えを両立し、気持ちのよいインパクト音で、飛距離性能、弾道の高さ、スピン量全てで満足できるレベルになっています。
このセッティングのアイアンを、ヘッドスピード40~45m/sの友人達に試してもらいましたが、いろんなスイングタイプの友人達にもとても打ちやすく仕上がっていました。
当初の狙い通りに、モーダス³ 120のSフレックスの2番手ずらしのフィーリングをキープしたまま、もっと軽快に振れるようになっています。
もちろんモーダス³ 105のSフレックスのように硬すぎることはなく、Rフレックスのような頼りなさもありません。
硬さはまさにモーダス³ 105のSRフレックス相当であり、それでいてモーダス³ 120のSフレックスのような先端部の剛性感を確保。
モーダス系の弾き感よりもダイナミックゴールド系の粘り感が好みだった友人によれば、「 ちょうどその中間的な特性になっていて、これならば両方のユーザーでも打ちやすいのではないか 」という評価です。
最近多くのクラブに設定されているN.S.PRO 950GH neoと比較すると、少し重いけれど、しなやかさとハジキ感は上回っていて、ヘッドの動きをもっと感じやすい、まさに万人向けのフィーリングになっていると思います。
今回のまとめ
ゴルフ人口の中では、ヘッドスピード40~45m/sの割合が最も多いと思いますが、なぜかその人達に適したスペックが用意されていないのがゴルフ業界の困った問題です。
硬すぎるか柔らかすぎる、重すぎるか軽すぎる、という具合に、不思議なほど見事に自分のストライクゾーンから外れていると感じているゴルファーが多いのではないでしょうか。
今回のアイアンシャフトのセッティングは、そのようなゴルファーのど真ん中に入るような仕上がりになっているので、この設定をメーカーの標準仕様に推奨したいと思います。
もし試してみたいのならば、おそらくあまり使われることのない6番アイアンを利用して、1本だけリシャフトしてフィーリングを確かめてみるのが無難な方法だと思います。
その場合は、3番用のシャフトを0.5インチチップカット。
長さを0.5インチ長くして、38インチ前後で組み上げれば、ヘッドバランスはD3~D7の範囲に収まって、苦手だった6番アイアンが打ちやすく生まれ変わると思います。