シンプルゴルフ ラボ

ゴルフをもっと簡単にするための研究室

短尺ドライバーを極める! その4 短尺ドライバーに関する疑問点にお答えします

time 2019/05/07

短尺ドライバーを極める! その4 短尺ドライバーに関する疑問点にお答えします

短尺ドライバーの魅力をもっと多くの人に知ってもらい、自分用に製作する時に役立つ情報を紹介するシリーズの第4弾です。

今回のその4では、短尺ドライバーに関する疑問点にお答えします。

sponsored link

短尺ドライバーを極めるための講座 その4

5限目 短尺ドライバーの疑問点を解説  ( Part1 )

このシリーズだけでなく、これまでにも短尺ドライバーに関する記事を数多くお届けしていますが、まだまだ皆さんの疑問点は多く残されていることでしょう。

そこで今回は、これまでの経験を基にして、皆さんが感じているであろう疑問点について、詳細にお答えしたいと思います。

 

記事で紹介している以外にも、数多くの短尺ドライバーを製作して、そのドライバーを使う本人に適した長さ、重さ、鉛での微調整を繰り返してきました。

これはゴルフ工房並みの腕を持つ僕の友人の協力があったからこそ可能な作業であり、とても個人が興味本位で行えるような内容ではありません。

普通にゴルフショツプや工房にこのような作業をお願いしていたなら、工賃をいくら用意しても足りないからです。

そこで、このようにして手に入れたノウハウを公開することで、皆さんが回り道をすることなく、理想のドライバーを製作できるようにと願っています。

 

短尺ドライバーについて、皆さんが感じているであろう疑問点を考えてみました。

それが次の7点です。

① 短尺化して飛距離は落ちないのか?

② 長いシャフトを短く持ったらどうなのか?

③ 短尺化してヘッドバランスが軽くなるけど大丈夫?

④ ヘッドの大きさはどう選べばよいのか?

⑤ どんなシャフトが合うのか?

⑥ 短尺ドライバーと3番ウッドや2番ウッドとの差は?

⑦ 短尺ドライバーを製作する時の具体的な基準が欲しい!

 

このような点がクリアになれば、短尺ドライバーの製作にかなり役立つのではないでしょうか?

 

① 短尺化して飛距離は落ちないのか?

現在所有している長尺ドライバーを、たとえば0.5インチずつ短尺化していけば、短くした分だけ打ちやすくなり、精度も上がります。

一発の最大飛距離は落ちますが、アベレージの飛距離は確実に伸びるようになります。

ただし、短くした分だけ総重量もヘッドバランスも軽くなっていくので、どこまで短くするのか、そこが問題になります。

ヘッドバランスはで説明しますが、総重量は軽くなりすぎるとクラブの運動エネルギーが落ちてしまい、逆に打ちにくくなったり、飛距離が落ちてしまうことになります。

たとえば45.5インチのクラブがちょうどよい重さなら、そこから短尺化できるのは、1インチくらいが限界かもしれません。

もし45.5インチのそのクラブが少し重く感じているなら、1.5インチくらいまで短尺化しても、鉛の調整を少し加えれば、打ちやすさと飛距離を保つことができるはずです。

重・短・小ドライバー 』のように、明らかに重いドライバーをベースにするなら、たとえ2インチ短くしても運動エネルギーは十分なので、一般的な長尺ドライバーよりも飛距離が伸びる可能性が出てきます。

しかしだからと言って、この理論を逆にとらえて、重すぎる長尺ドライバーを選択することは、非常に危険です。

もしも重い長尺ドライバーを打ちこなせるなら、ヘッドスピードと運動エネルギーの両方の効果で、抜群の飛距離性能が期待できますが、身体に負担がかかりすぎて怪我のリスクが非常に高くなります。

ゴルフ人生は長いので、無茶なクラブを使ったがために、大好きなゴルフができなくなるのは最悪の結末ですからね。

 

② 長いシャフトを短く持ったらどうなのか?

たとえば今平周吾選手は、44.75インチと短めのドライバーをさらに1インチ以上短く握って、国内トップクラスの飛距離と精度を誇っています。

つまり長いシャフトを短く持っても、打ちやすくて飛距離が保てるならOKと考えましょう。

ただし短く持つとグリップの握り部分が細くなるので、それを苦手とする人が多いことも事実です。

そんな人には、グリップの下巻きテープを右手側だけ2重、3重と太く巻いてみることも効果的。

それでもやっぱりシャフト自体を短くしたいなら、まずは短く持って打ってみて、打ちやすく感じる長さをつかみ、それからシャフトカットを進めましょう。

その場合、短く持った時に合わせてシャフトをカットしても、できあがった時の実際のフィーリングは変わるので、そんな時は【 鉛の貼り方 】を参考にして調整して下さい。

これまでの経験上では、もしバッチリとセッティングが決まるなら、短く持つよりも、シャフトをカットして短尺化したほうが打ちやすくなりますが、あくまでも自分の好みで決めましょう。

 

③ 短尺化してヘッドバランスが軽くなるけど大丈夫?

短尺化するとヘッドバランスが軽くなりますが、それも本人の好みでOKです。

たとえば池田勇太選手は、最近はC6やC7の軽いバランスのセッティングになっているそうです。

自分の感覚に合えばOKで、合わなければ鉛で調整しましょう。

たとえば重めのヘッドバランスのクラブを探し、そこから短尺化すれば、鉛の調整が必要ないくらいに仕上がる可能性もあります。

 

④ ヘッドの大きさはどう選べばよいのか?

ヘッドの大きさは、本人の好みで決めてもOKなのですが、参考までに…。

ヘッドが大きいほどに的が大きくなるので、見た目の安心感は上がりますが、不思議なことにミート率は落ちる傾向になります。

スイートエリアが広い代わりに、ミート率が落ちる…。

はたしてどちらがよいのかは、自分で判断して下さい。

大きいヘッドのほうが慣性モーメントも大きくなり曲がらない、と言われていますが、現実問題ではそれが災いしていることも多く、逆に小型ヘッドの高い操作性が実際のラウンドで精度を上げてくれるという事実もあります。

大きいほど空気抵抗も大きくなるので、これは間違いなくマイナスポイント。

大きいほうが飛距離が伸びる、というよりも、実感としては小さいほうが飛距離が伸びる傾向です。

構えた時の見た目に関しては、たとえば45.5インチで460ccがちょうどよい大きさに見えたなら、そのまま43.5インチまで短くなると、笑えるくらいに大きく見えます。

逆に43.5インチなら340ccでも不安のない大きさですが、45.5インチまで長くなると、あまりにも小さく見えて誰もが不安に感じることでしょう。

結局のところ、長さと大きさのバランスが非常に重要になってくるので、そこは自分の感性を信じて選択して下さい。

 

⑤ どんなシャフトが合うのか?

短尺ドライバーの製作には、シャフトの選択が非常に重要になります。

現在使用しているシャフトを短くすると硬くなるのでは?と予想すると思いますが、意外にもそんなことはありません。

たしかに0.5インチくらいの少ないカット量だと硬く感じる場合が多いのですが、もっと短くすると逆にシャフトの動きが分かるようになり、硬く感じなくなってきます。

一番よい方法は、打ちやすいけど少し重いシャフトを見つけて、それを短くしていく手法だと思います。

昔のエースドライバーが、年齢とともに重くなって家で眠っているのなら、それこそが短尺化に適しているパターンです。

短尺化するとボールの高さが低くなるという説もあるのですが、これもカットする量によって、低くなったり、逆に高くなったりします。

ただし、45.5インチを43.5インチまで短くすると、さすがにボールは低くなるので、それを見越して大きめのロフト角のヘッドを選ぶことも必要になります。

また、最近フジクラからスピーダーSLKという短尺ドライバー専用シャフトが発売されましたが、このコンセプトは興味深いものなので、試打の機会があれば試してみたいと思います。

※ 早速【 こちら 】で試しました!

 

⑥ 短尺ドライバーと3番ウッドや2番ウッドとの差は?

たとえば『 重・短・小ドライバー 』を、ヘッドスピードが40~45m/sの人に推奨するスペックは、43.5インチでクラブ重量が320gです。

それならば…3番ウッドや2番ウッドと近いスペックになり、その性能差はどうなっているのか?と疑問に思う人もいるでしょう。

逆に3番ウッドを長尺化したらどうなのか?という考えもありますね。

その点について、知っている範囲でお答えします。

一番の問題はロフト角ですが、その人によって最適なロフト角は変わるので、ロフト9°のドライバーよりも、15°の3番ウッドのほうが飛ばないとは単純には言えません。

そして表示ロフトとリアルロフトは、メーカーやモデルによって全くバラバラで当てにならないので、【 こちら 】で紹介した「 重心ハンドブック 」などで確認が必要です。

ドライバーはチタンフェースが主流なのに対して、3番ウッドはチタン以外にもいろんな種類のスチールが使われていますが、それはフェース面積が小さいために材質の選択が分かれているだけで、実際の飛距離性能を分けるほどの差は、材質の違いでは表れていません。

チタンフェースの3番ウッドは、確かに飛距離性能は高かったのですが、打感が硬く、芯の面積が小さい印象でした。

僕は10年以上も前から、大型ヘッドと長尺ドライバーの性能には納得できなかったので、その当時に僕の奥さんに、飛距離性能が高そうな3番ウッドでティショットを続けてもらったことがあります。

その時の結果は、絶対的な飛距離は少し落ちる程度でしたが、フェース面の高さが薄いので、上下に芯を外した場合の飛距離の低下が大きかったので、その後の使用は諦めました。

以前にアメリカで販売されていたテーラーメイドのSLDRミニドライバーもテストしたこともあります。

ヘッド体積が260ccで43.25インチ、ロフト角は14°という魅力的なスペックだったのですが、飛距離性能はその当時のエースドライバーと同程度でした。

しかしやはりフェース面の高さが薄く、もっとディープヘッドのほうが安心感と確実性があると思いました。

これらの経験から、もしフェース面の高さが気にならないなら、3番ウッドや2番ウッド、そしてミニドライバーと呼ばれるクラブの選択も「 あり 」でしょう。

ただし、3番ウッドや2番ウッドの弱点は、選択肢が少ないこと。

中古品から選ぶ場合には、ドライバーよりも本数が少なく、程度が良い物も少なく、価格もドライバーよりも割高なのです。

そしてドライバーのほうが、各メーカー、各モデルごとの狙っている特性、製造方法、材質の選び方などが明確なので、その中から好みなものを選択して製作する、という楽しみが多いことも短尺ドライバーの魅力でもあります。

 

⑦ 短尺ドライバーを製作する時の具体的な基準が欲しい!

この問題が一番重要なのかもしれませんね。

この続きは【 その5 】で説明します。

sponsored link



sponsored link

アーカイブ

ブログランキング