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『慣性モーメント』が大きいと曲がらない!? その常識にはご注意を!

time 2018/07/19

『慣性モーメント』が大きいと曲がらない!? その常識にはご注意を!

ゴルフ界の常識では、ヘッドが大きくなるほど簡単で、『 慣性モーメント 』の数値が大きいほど曲がらない、とされていますが、実際にはその常識が当てはまらずに、逆に自らを苦しめているのかもしれませんよ。

前回の【 こちら 】に引き続き、その点について説明します。

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『 慣性モーメント 』の真実とは!?

本当に『 慣性モーメント 』の数値が大きいほうが曲がらないのか?

たしかにゴルフロボットマシーンのように、毎回完璧に同じスイングができるのなら、その効果は十分にあるでしょう。

またはプロゴルファーのように、膨大な練習量によって、安定したスイングが出来上がっていれば、スイング中にヘッドの余計な挙動が少なくなるので、やはり効果はあると思います。

 

アマチュアゴルファーの場合はどうでしょうか?

その場面が練習場であれば、打席のマットの向きに合わせてスタンスを決めて、何回もスイングすることができるので、ある程度スイングは安定して、『 慣性モーメント 』の恩恵を受けることができるでしょう。

しかしラウンドの場合は、皆さん本当に恩恵を受けられていますか?

コースでのティショットは一発勝負、ティグラウンドも毎ホール違います。

打ち上げ、打ち下ろし、ドッグレックなどの視覚的要素が加わり、完璧なアドレスを作ることは難しいはず。

いろんな状況に惑わされて、ラウンド時の皆さんのスイングは、練習場とは別物になってしまってもおかしくはありません。

そのような状況の中なので、毎回打つたびに微妙にタイミングがズレたり、スイングプレーンが歪んだりしていますが、皆さんはスイング中に自分が気づかないうちに微調整をして、なんとかナイスショットになるようにもがいている、こんなイメージが一般的なアマチュアゴルファーの実態なのです。

つまり実際のラウンドでは、ほとんどの人がスイング中にクラブを微妙に操作していることになります。

その時に、『 慣性モーメント 』の数値が大きすぎると、うまく微調整ができなくなる、という考え方も頭に入れておくべきなのです。

そのような状態に対して、あえてラウンドの時も、『 慣性モーメント 』の大きいドライバーを使い続けて、微調整を必要としない完ぺきなスイングを目指す、こんな考え方も間違ってはいないのですが、それには相当な練習量とラウンド数が必要になるでしょう。

現実的に考えると、「 曲がらないドライバーで曲がらないスイングを目指す 」ということは、たしかに理想なのですが、ほとんどの人が「 机上の空論 」で終わってしまう可能性があります。

ラウンド中のスイングで微調整が必要ならば、ある程度の微調整をしやすいドライバーを選んだほうが、結果がよくなることは皆さんも想像できるのではないでしょうか?

 

時代は変わり、常識も変わった!?

以前のゴルフ界では、プロゴルファーには小ぶりなヘッドの操作性が高いドライバーが適していて、アマチュアゴルファーには大型ヘッドの操作性が低い安定したドライバーが適している、とされてきましたが、それは過去の話として忘れてみましょう。

最近ではヘッドの大型化と『 慣性モーメント 』の数値があまりにも大きくなったことで、安定志向へのレベルが行きすぎた状態になっていることが考えられます。

プロゴルファーの場合は、最近のドライバーとボールでは簡単に打球を曲げることができなくなったので、それならば真っすぐに飛ばそうと、安定したスイングを武器にして、以前よりも操作性が低く安定性の高いドライバーを求めているようです。

しかしアマチュアゴルファーの場合は、まだまだスイングが不安定なので、安易に安定しすぎるドライバーを選んでしまうと、逆効果になってしまうことを、頭の片隅にインプットしておくべきなのです。

例えば練習場で、10球打って6~8球がナイスショットであっても、2~3球は大きく曲がってしまうようなドライバーの精度では、実際のラウンドになると、10球打ってもナイスショットが3球程度で、OBが3~5回も出てしまってもおかしくありません。

それほどに実際のラウンドでのティショットは難しいものです。

それならば考え方を少し変えて、練習場ではナイスショットの比率が少し減ったとしても、絶対に大きく曲がることのないドライバーを選んだほうが、実際のラウンドでのナイスショット率が高くなり、OBを少なくすることができるのです。

 

友人にはすぐに効果が表れた!

さて、【 こちら 】で紹介した僕の友人ですが、この考え方に賛同し、対策を行ったところ、すぐに効果が表れて、OBを打たずにラウンドし89のベストスコアをマークしました。

具体的な対策は、今までのドライバーよりも少し小型で、『 慣性モーメント 』の数値も少ないヘッドに、操作性が高いシャフトを短尺仕様で組み合わせました。

その詳細はまた別の機会に紹介しますが、ヘッドは以前から持っていたけれど自宅で眠っていた物で、シャフトも以前から持っていたけれど、今まで使用していた安定性の高いヘッドにはマッチしていなかった物なのです。

組み合わせを変えてみたら、ヘッドもシャフトも狙い通りにそのよさを発揮してくれました。

この結果に気を良くした友人は、もっと3番ウッドのように自在にコントロールできるようなドライバー作りを目指して、ヘッドとシャフトの研究を進めています。

ただしその友人も、ラウンド時のスイングの安定性がもっと高まれば、それに応じて今度は安定志向のヘッドのほうがよい結果になる可能性もあるので、その点も忘れてはいけません。

 

プロゴルファーも行きすぎている?

最近のプロゴルファーは、『 慣性モーメント 』の数値がかなり高いドライバーを使用していますが、はたしてそれで大丈夫なのでしょうか?

確かに、安定したスイングに安定性の高いドライバーの組み合わせは、理論的にはよさそうですが、プロと言えども人間です。

毎回コースに惑わされずに、完璧なスイングを続けられるものではありません。

最近のプロゴルファーに目立つのは、それまでは安定して真っすぐ飛んでいたものが、突然隣のホールまで行くような大きなミスショットをしてしまうことです。

たとえプロであっても、スイング中にわずかに狂ってしまったフェース面を正しく戻す作業は、ある程度の操作性を残しておいたほうが簡単なはず。

最近多くのプロが、スイング中にクラブから手を離すシーンが目立っていますが、それは一度スイング中に決まってしまったフェース面の方向を修正しきれずに、手を離して被害を最小限度に食い止めようとしている、という状況が推測されます。

皆さんもゴルフ中継の中で観察してみて下さい。

 

まとめ

ゴルフに限らず、何事にも「 行きすぎた指向 」は危険性を秘めています。

現在のドライバーの傾向は、あまりにも安定指向に走りすぎて、逆に難しくなっているのかもしれないのです。

大型ヘッドで、『 慣性モーメント 』が大きく、長尺シャフトのドライバーは、何球も続けて打てるなら、確かに飛んで曲がらないのかもしれません。

しかし一発勝負のラウンドでは、はたしてその真価が発揮されるのでしょうか?

目指しているのは、練習場でのナイスショットなのか?

それとも、ラウンドでのナイスショットなのか?

自分のスイングの特徴と照らし合わせて、今一度確認してみましょう。

そんな点に疑問を感じたら、必ず役に立つのが【 「 重心ハンドブック 」で自分に最適なドライバーを見つけましょう! 】で紹介した、ドライバーの「 重心ハンドブック 」です。

ヘッドの体積と『 慣性モーメント 』の組み合わせについて、皆さんももっと研究してみませんか?

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