この時期のラフは夏ラフと呼ばれ、非常に深いことが特徴で、アマチュアゴルファーを悩ませる難敵ですね。
この夏ラフの対策法は【 ラフからの打ち方は『ラフ専用』クラブを使えばとても簡単! これで夏ラフも怖くない 】でも説明していますが、今回はもっと距離が近いショートアイアンを使用する場合の打ち方を説明します。
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夏ラフが難しい理由は?
夏ラフと呼ばれる深いラフからのアイアンショットは、非常に芝の抵抗が大きく、ボールが飛ばない、左に引っかかる、ボールの下をくぐりやすい、などと失敗の要素が山盛り状態。
プロゴルファーはこのような場面では、引っかかってボールが左に行かないようにフェース面を開いてセットし、芝の抵抗を避けるように上から打ち込む、という打ち方が一般的です。
しかしこの打ち方を参考にしても、アマチュアゴルファーがうまく打つことは難しいはず。
何故なら、アマチュアゴルファーはプロゴルファーのようにフェースをうまくターンさせるスイングが出来ていないので、フェース面を開いてセットしてしまうと、クラブヘッドがボールの下をくぐってしまう確率が高くなるだけなのです。
また、芝の抵抗を避けるために上から打ち込んでしまうと、プロゴルファーのようなパワーはないので、余計に芝の抵抗を感じることになるでしょう。
夏ラフからうまく打つコツとは…
それでは、どのように打つべきなのか?
その極意は芝と喧嘩せずに、逆に芝と仲良くすることです。
無理にヘッドを加速させようとしたり、上から打ち込んでしまうことは、芝に対して喧嘩を売るようなもので、逆に抵抗が大きくなり厳禁です。
芝と仲良くなれるように心掛けて、優しく芝をなでるくらいの気持ちでスイングすることが大事なコツです。
大きな円周軌道を描くようなクラブヘッドの動きを作り、ダウンブローではなく、レベルブローになるようなスイングイメージです。
ハンドファーストのインパクトにならないように注意して、身体の正面でハンドジャストになるようにインパクトして下さい。
ヘッドを加速させずに、一定の速度、つまり等速度でスイングして、「バシッ」ではなく「シュパ~」というイメージを持ちましょう。
そして通常のショットよりも芝の抵抗が大きいので、グリップの握り方は「 ゆるゆる 」ではなく、ある程度「 しっかり 」と握ることが必要です。
距離感の調整は、芝の深さと抵抗感によって、1クラブまたは2クラブ分の番手を上げましょう。
芝と喧嘩するような無理な強振はしないので、フライヤーの心配はほぼ無用です。
そもそもフライヤーは上から打ち込むことで表れやすい現象。
大きな円周軌道を描くようなレベルブローのクラブヘッドの動きなら、かなりのヘッドスピードがないとフライヤーにはならないはず。
スティーブン・ストリッカー選手がお手本
このような打ち方のよいお手本になる選手が、スティーブン・ストリッカー選手です。
50歳にしてPGAツアーだけでなく、米国シニアツアーでも活躍する選手。
彼のラフからのショットが、まさに今回説明したような打ち方です。
他の選手よりも緩い入射角でボールをとらえて、中弾道ながらフライヤー状態にならずに、不思議なくらいグリーンにピタッと止まるボールを打っています。
一般的にラフからのショットの場合は、スピンがかからないのでボールが止まらないことが常識ですが、今回説明した打ち方が出来れば、まるでボールが脱力するかのように、不思議なくらいランが少ないボールを打つことが可能になります。
【 ラフからの打ち方は『ラフ専用』クラブを使えばとても簡単! これで夏ラフも怖くない! 】でも説明しましたが、ラフからのショットでも、芝と喧嘩しないように打てるなら、本当に不思議なくらいボールがグリーン上に止まります。
ゴルフ界の常識として、「 ボールのスピン量が多くないと止まらない 」と思い込まされてしまっている人が多いと思うので、すぐには信じてもらえないかもしれませんが、試してもらえれば納得してもらえると思います。
けして芝と喧嘩せず、芝と仲良くする打ち方で、難敵の夏ラフを攻略して下さい。