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石川遼選手はなぜ気づかないのか!? つかみかけた理想のスイングは蜃気楼のように消え去った…

time 2018/01/24

石川遼選手はなぜ気づかないのか!? つかみかけた理想のスイングは蜃気楼のように消え去った…

国内男子ツアーの開幕戦とアジアンツアーを兼ねた大会、SMBCシンガポールオープンが2018年1月18~21日に開催されました。

この大会の注目選手は、なんと言っても石川遼選手。

今シーズンはPGAツアー挑戦を諦めて国内ツアーに専念。

それを機に、国内ツアーを盛り上げるために選手会長に就任するという男気を見せる石川遼選手。

今シーズンの自らの目標は5勝と言うその仕上がり具合に注目しました。

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石川遼選手の現状を分析

ところが石川遼選手、開幕直前に首から肩甲骨周りを痛め、大会初日はフルスイングが出来ない程度の状態だったそうです。

そんな状態の中、はたしてどんなスイングになっているのか?

楽しみにしていたテレビ中継は大会3日目と4日目の予定でしたが、天候不順の関係で2日目と4日目のプレーが放映されました。

 

驚きの2日目の石川遼選手のプレー!目指すべきスイングが見えた!?

2日目のプレーには衝撃を受けました。

それまでの石川遼選手のスイングと比較すると、ダウンスイングへ切り返す時の下半身が先行する度合いが少なく、ダウンスイング中の腰の左への移動量も少なくなっていました。

つまり、下半身リードと、左への体重移動が少ないスイングです。

そのスイングによって下半身の無駄な動きが少なくなり、その結果アームローテーションが少なくてもボールがつかまるようになっていました。

このスイングには驚きました!

このような動き方のスイングこそが、このブログで何度も説明している松山英樹選手に代表される世界の最先端のスイングであり、シンプルでかつゴルフを簡単にすることが出来るスイングなのです。

そしてこのスイングこそが、アマチュアゴルファーが基本とするべきスイングです。

昨シーズンに予選落ちを続けていた時のスイングとは大違いです。

しかも、今まで見てきた彼のスイングの中でも、最も膝を伸ばした状態で全てのショットを打っていました。

パッティングでも、以前よりも膝が伸びていて、ほぼ棒立ちと言える状態でストローク。

「 遂に石川遼選手も、このブログで説明してきたスイング理論に気づいたのか!? 」

それほどに2日目の石川遼選手は、よいスイングを続けていて、プレー自体も簡単そうに見えました。

もし本当にこのスイング理論に気づいていて、そしてこのスイングを続けられるなら、この大会の優勝争いに加わるだけでなく、さらに今シーズンの国内ツアーで目標にしている5勝なんて簡単だろう、と思わせるプレーぶり。

そしてそのプレー内容通りに、2日目はトップタイで終えました。

 

まだ気づいていなかった石川遼選手…4日目はいつも通りに戻る

はたして石川遼選手は、本当に最新のゴルフ理論に気づいたのか?

注目の4日目は、最初に映された1打のスイングを見ただけで分かってしまいました。

残念ながら元に戻っていたのです。

明らかにダウンスイングで腰の回転が先行し、腰の左への移動量も増え、膝が沈み込む動きも大きくなっていました。

2日目は非常に効率よくスイング軸を保ってクラブの遠心力を使えていたのに、4日目は振り遅れてクラブの回転軌道も歪んでいました。

 

4日目のスイングの詳細を解説

石川遼選手のショットの調子を推測するよいチェックポイントがあります。

石川遼選手はショットの前に、ダウンスイングのイメージ作りのために、クラブの上げ下ろしを繰り返しています。

そのイメージが、2日目は自然なダウン軌道だったものが、4日目は不自然にイン側から下ろそうとする動きに変わっていました。

その理由は、4日目のように腰の回転が先行し、腰が左に大きく流れるスイングでは、身体の向きが目標よりも左向きに開くので、必ずカット軌道になります。

そのカット軌道の帳尻を合わせるためには、不自然なくらいにイン側からダウンスイングしなければならないのです。

そのようなスイングでは、必ずアームローテーションが必要になり、アームローテーションを抑えてしまうと、プッシュアウトのボールが出ます。

そして逆に、アームローテーションが大きすぎるとフックになります。

石川遼選手は、現在もアームローテーションを抑えるスイングを目指しているようなので、4日目はアームローテーションが不足して、右に出るボールが多くなっていましたね。

そのようなスイングでは、1打1打のアジャストが非常に難しくなり、当然プレー内容にも反映されて、結局大会の最終順位は16位タイに終わりました。

 

怪我の功名だったのか!? 2日目のスイング

残念ながら結論から言えば、石川遼選手は目指すべきスイング理論には、まだ気づいておらず、2日目の素晴らしいスイングは怪我の影響で「 マン振り 」が出来なかったために、たまたま悪い動きが抑えられていたようです。

しかし理由はどうあれ、2日目は理想的なスイングが出来ていたことも事実。

あとはその理論に気づいて、スイング作りに取り組めばよいだけなのですが…。

大会後のコメントでは、「 身体が開かないように注意していたが、4日間続かなかった 」ということでした。

身体が開くという状態は、下半身が先行することで、腰の向きが開きすぎているので、その腰の向きに上半身も引っ張られているからなのです。

その状態を防ぐには、下半身が先行する動きを放置したまま、上半身が開かないように抑えるのではなく、下半身を先行させないようにすることが、正しい対処の仕方になります。

例えば石川遼選手のインパクト時の腰の向きは、松山英樹選手よりも角度が10°~20°程も目標よりも左側に大きく開いています。

それだけ腰の向きが開いてしまっているので、上半身が腰の向きに引っ張られて開いてしまうのは仕方のないことなのです。

その点を松山英樹選手のように、下半身を先行させないようにダウンスイングを開始することが出来れば、自然に上半身の開きは抑えられます。

 

なぜその点に気づかないのか?

2日目のプレーではその動き方が出来ていて、本人の注意点が「 身体が開くこと 」というポイントまで分かっているのに、なかなか核心にたどり着けない石川遼選手。

見た目の動き方は、プロゴルファーでも判別出来ない程度の僅かな差なのですが、その僅かな差を生みだしている理論の差は、非常に大きいものなのです。

もしかしてこの点は、ゴルフ界の常識的な視点では判別出来ないのでしょうか?

もっとスポーツとしての正しい身体の使い方を意識する必要があるのかもしれませんね。

しかし現実には、松山英樹選手や世界のトップクラスの選手達は、理論的になのか、本能的になのかは分かりませんが、確かに気づいているようで、その動き方が出来ています。

 

はたして、いつになれば気づいてくれるのか?

それとも、下半身リードと体重移動の動きに固執しなければならない理由があるのか?

近くて遠い石川遼選手の理想のスイング像への道。

今後の動向を見守りたいと思います。

 

今回の内容は、【 石川遼選手のスイングを解説します 】、【 スイングをシンプルにする秘訣を発見! 小倉彩愛選手がアマチュアゴルファーに与えてくれたヒント 】を参考にして下さい。

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