今回は、「 凄く飛ぶ! 」と評判の地クラブを、長尺と中尺で試してみたので、その結果を報告します。
ヘッドの性能、シャフトの性能、そしてシャフトの長さについて、多角的に分析してみました。
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素晴らしい性能に仕上がった! しかし長いシャフトは難しい!!
飛距離性能の評判が高かった地クラブのヘッドを、自分の好みのシャフトで、長尺 ➞ 中尺へとシャフトの長さを替えてみると、はたしてどんな性能になるのか?
ずっと試してみたかったけれど、なかなか実現できなかったテストが遂に実現しました。
その地クラブヘッドが、バルド コンペティツィオーネ 568 420 です。
シャフトは、フジクラ スピーダー 569 エボリューション ⅣのXフレックスです。
この組み合わせで、45.75インチの長尺仕様と、45インチの中尺仕様にシャフトの長さを替えて、その性能とフィーリングを探りました。
バルド コンペティツィオーネ 568 420 のスペック
■ ヘッドデータ
ヘッド体積 : 420cc
ロフト角 : 10.5° ( 推定 )
ヘッド重量 : 199g
■ シャフトデータ
シャフト : フジクラ スピーダー 569 エボリューション Ⅳ
シャフト長さ : 45.75インチ ➞ 45インチ
フレックス : X
シャフト重量 : 60.5g (シャフトカット前)
トルク : 4.6
■ クラブデータ
クラブ重量 : 309g
ヘッドバランス : D3 ( 45.75インチ ) ➞ D0 ( 45インチ )
グリップ : ゴルフプライド ツアーベルベット・ラバー・360 ホワイト M60 50g
● クラブ選択の経緯
■ シャフト選択の理由
以前の試打会で、このシャフトのSフレックスが装着されていた当時最新型の大型ヘッドの長尺ドライバーを僕の奥さんが試打したところ、クセのない、とても振りやすいシャフトだということが分かりました。
残念ながらその最新型の大型ヘッドは、僕の奥さんにとっては、飛距離性能も打感も気に入らず、興味の対象から外れましたが、シャフトはお気に入りの1つとしてリストアップしていました。
ただし新製品は高価なので、中古品として価格が安くなるまで待つことにしていたのです。
そのシャフトが中古市場に出回るようになり、いろんなヘッドとの組み合わせの中から選べるようになったので、そろそろ真剣に選択を開始。
まずはシャフトのスペックの選択ですが、もし44インチ~44.5インチの短尺にする場合は、このシリーズの661でフレックスSRが手堅い選択だと思います。
しかし今回は、少し長めの44.5インチ~45インチくらいにしたかったので、569の中から選ぶことにしました。
そこから選択したのがXフレックスです。
Xフレックスの60.5gでトルク4.6という数値は、【 自分にピッタリのドライバーが見つからない! 】でも説明しているように、多くのアマチュアゴルファーにはピッタリのとてもよいスペックであり、「 重すぎなければ硬いほうが振りやすい 」という本人の特徴も考えて決定しました。
■ ヘッド選択の理由
まずはシャフトがスピーダー 569 エボリューション ⅣのXフレックスに決まったので、あとはそのシャフトが装着されている中古クラブから選択することになります。
ただしXフレックスだと品数が少ないので、それほど選択肢は無かったのですが、その中から見つけたのがこのヘッドです。
バルドのヘッドは以前からとても興味がありました。
バルドと言えば、エポン、ジェイビームと並ぶ地クラブの雄として長年君臨していますが、なかなか打つ機会がなく、いつかは試してみたかったメーカーです。
僕の奥さんはエポンのアイアンを使用している流れで、エポンのドライバーは何度も試す機会がありましたが、残念ながら打感が好みではなく、飛距離性能も十分に引き出すことができません。
ハードヒッター向けなので、おそらくヘッドスピードとパワーが不足しているのでしょう。
バルドに関してもその点を心配して情報を収集したところ、エポンよりも打感が柔らかいという評価が多かったので、その点を参考にして購入に踏み切りました。
ディープヘッドで、420ccという小型な点も選択理由です。
● インプレッション
■ 45.75インチ仕様
販売されていた状態が45.75インチだったので、まずはそのまま使用しました。
練習場で打ってみると、すぐに飛距離性能が高いことは分かりました。
しかし…心配していた打感は、やはり僕の奥さんの好みではないようです。
そしてそれよりも気になったのが、基本的には曲がらずによいスピン量で真っすぐ飛んで行くのに、4~5発に1回は、なぜか左20°くらいに飛んで行くボールが出ます。
僕の奥さんはミート率が高く、けしてミスヒットをしているわけではないのに、必ずその割合で左へのボールが飛び出すのです。
これはおそらく長尺ゆえの問題点だと思うのですが、はたしてコースではどんな具合なのか、あえてそのままの仕様で試してみることに…。
コースで打ってみると、やはり飛距離性能は素晴らしく、現在MYクラブの中で一番飛距離性能が高いのは【 今年も冬用のドライバーを作りました! 】で紹介したクラブだったのですが、それと同等の高性能です。
しかしコースでも、やはり練習場と同じ割合で左20°のボールが出てしまい、OBも1発。
そしてなによりも、45.75インチという長尺のメリットは全く感じることはありません。
長い分だけ飛ぶわけではないのに、振りづらく、そして突然左に飛ぶ…。
そこで当初の予定通りに、シャフトをカットして45インチ仕様を試すことにしました。
■ 45インチ仕様
45インチにすることでヘッドバランスが変わったので、よいセッティングを探ったところ、写真のようにシャフトに鉛の調整をしてよいフィーリングになりました。
その結果、長尺の問題点だった左20°のボールは全く出なくなり、飛距離性能も変わらず、振りやすさも格段に向上。
コースで試しても同様で、素晴らしい飛距離性能と方向安定性で、我が家のドライバーの中では間違いなくトップクラスです。
シャフトは硬いけれど動きがよく分かり、ハジキ感も十分に感じられます。
あえて細かく分析すると、420ccの小型ヘッドながら、45インチというシャフトの長さの影響で、かなりの強風下のラウンドでは時々スイングにブレが出ていたように見えました。
もちろん460ccの長尺ドライバーと比較すると、強風の影響は遥かに少ないのですが、【 小型ヘッドの短尺ドライバーが強風のラウンドで真価を発揮! 】で紹介したように、やはりヘッドが小さいほど、そしてシャフトが短いほどに、強風に対しては有利になることが改めて分かりました。
今回のまとめ
45インチという中尺仕様で、飛距離性能の高い地クラブと好みのシャフトの組み合わせは、僕のイメージ通りにかなりの高性能に仕上がりました。
しかし残念ながら、やはり僕の奥さんにはその打感が少し好みではなく、惜しくもこのクラブは短命に終わることになりました。
そこで今後は、このシャフトを他のヘッドと組み合わせて、もっと最高のドライバーを目指すことになったのです。
【 超小型ヘッドのドライバーを試しました! 】のクラブも、凄い飛距離性能だったのに、打感が好みではなく、そしてスイートスポットが狭すぎたのでボツになっていますが、やはりどんなに高性能でも、本人の感覚に合わずに気に入ってもらえないことには仕方ありません。
コロナ禍の影響で練習場の試打会が少なくなりましたが、ゴルフショップの店内で最新モデルの試打は続けているものの、残念ながら飛距離性能、打感、構えやすさ、振りやすさのどれも満足できるモデルは見つかりません。
したがって今回のように、お気に入りのシャフトを使って、過去のモデルのヘッドの中から良かった物、良さそうな物をピックアップして、オリジナルのドライバー作りを続けることになります。
そんな過程をこれからも紹介していくので、皆さんも自分にピッタリのドライバーを探す中で参考にして下さい。