このブログでは、これまでに短尺ドライバーを数多く製作し、最適なスペックの研究を進めてきました。
「 こんな感じがよさそうだ… 」と想像しながら製作を重ね、そのスペックを絞っていき、最初のステップ ( ステップ1 ) としての推奨スペックを【 自分にぴったりの短尺ドライバーを作ってみましょう! 】で紹介しました。
そのスペックデータで仕上がった短尺ドライバーは、最新の長尺ドライバーと比較しても、飛距離性能は互角、打ちやすさと精度では明らかに短尺ドライバーが上回っています。
そして実際のコースのラウンドでは、その優位性はさらに明らかでした。
「 もうこれで十分かな… 」とも思いましたが、もう一歩追求したくなり、新たなステップ ( ステップ2 ) に挑戦を始めました。
目指したものが、『 運動エネルギーの向上 』です。
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キーワードは『重・短・小ドライバー』
ゴルフ界は、長尺ドライバー ⇒ ヘッドスピードが上がる ⇒ 飛距離が伸びる、という理論を信じているようですが、残念ながら多くのゴルファーがそのような恩恵を受けていません。
それは当然の結果で、クラブは長くなるほどミート率が落ち、タイミングも合わせづらくなります。
スイング中の空気抵抗も増えるので、常に風が流れているコース上では、ゴルフショップや練習場のような感覚で振ることは出来ません。
そしてなによりも致命的なのは、ほとんどのクラブが長尺化されることによって、重量が軽くなっていることです。
重さを変えないで長尺化すると、空気抵抗で振り心地が重くなってしまうので、それを避けるように軽量化。
ところがクラブ重量が軽くなると、多少ヘッドスピードが上がったとしても、計算上では運動エネルギーが減少している場合が出てきます。
運動エネルギーが少ないのにシャフトが長いということは、難しいのに飛ばないという最悪なパターンになりますね。
それならば、多少ヘッドスピードが落ちても、運動エネルギーを上げることができるなら、長尺よりも簡単で、飛距離性能も上がるのではないかと考えました。
そこで考え出したのが、ステップ2となる、重い、短い、小型ヘッドのドライバーなのです。
『 重・短・小ドライバー 』と勝手に名付けました。
『 重・短・小ドライバー 』は予想以上に高性能だった!!
3番ウッドのような感覚でありながら、なおかつ3番ウッドよりもフェース面が広ければ、操作性と安心感が両立されて、空気抵抗の少なさと重さを利用して気持ち良く振りきれるので、その結果として飛距離が伸びるだろうと予想。
シャフトが短くなっても、ヘッドスピードがそれほど落ちなければ、運動エネルギーは長尺ドライバーを上回ります。
そのコンセプトを基にして、小型のドライバーヘッドを選び、3番ウッドのようなシャフトの長さとクラブ重量になるように、組み合わせを考えました。
そして出来上がったものが、『 重・短・小ドライバー 』です。
出来上がったクラブを僕の奥さんと友人達に練習場で試してもらったところ、予想以上に打ちやすく、重さは全く気にならない、ということです。
飛距離性能は、ステップ1の短尺ドライバーと同等レベルで、最新の長尺ドライバーと比較しても互角の飛び。
際立っていたのが、「インパクトのタイミングが合う」ということです。
適度な重さがあって、シャフトが動きすぎないので、インパクトのタイミングがズレる心配がありません。
まさに3番ウッドの感覚です。
この感覚を体験してしまうと、ステップ1の短尺ドライバーでも多少はタイミングを合わせていたことが分かり、長尺ドライバーはかなり頑張ってタイミングを合わせていたことを実感するそうです。
実戦向きな『 重・短・小ドライバー 』
そして驚いたのが、実際のコースでの飛距離性能です。
その詳細は【 驚異的な飛距離を実現!! 】で説明しましたが、練習場での飛距離感覚よりも遥かに飛んでいました。
その要因として考えられるのが、2点。
① コースボールとの相性がよい
高性能なコースボールのほうが、練習場のボールよりも、運動エネルギーの効果が現れるのでしょうか?
② 実戦的なヘッドスピード
『 重・短・小ドライバー 』は、短いシャフトと小型ヘッドの組み合わせなので、空気抵抗は当然少なく、そこに重さが加わることで、実際のコースでは、たとえ風が吹いていてもスイングへの影響は最小限。
一方の長尺ドライバーが、無風状態のゴルフショップの店内では理論通りのヘッドスピードが出ても、実際のコースでは空気抵抗の大きさが災いしてヘッドスピードが落ちてしまう、という実態とは、真逆の現象と言ってもよいでしょう。
もしコース上が全く無風で、空気も乾燥していれば、長尺ドライバーももっと性能を発揮できるはずなのですが、残念ながらそんな環境はほとんどありませんね。
ゴルフ界が見落としていた『 重・短・小ドライバー 』
ゴルフクラブの歴史を振り返ると、ドライバーの進化には重大なターニングポイントがありました。
チタンヘッドとカーボンシャフトの組み合わせで、ドライバーは徐々に進化するはずだったのに、タイガー・ウッズがナイキに契約が変わった途端に、いきなり460ccの大型ヘッドと45インチの長尺シャフトになってしまったのです。
当時絶対的な存在だったタイガー・ウッズの動向に、ゴルフ界は一気に流されてしまいました。
本来なら、ヘッド体積が300ccくらいから少しずつ大型化して、カーボンシャフトも43インチくらいから少しずつ長さが伸びていたなら、もっと多くの素晴らしいドライバーが完成していたことでしょう。
ところが、タイガー・ウッズにならえとばかり、一気に美味しいゾーンを飛び越えて、大型ヘッドと長尺シャフトのドライバーばかりになってしまったのです。
中には400cc前後のヘッドも少数ありましたが、組み合わされるシャフトは短くても44.5インチでした。
つまり、400cc前後の小型ヘッドと43インチ前後の短尺シャフトの組み合わせは、今まで誰も試したことがないスペックなのです。
そしてほとんどのアマチュアゴルファーが、70g前後のシャフトは「 自分には無理だろう 」と敬遠していました。
ところが70g前後のシャフトは、銘柄によっては意外に硬くはなく、短くすれば十分に振り切れることが分かりました。
こんな美味しいスペックを、今まで誰も試さなかったなんて…。
ようやくゴルフ業界も気づくのか?
【 遂に時代は変わるのか!? 】で紹介したように、突然ブリヂストンが260ccという超小型ヘッドのドライバーを製作しました。
いきなり460ccから260ccとは、あまりにも極端だな…とも思いますが、よい傾向なのは間違いないでしょう。
アイアンとのスイングのつながりを求めて、宮里優作選手がテストを重ねているそうですが、残念なのが、シャフトが長尺のままだということです。
それではヘッドがどんなに小型でも、アイアンのようには振れないでしょう。
せっかく試すなら、重くて短いシャフトも考えて欲しいものです。
はたして、その点に気づくことができるのでしょうか?
今回のまとめ
短尺ドライバーの進化形となる『 重・短・小ドライバー 』の詳細を説明してきました。
この考え方は、ドライバー以外のクラブにも通用するもので、只今その研究とセッティングを進めています。
現在のゴルフ界では、シャフトが長い ⇒ ヘッドスピードが上がる ⇒ 飛ぶ、という考え方が主流になっているので、『 運動エネルギーで飛ばす 』という考え方には、すぐには馴染めないかもしれません。
そこでもっと気軽に『 重・短・小ドライバー 』の魅力を体感してもらえるように、その推奨スペックと製作のコツを【 こちら 】で紹介しています。
是非、参考にして下さい。