打ちやすいウェッジシャフトとはどんなシャフトなのか?
最近のウェッジ用のシャフトは、選択肢がとても多くなっているので、自分はどのシャフトを選べばよいのか、迷っている人が多いと思います。
そこで今回スチールシャフトの中から、打ちやすいウェッジ用シャフトについて考えてみましょう。
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ウェッジシャフトにはアイアン用がよいのか、それともウェッジ専用がよいのか!?
【 アイアン用のスチールシャフトを打ち比べました!! 】で、いろんなスチールシャフトの特性について説明しましたが、ウェッジ用として考えると、最近はウェッジ専用シャフトも増えているので、その選択肢はとても多くなり、かなり迷ってしまう状況になってきました。
特にウェッジというクラブは、フルショットだけでなく、いろんな状況に合わせて振り方と力感を変えて、そしてバンカーショットにまで対応しなければならないので、シャフトに求められる特性は他のクラブよりも複雑になってしまいます。
はたしてどんなシャフトがよいのか、その点についてじっくりと考えてみましょう。
ウェッジ用スチールシャフト試打レポート
ウェッジにはどんなシャフトがよいのか、そしてどんなシャフトが自分に合っているのか、それを知るためには、それぞれのシャフトの特徴を知ることと、実際に打ってみることが大切になりますが、一般的には多くのシャフトを打ち比べることは難しいと思います。
そこで、【 アイアン用のスチールシャフトを打ち比べました!! 】で報告したように、日本シャフトの試打会に参加していろんなシャフトを試打する機会があったので、その感覚を忘れないうちに、すぐにトゥルーテンパーのいろんなシャフトも試打をしてみました。
そこで分かってきた各シャフトの特徴を報告したいと思います。
今回の試打もいつも通りに僕の奥さんが担当しますが、現在我が家が所有している複数のウェッジにはそれぞれ違うシャフトが装着されているので、その点からも各シャフトの違いを判定しやすいと思います。
それに加えて、友人の男性と女性のインプレッションも参考にしています。
評価のポイントは、コントロール性と振りやすさ。
ウェッジは飛距離性能を求めるものではなく、逆に飛びすぎずに、深いラフやバンカーでもうまく振り抜くためには、ある程度重量があった方がよいと思います。
そしていろんな距離をコントロールするためには、遅いスイングスピードでもシャフトの動きが感じやすく、クラブヘッドの位置もつかみやすいことが重要になります。
つまりシャフトの撓り方も重要になり、フルショットで気持ちよく走るシャフトだと、その代わりにコントロールショットではシャフトが走りすぎて扱いづらい傾向になることもあるのです。
このように、とても要求度が高くなってしまうウェッジ用のシャフトなので、はたして自分ならどのシャフトが適しているのか、そんな点をイメージしながらインプレッションを参考にして欲しいと思います。
◇ 日本シャフト
● モーダス³ 105
最近はウェッジの標準シャフトに多く設定されいますが、STDのSフレックスだと、少し軽くて、かなり硬いシャフトなので、そのままウェッジに使用するのは、あまり適していないと思います。
そしてSTDのRフレックスになると、今度は柔らかすぎて、ヘッドが遅れる現象が起きやすくなります。
そんな特性ですが、【 理想的なアイアンシャフトのセッティングが遂に完成!! 】で紹介しているように、Sフレックスを柔らかい方に3番手ずらして、0.5インチチップカットという加工を施すと、とてもしなやかで扱いやすいシャフトに変身するので、軽量なウェッジ用としても適していると思います。
● モーダス³ 120
モーダス³ 105よりも少し重くて柔らかい特性なので、STDのSフレックスなら、ウェッジ用としても適していて、フルショットやハーフショットでは気持ちよく動いてくれます。
しかし、もっと短い距離を微妙なスイングスピードで打とうとすると、少しヘッドが走りすぎるような状況が起きやすいと思います。
● モーダス³ 115、125、130
この3種類は、残念ながらウェッジ用として試打したことがありません。
● モーダス³ WEDGE 105、115、125
モーダス³ WEDGE 105は、ウェッジ専用シャフトだけあって、ウェッジ用としてはバランスの取れたよいシャフトです。
モーダス³ 105のように硬すぎることはなく、全体的に撓り感が十分にあり、コントロールしやすいので、軽量なウェッジが好みな人にはお勧めします。
ただし、僕の奥さんはオノフ フォージド ウェッジに標準装着されていたモーダス³ WEDGE 105をしばらく使用していましたが、少し頼りなさを感じてしまい、ダイナミックゴールド S400へとリシャフトしています。
それに対して、モーダス³ WEDGE 125は、十分な重量感があり、硬すぎずに、ヘッドの位置も感じやすく、全体的な評価としは、もしダイナミックゴールド S400が合わなければ、次に試してみて欲しいシャフトです。
モーダス³ WEDGE 115は、105と125の中間的なイメージになると思います。
● N.S.PRO 950 neo
多くのウェッジの標準シャフトに設定されていますが、男性用のウェッジ用として考えるならば、これが最軽量のレベルになると思います。
それほど大きな欠点はありませんが、他のシャフトに対してのセールスポイントもあまりなく、無難なシャフトという評価です。
● N.S.PRO 950 GH
このシャフトは、一般的なアマチュアゴルファーにはとても難しいシャフトです。
最近このシャフトが装着されているウェッジは少なくなっているので、とてもよい傾向だと思います。
● N.S.PRO ZELOS 7
ウェッジ用としては、非力な女性に適していると思います。
ただし、ベストスコアが90を切るレベルになると、非力な女性でも軽すぎるのではないでしょうか。
◇ トゥルーテンパー
● ダイナミックゴールド & ダイナミックゴールド HT
両シャフトの違いは、製品ラベルの違いだけなのですが、ダイナミックゴールド HTにはX100とS200しか設定がありません。
最も一般的なS200は、ウェッジ用としては硬く感じて、クラブヘッドの動きが少し分かりづらい傾向です。
ところがS400になると、少し重量が増えるだけのはずなのに、とてもよい重量感と高いコントロール性へと変化します。
価格も安いので、コストパフォーマンスならS400がNo.1のウェッジ用シャフトだと思います。
● ダイナミックゴールド 120、105、95、85
ウェッジ用としは、ダイナミックゴールド 120のR300しか試したことがありませんが、適度な重さとヘッドが走りすぎないフィーリングは、かなり万人向けだと思います。
105、95、85はウェッジ用としては打ったことがありませんが、85は女性用として考えた方がよいと思います。
● ダイナミックゴールド ツアーイシュー
【 バンカーやグリーン周りから簡単に寄せられるウェッジを発見!! 】で紹介した中古ウェッジに装着されていたシャフトなのですが、X100なのに硬すぎず、重すぎず、無駄な動きがないうえに、クラブヘッドの位置がとても分かりやすい特性で、本当はウェッジ用としてお勧めしたいNo.1シャフトです。
ところがこのシャフトは現在国内向けには市販されておらず、トゥルーテンパーに確認すると、「 ダイナミックゴールドの製品精度を上げているだけで、特性は何も変わらないので、ダイナミックゴールドで代用できます 」とのことだったのですが、実際に使ってみると全く別物な特性で、明らかにダイナミックゴールド ツアーイシューの方がフィーリングが上です。
● ダイナミックゴールド EX ツアーイシュー
アイアン用としてX100とS200を試打したことがありますが、とても上質なフィーリングで、おそらくウェッジ用としても適していると思います。
ダイナミックゴールド ツアーイシューにもよく似ているフィーリングなので、ウェッジに装着されていれば試してみたいシャフト。
そして、タイガー・ウッズ選手やコリン・モリカワ選手がウェッジ用にS400を装着していますが、まだ国内販売されていないので、S400も早く国内販売してほしいと思います。
● ダイナミックゴールド ツアーイシュー オニキスブラック PCB
まだ試していませんが、ツアーイシューのウェッジ専用版として登場したので、このシャフトにはとても期待しています。
ブラックカラーの外見も魅力的なので、早く試してみたいシャフトです。
今回のまとめ
今回は日本シャフトとトゥルーテンパーの各シャフトをウェッジ用として考えてみました。
現状はまだアイアン用シャフトの方が種類が多いので、自分に合うシャフトを見つけやすいのですが、今後はウェッジ専用シャフトの設定も多くなっていくと思うので、そんなシャフトが装着されているウェッジを見かけたら、まずは先入観なく試打してみましょう。
そして今回の内容からも分かるように、実は市販されているウェッジの標準シャフトには、お勧めのシャフトは装着されていないのです。
つまり、自分には特性が合わないシャフトが装着されているので、ウェッジを苦手にしている人がいるかもしれません。
シャフトが変わればフィーリングは全く変わるので、もしかしたらウェッジが苦手だった人も、ウェッジ専用シャフトや今回お勧めしたシャフトに変えただけで、苦手意識が解消される可能性があると思います。