このブログでは、今まで誰も説明していなかった新発想の鉛の調整方法を多数紹介していますが、今回は一般的な方法である、グリップの下側に鉛を巻く方法について、新たな活用法と考え方を紹介します。
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方法は同じでも考え方は違う!
鉛を使った調整方法の中で、シャフトのグリップの下側に鉛のテープを巻く方法があります。
この方法の一般的な効果とされているのは、①ヘッドバランスを変えずにシャフト重量、クラブ重量を重くできる。
②カウンターバランスのような効果が期待できる。というものがあります。
この貼り方は多くの人が試したことがあると思いますが、皆さんはどのような変化を感じたでしょうか?
今回は一般的な考え方とは違う、もう少し実用的な活用法と考え方を説明します。
グリップの下側に鉛を巻いて得られる効果とは!?
一般的に期待されている効果はさておき、実際に試してみて感じることができた効果について説明します。
❶ 手元の重量が増えて、相対的にヘッドが軽くなる。
ヘッドバランスが変わらないと言われていますが、もし測定値に変化がなくても、スイングした感覚ではヘッドが軽くなったように感じるはず。
手元が重くなる+ヘッドが軽くなることで ➡ 振りやすいと感じる人と、またはヘッドが軽すぎると感じる人に分かれるでしょう。
これは各自の好みでもあり、グリップの下側に巻く鉛の量によっても変わります。
カウンターバラスンとまでは言えないと思いますが、似たような効果が得られることも確かです。
❷ 軽量グリップの対策になる
【 軽すぎるグリップに注意するべし! 】で説明したように、市販品のクラブは軽いシャフトでもヘッドバランスを確保するために、非常に軽量なグリップを装着しているクラブが増えています。
もしそのクラブに慣れたとしても、いずれグリップ交換をする時には、ほとんどの人が純正の軽量グリップには交換せずに、50gくらいの標準的な重さの物に変えています。
そうなると、たとえば40gから50gへ10gも重いグリップに交換するということは、振り味が大きく変わってしまい、ヘッドが軽くて振りづらいと感じるかもしれませんね。
シャフトの撓り方も変わるはずです。
そんな対策として、交換する前の軽量グリップのうちから鉛を使って調整し、まるで50gのグリップに交換したかのようなフィーリングにしておくことも一つの手だてになります。
たとえばグリップの下側に鉛のテープを一巻き( 約1g ) を巻けば、3~5gくらいグリップ重量が重くなったような感覚になるかもしれないのです。
10g分のグリップ重量に合わせるには、2~3巻きくらいに重ねることになると思いますが、感じ方には個人差があるので、その点は実際に試してみて下さい。
❸ シャフトカット( 短尺化 )と同じ効果が得られる
【 ドライバーの鉛の貼り方に新提案! 】にて、シャフトのチップ側に鉛のテープを貼ると、まるでチップカットをしたかのようなフィーリングが得られることを説明しています。
今回の貼り方はその逆のパターンで、まるでバットカット、つまりシャフトを短尺化したかのようなフィーリングを得ることができます。
鉛のテープの幅の分だけシャフトの動きが抑えられて、ヘッドバランスも少し軽く感じるので、手軽にまるでシャフトカットをしたかのような短尺化の疑似体験ができるのです。
目安としては、1巻きしたテープの幅で、0.5インチくらいカットしたフィーリングです。
ただし1巻きを2列にしても、1インチカットしたかのようには感じないと思うので、試すのは1巻き分の幅、つまり0.5インチカット分にしておきましょう。
● 実施例
下の写真のクラブは、2014年モデルのツアーステージ Xドライブ GR ドライバーです。
このクラブの持ち主は友人の男性で、僕が年に数回アドバイスしていますが、練習量としては月に1回程度です。
まだスイングの安定性が低く、ベストスコアは100ちょうど。
そこでドライバーを短尺化して、スイングの安定性をもっと高めたかったのですが、一緒に練習できる機会が不定期だったので、短尺化した後のセッティングにまで手が回らないと考えて、シーズン中は短尺化を諦めていました。
そこで試しに、「 もし0.5インチの短尺化をしたらこんな感じですよ 」ということで、グリップの下側に鉛のテープを1巻きしてみたところ、見た目で明らかにスイングが安定し、本人も好感触。
その結果、グリップ交換のついでにシャフトを0.5インチカットしてみることになりました。
このクラブは45.5インチの長尺で、ヘッドバランスがD2とやや重め。
グリップ重量は49.5gと、特に軽量ではなかったものの、滑りやすい材質だったので、ツアーベルベット・ラバーの50gに交換します。
このクラブを0.5インチ短尺化して45インチになり、グリップ交換では0.5gしか重くならないので、おそらく作業後のヘッドバランスはD0かC9くらいだと思います。
実際の作業の前に、写真の鉛の貼り方を試すことで、事前にフィーリングを確認できているので、本人も安心して短尺化することができます。
あとは作業後に、スイングの様子と本人の感覚に合わせて、鉛の調整を加えることにしました。
今回のまとめ
今回紹介した鉛の貼り方は、貼り方自体は一般的ですが、もっと柔軟な発想を持てるなら、活用法はどんどん広がって行きます。
❶ ~ ❸の効果をうまく利用して、振りやすさや短尺化へのヒントをつかんで下さい。
【 鉛の貼り方 】で説明してきたように、すぐに5gとかの大雑把な貼り方ではなく、少ない鉛の量で正しく繊細に作業を進めてもらえれば、クラブセッティングの可能性が大きく開けていきます。
たとえば、少しシワになるように貼ってみたり、1巻きをきっちりと巻くのではなく、あえて寸足らずで巻いてみたりと、型にはまらずに、自分の感性でその変化を感じて下さい。