短尺ドライバーの魅力をもっと多くの人に知ってもらい、自分用に製作する時に役立つ情報を紹介するシリーズの第2弾です。
今回のその2では、小型ヘッドのメリットを紹介します。
sponsored link
短尺ドライバーを極めるための講座 その2
2限目 小型ヘッドのメリットとは?
現在のゴルフ業界は大型ヘッドが全盛になっていますが、ここではあえて短尺シャフトと相性のよい小型ヘッドの魅力を紹介します。
小型ヘッドの最大のメリットは、操作性のよさです。
使った人にしか分からない、心地よいほどの操作性は最大の武器になりますが、それ以外にもメリットは多いので、その点について紹介します。
① 操作性が高い
② 空気抵抗が少ない
③ ミート率が上がる
④ 他のクラブとのスイングの流れがよくなる
⑤ その他
このようなメリットがあるので、その点を理解してもらい、「 見た目が小さくて不安 」という人は、少し考え方を変えて欲しいと思います。
① 操作性が高い
ゴルフクラブの操作性は非常に重要な要素です。
一般的には、大型ヘッドは慣性モーメントが大きくて曲がらない、という点ばかりが強調されていますが、そんなにゴルフスイングは単純ではありません。
慣性モーメントが大きいということは、もしダウンスイングへの切り返しで理想のスイング軌道から外れた場合、そのまま外れた状態から修正できないという意味も含んでいます。
ゴルフロボットでもないかぎり、たとえトッププロであっても、ダウンスイングへの切り返しで毎回同じようにはコントロールできていません。
プロゴルファーがインパクト直後に手を離すシーンは、まさに外れてしまったスイング軌道を、インパクトまでに修正できなかった証しなのです。
慣性モーメントが大きすぎて操作性が落ちているから起こる現象です。
この問題がアマチュアゴルファーの場合はもっと深刻になります。
【 こちら 】でも紹介していますが、アマチュアゴルファーの場合は、ラウンド中のティショットではいろんな要素に翻弄されて、ダウンスイングの軌道が毎回違うものになっています。
それでもなんとか帳尻を合わせようと、無意識の中で懸命に修正の操作を行っているものなのです。
まずはその点を自覚しましょう。
その時に邪魔をするのが、慣性モーメントが大きすぎる大型ヘッドなのです。
プロゴルファーが狭いホールでは、ドライバーではなく、3番ウッドを使いたくなるのは、「 少し飛距離が落ちるから安全 」なのではなく、操作性を生かして「 インパクトのギリギリまで操作できるから安全 」なのだと理解しましょう。
② 空気抵抗が少ない
下の写真は450ccと340ccのヘッドを並べたものですが、見た目の大きさは大人と子供ほどの違いがありますね。
当然のことですが、ヘッド体積が小さいほうが空気抵抗は少なくなり、スイングが楽になります。
たとえ大型ヘッドの空気抵抗を減らすようにデザインしたとしても、小さいヘッドにはかないません。
まるで3番ウッドのような振り心地を体験してみましょう。
【 小型ヘッドの短尺ドライバーが強風のラウンドで真価を発揮! 】で説明したように、その効果は強風のラウンドで確実に体感することができますよ。
③ ミート率が上がる
アマチュアゴルファーはスイングの精度が低いから、フェース面の大きい大型ヘッドが適していると思われていますが、実はそのことが逆にミート率を落としています。
皆さんも試してもらえば分かりますが、確実に小型ヘッドのほうがミート率は高まります。
人間とは不思議なもので、的が大きいほうが感覚がアバウトになり打点がバラつき、適度に的が小さいほうが中心に当たりやすくなるようです。
43インチで体積が180ccしかない3番ウッドで空振りしない腕前なら、43.5インチで350ccのほうが芯に当たりやすく、見た目の安心感も十分ですよ。
④ 他のクラブとのスイングの流れが近くなる
【 遂に時代は変わるのか!? 】でも紹介したように、宮里優作選手がアイアンとのスイングの流れを求めて、260ccという超小型ヘッドドライバーを試しています。
その考えには同感ですが、しかしシャフトが長いままのようなので、理論的には詰めが不十分かと…。
そして最近アメリカでは、テーラーメイドから275ccの超小型ヘッドドライバーが発表されたそうです。
ゴルフ界とは不思議な世界で、常に程よい中間領域を飛び越してしまい、真逆と言えるほどの極端な考え方へ飛んでしまうことを繰り返しています。
なにもそこまで小型にしなくても、350cc~420ccくらいの大きさなら、クラブ全体の流れとしては充分に効果があると思うのですが…。
⑤ その他
その他にも、ショットの精度が上がる、スイングがよくなる、飛距離が伸びる、などのメリットがありますが、この点に関しては個人差があると思います。
その2のまとめ
不思議なことに多くのゴルファーが、3番ウッドは平気で打てるのに、「 小型ヘッドのドライバーは見た目が小さくて不安… 」と感じているようです。
しかしそれは、シャフトが45~46インチと長すぎることと、世間の意見に流されているだけではないでしょうか?
44インチなら400ccでも十分に大きく見えるし、43.5インチなら350ccでも充分だと感じるはずです。
大型ヘッドのほうが飛距離性能は高いという説がありますが、はたしてそれは本当に正しいのか?
ある番組で宮里優作選手が、460ccと260ccのドライバーを打ち比べていましたが、遙かに260ccの方が飛んでいましたよ。
つまり、他人が勝手に決めた意見には流されずに、小型ヘッドのメリットもしっかりと理解してもらい、本当に自分の感覚に合うようなヘッドの選択をして欲しいと思います。
次回は【 その3 】にて、飛距離性能の高い短尺ドライバーについて説明します。