2024/11/24
アマチュアゴルファーにとって、スコアアップへの大きな助けになってくれるクラブがユーティリティです。
アイアンよりも楽に飛ばせて、フェアウェイウッドよりも精度が高い、という優れた特徴を持つユーティリティ。
そんなユーティリティ探しで参考になるように、最新モデルの純正シャフトを打ち比べてみました。
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意外なほどに打ちやすいユーティリティを発見!
打ちやすいユーティリティを手に入れることができれば、とてもスコアメイクが楽になりますが、おそらく多くのゴルファーは、打ちやすいユーティリティを見つけ出せずに苦労しているのではないでしょうか。
その理由は、スペックの設定範囲が広すぎて、自分に合うものが分かりづらく、そして実際に店頭に並んでいるクラブのスペックも、あまり適切なものが見当たらないからです。
例えば僕の奥さんは、【 打ちやすいユーティリティシャフトはこれだ!! 】で紹介したフジクラ MCH 80 Sフレックスがとても打ちやすいと最近感じていて、そして国内女子プロの皆さんも、以前よりも重いシャフトを選択する傾向になっています。
それなのに男性用として量販店の店頭に並んでいるのは、驚くほどアンダースペックなクラブばかり。
そんな訳なので多くのゴルファーが店頭に並んでいる中から選ぼうとすると、必然的に「 軽すぎて空を切るような 」難しいクラブの中から選ぶことになるわけです。
それならばと、「 軽すぎるスペックの中でも、打ちやすいクラブはないものか 」と思い、探してみることにしたのです。
その結果、とても打ちやすくて、飛距離性能が高いクラブが見つかりました。
純正シャフトユーティリティの試打レポート
今回試打をしたのは、ゴルフ量販店の試打席で、備え付けの計測器でデータを確認しました。
僕個人の考え方ですが、ドライバーを試打する場合は店内のデータ計測ではなく、せめて屋外の練習場、理想はコースで試してみたいと思います。
なぜなら、ドライバーはヘッドが大きくてシャフトが長いので、スイングに対する風の影響が大きく、そしてコースでは広い景観の中で一発勝負なので、それに近い環境で試した方がよいと思います。
それに対してユーティリティはヘッドが小さく、シャフトもそれほど長くはないので、スイングへの風の影響は少なく、そして室内の計測器の方が正確にキャリーとランの数値が分かります。
ユーティリティやアイアンは、グリーンを狙うクラブなので、ただ単に飛べばよいというものではなく、キャリーとランの数値が安定していることが、とても重要になるからです。
そんな考えのもと今回選択したクラブは、次の4本。
❶ コブラ エアロジェット 21° +スピーダーNX for コブラ S & Rフレックス
❷ テーラーメイド ステルス2 22° + テンセイ レッド TM60 Sフレックス
❸ キャロウェイ パラダイム 24° + ベンタス TR5 for キャロウェイ Sフレックス
❹ ヨネックス イーゾーンGT 22° + RK – 03 GT Sフレックス
■ 試打インプレッション
❶ コブラ エアロジェット ユーティリティ
まずはSフレックスから試打を始めました。
試打担当は、いつも通りに僕の奥さんです。
シャフト重量とトルクの数値を見ると、かなり軽くて柔らかそうだったので、まずは身体慣らしとしてこのクラブから試打を始めました。
ところが打ってみると、驚くほど絶妙なシャフトの動きで、一発目からとてもよいショットが打てました。
ティアップからでも、マットからでもその打ちやすさは変わらず、飛距離データも21°としては高弾道でありながら、キャリーも十分に伸びています。
その後に他のクラブを一通り打った後に、もう一度打ってみても、一番の打ちやすさでした。
そのスペックの数値ほどには軽さも柔らかさも感じることはなく、かなり目一杯振っても暴れることはありません。
そこで念のため、Rフレックスも打ってみたのですが、なんとこちらの方がよいデータでした。
純正シャフトのRフレックスで、こんなに打ちやすかったことは記憶にありません。
その打ちやすさを生み出しているのは、先ずはリィーディングエッジからソールに繋がるヘッド形状が絶妙なこと。
上の写真のように、他のクラブよりもリーディングエッジ周辺の形状が「R形状」なので、刺さりづらくて抜けやすいので、ストレスなくセカンドショットが打てるはずです。
そしてコブラとフジクラが共同開発した、絶妙な特性のシャフトはとてもよい仕上がりです。
軽くて柔らかいのに、こんなにもバランスよくセッティングできるとは、驚きの一言です。
ちなみにもう1種類、ツアーAD for コブラという純正シャフトが用意されていて、こちらのスペックの方が打ちやすいと予想していましたが、残念ながら期待外れでした。
※ 後日、別の量販店の試打席で、コブラ エアロジェット 21° + スピーダーNX for コブラのSRフレックスを打ってみましたが、このシャフトが一番数値がよく、そして打ちやすさも位置一番でした。
❷ ステルス2 レスキュー
こちらのスペックは、軽すぎるほどではないので、適応できる人が比較的多いのかもしれません。
ただ近年のテーラーメイドの純正シャフトは、ミツビシ テンセイと共同開発したシャフトばかりなので、その特性が合うかどうかが重要なポイントです。
実際のところ僕の奥さんは、過去の全てのテンセイシリーズを苦手にしていて、必然的にテーラーメイドの純正シャフトで気に入ったクラブに出会ったことがありません。
つまり今回のクラブも期待していなかったのですが、先入観を捨てて打ってみると、予想以上に打ちやすさを感じることができました。
おそらくこのテンセイ レッド TM60は、今までのテンセイシリーズの特性から少し変わっているのではないでしょうか。
ただし飛距離の数値的にも、打ちやすさの面でも、コブラ エアロジェットの方が上だと思います。
❸ パラダイム ユーティリテイ
こちらのシャフトが一番アンダースペックですが、まさにアンダースペックの弊害ばかりを感じる特性で、とても打ちづらい印象でした。
ロフト角が一番大きいので、もちろん飛距離の数値は伸びませんが、その数値以上にエアロジェットとの飛距離性能の差を感じました。
シャフトもコブラと同様のフジクラとの共同開発なのに、メーカーが違うとこんなにも内容が変わってしまうのかという印象です。
救いがあるとすれば、唯一スリーブ仕様なので、もし合わなくても他のシャフトに変えることができるし、スリーブ調整で多少は改善できるかもしれません。
❹ イーゾン GT ユーティリティ
ヨネックスのドライバーの性能があまりにもよかったので、ユーティリティにも期待していましたが、残念ながら純正シャフトは難しいものでした。
これはヨネックスの純正シャフトによくある特性なのですが、いわゆる「 軽硬シャフト 」の範疇で、なぜかゴルフ業界の人には好まれるけれど、一般的なアマチュアゴルファーには苦手な特性だと思うので、この設定はとても残念です。
実はこの試打の前に、レクシス カイザ Uという純正カスタムシャフトをコースで試打していて、そちらのシャフトはとても打ちやすかったのです。
さらに言えばヨネックスには、カスタムフィッティング限定モデルのイーソーン FS ユーティリティというクラブがあり、このクラブに80g台のシャフトを装着してコースで試打したことがありますが、かなり打ちやいクラブでした。
ちなみに岩井千怜選手のユーティリティも、このイーゾーン FS ユーティリティなので、今後ヨネックスには、このクラブをもっと一般的なルートに広めて欲しいと思います。
今回のまとめ
今回は趣向を変えて、あえてメーカー純正シャフトの試打に挑戦してみました。
一般的にはどのメーカーの純正シャフトも軽くて柔らかいものが多いので、とても難しい特性のクラブが店頭に並んでいるということです。
しかし今回のスピーダー NX for コブラのように、その中には、軽くて柔らくても絶妙なバランスのシャフトがあることも分かりました。
そんな発見をするためには、先ずは自分で先入観なく試打をしてみましょう。
巷の評判を鵜呑みにして、本当は自分に合っていないクラブで練習を重ねるようなことは、とても無駄なので、自分の感性とスイングの特徴に対して、もっと正直に向き合うことも必要です。
それでも打ちやすいものが見つからなければ、もっと重いけれど柔らかい特性のカスタムシャフトに目を向けてみましょう。
打ちやすいシャフトが見つかれば、ユーティリティはとても大きな武器になるので、頑張って見つけ出して下さい。