
スコアメイクには、傾斜地からのリカリバリーショットがとても重要になります。
スコアを大きく崩さないために、うまくリカバリーできる打ち方と考え方を身につけましょう。
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一般的なゴルフ理論が正しいとは限らない!
コースでのスコアメイクでとても重要なポイントになるのが、傾斜地からのショットです。
失敗しやすい難しいライからでもうまく打てるようになると、スコアメイクはとても楽になりますね。
今回は、「 急な前下がり 」という難しいライからでも、失敗せずにうまくリカバリーできる打ち方と考え方を説明します。
急な前下がりのライでも失敗しない打ち方と考え方!
写真①
この写真の①のような急な前下がりの傾斜、コースの中にはアドレスするのも困難な20度以上の急傾斜がありますが、皆さんはこのような悪いライからどのように打っているでしょうか?
一般的な理論として、多くのプロゴルファーやプロコーチからは、「 前下がりにあるボールにクラブをとどかせるために、そして体勢を安定させるために、通常のショットよりもスタンスを広くして、股関節から大きく前傾させて、膝も深く曲げる 」というような説明がありますが、残念ながらこのような打ち方はアマチュアゴルファー向けではありません。
その理由は、プロのように腰から下の下半身と、腰から上の上半身を分離させてスイングすることが、アマチュアゴルファーには難しいからです。
スイングに必要な身体の柔軟性が低いので、プロのように股関節を意識したり、スタンスを広くして膝を深く曲げてしまうと、上半身の自由度が制限されてしまい、スイングの柔軟性は大幅に低下します。
そして問題なのは、このようにアドレスしてしまうと、「 前下がりのライに対して、クラブのソール面の角度が合わなくなる 」、つまりライに対してクラブのヒール側しか接地しなくなるので、当然のことながらボールをうまくヒットすることができないのです。
プロの場合はフェースコントロールが巧みなので、そのような状態でもうまくボールを捕えることができるかもしれませんが、アマチュアゴルファーにとってはかなり難易度は高くなります。
そこでそのような一般的な理論には縛られずに、アマチュアゴルファー向けにもっと簡単に打てるようになる考え方を取り入れてみましょう。
1⃣ アドレス
アドレスは写真①のようなイメージになります。
スタンスは広げずに、逆に多少狭いほうがよいと思います。
前下がりの傾斜の中でも安定したアドレスを作ることが前提の中で、股関節も膝もなるべく曲げないようにして、身体を伸ばし気味のまま、傾斜に合わせるように前傾を深めて下さい。
そのままでは前下がりの傾斜側に倒れそうになる一歩手前の状態をキープするように、つま先体重気味で両足の荷重をコントロールしましょう。
このような体勢を作ることができると、前下がりのライに対してもクラブのソール面が合いやすくなります。
写真①を見れば、前下がりのライ、ボール、そしてクラブのソール面の位置関係がうまい具合に出来上がっていることが分かると思います。
2⃣ スイング
写真②
この傾斜の中でも安定性を保てる範囲の中でスイングの大きさを決めて、スイング軌道は若干のカット軌道をイメージします。
通常のスイングのようにインサイドからクラブを入れようとすると、ボール位置よりも手前側の傾斜は高く、ボールに当たる前にソールが傾斜に引っかかるので、それを避けるための若干のカット軌道です。
写真②の赤〇の位置は、通常のショットよりもヘッド1個分アウトから入っているイメージをしています。
この写真②くらいの急な傾斜地では、スイング軌道は垂直方向、つまり真下に向けて縦振りするようなイメージでもよいかもしれません。
3⃣ インパクト
写真➂
ここまでの準備と対処ができていれば、写真③のように、前下がりのライとボールとクラブの関連性がよい状態になっているので、このような難しい状況下でもよいインパクトを作ることが可能になります。
写真④
インパクトを拡大してみると、写真④のようにクラブのソール面が前下がりのライの傾斜に沿っていることが分かります。
それに対して一般的な打ち方の場合は、インパクトではヒール側しかライに接地しないので、たとえボールをうまくヒットできたとしても、ボールは捕まらずにスライスしやすくなるわけです。
4⃣ ナイスショットも可能
写真⑤
よいインパクトを作る条件が整っていれば、この写真⑤の赤〇のように、目標のグリーン方向へのナイスショットが可能になります。
一般的な打ち方ではスライスしやすくなるのは当然ですが、今回説明したインパクトの状態を作ることができれば、ボールは素直なストレートボールになり、狙った方向へ打つことも可能です。
5⃣ 考え方のポイント
写真⑥
この写真⑥は、まるで平坦なライに見えるように、写真を傾けて修正したものです。
もしこの写真が平坦なライからのショットと考えたとしても、体勢は多少後傾になっていますが、とても20度もある傾斜地から打っているような不自然さはなく、まるで通常のライから打っているようなスイングに見えませんか?
つまり今回説明した打ち方と考え方は、多少は重力に逆らうアドレスを作ることができれば、あとは限りなく通常のスイングのイメージで打つことが可能になり、必然的に成功率を高めることができるのです。
同様に一般的な打ち方をこの写真のように傾けて見るなら、腰が不自然に後方に落ちた体勢に見えるし、クラブのトゥ側が空を向くくらいの状態でインパクトすることになるので、ボールを芯で捕らえることが難しいことは見た目で分かるはずです。
今回のまとめ
今回は、急な前下がり傾斜からでもナイスショットが打てる打ち方と考え方を説明しました。
重要なポイントは、身体の柔軟性が低いアマチュアゴルファーでも、上半身の自由度を保てるようなアドレスを作ること。
そして、たとえ急な傾斜に対してでも、クラブのソール面がライに馴染むようなメカニズムを作ることです。
子供の頃からゴルフ一筋の人達と比較すると、大人になってからゴルフを始めたアマチュアゴルファーはスイングに必要な柔軟性がとても低いので、彼らの言う通りに身体が動かないのは当たり前。
この状態は、他の競技のトップアスリートがゴルフをする場合であっても同様なのです。
そこで大事になるのが、もっとアマチュアゴルファーに適した方法を取り入れることであり、「 できそうもないことには手を出さない 」という割り切りも必要だと思います。
そのように考えることができれば、もっと簡単なゴルフの道がどんどん開けてくるので、これからも一緒に考えていきましょう。