2017年4月23日の日本男子ツアー、パナソニックオープン。
アジアンツアーと共催で海外の強豪選手が集まる中、優勝を争ったのは久保谷健一選手と宮本勝昌選手の同年代の日本のベテラン選手。
プレーオフを制したのは久保谷健一選手ですが、今回注目したいのは敗れたほうの宮本勝昌選手。
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宮本勝昌選手のバンカーショットを参考にしてみましょう
宮本勝昌選手は44歳でツアー9勝、その中でメジャー大会4勝という勝負強さを誇るベテラン選手。
その宮本勝昌選手のプレーで参考にしたいのがバンカーショット。
多くのゴルフレッスンでは、バンカーショットはスタンスをオープンにして、フェースを開いて、カット軌道で打つように指導しています。
ところが宮本勝昌選手は、バンカーショットではスクウアなスタンスを推奨している日本では数少ない存在なのです。
この試合のバンカーショットでも、スクエアスタンスから非常にうまくピンに寄せていました。
これは見習いたいポイントです。
ただしアマチュアゴルファーが参考にする場合、フェースを開くことには十分な注意が必要です。
プロゴルファーの皆さんは、アマチュアゴルファーよりもフェースターンとアームローテーションの動きが大きいので、フェースをいくら開いていても、実際のインパクトの時にはほぼスクエアにフェース面を戻しています。
もしくは開いた状態でインパクトしても、その直後にフェースを閉じています。
そのフェースを開いて➔ 閉じる、という動きによって、フェースにボールと砂がうまく乗るように飛んでいるのです。
ところがアマチュアゴルファーは、フェースターンとアームローテーションの動きが少ないので、プロゴルファーのようにフェースを開いてしまうと、うまくフェースがボールと砂の間に入ったとしても、フェースに乗らずにだるま落としのようになって、ボールが飛んで行きません。
この点をしっかりと認識して、フェースの開き方を考えたいですね。
世界のトップクラスのバンカーショットはスクエアスタンスが多い
このバンカーショット、実は世界のトップクラスの選手達は、オープンスタンスでバンカーショットを打つことはほとんどありません。
例えば、僕も名前を使わせてもらっているルーク・ドナルド選手。
かつての世界ランキングNo.1でサンドセーブ率もNo.1だったバンカーショットの名手ですが、スクエアなスタンスから、エクスプロージョンというよりは、柔らかく「スパ~ッ」と薄く砂を取りながらボールをコントロールして、とても簡単そうにピンに寄せています。
そのようなバンカーショットの打ち方のコツは、【 簡単なバンカーショットの打ち方 アマチュアゴルファーに適した打ち方を考えましょう 】にて説明します。
さて、このスクエアスタンスのバンカーショット。
宮本勝昌選手以外にも日本ツアーでは何人かの選手で見ることが出来ます。
海外ツアーでは多くの選手で見られるので、是非テレビでチェックして、よいイメージを植えつけましょう。
■ 宮本勝昌選手のスイングは効率的
話はそれましたが、宮本勝昌選手には見習いたい点がまだあります。
大きな怪我もなく、毎年上位を争っている鉄人とも言える選手ですが、単に身体が丈夫なだけでなく、その秘訣はスイングにもあると思います。
宮本勝昌選手のスイングは、松山英樹選手のゴルフロボット打法のような打ち方。
下半身リードの動きが少なく、左へのスイング軸の移動もなく、ダウンスイングでは早いタイミングからクラブに回転運動を与えるタメが少ない打ち方です。
ベテラン選手には珍しく、その場で「クルッ」とまわるように身体を使ってクラブをコントロールしているので、精度も高く、身体の負担も少ないのではないでしょうか?
■ 選手それぞれの理論を見極める努力が必要
ところでこのスイング、宮本勝昌選手本人によれば、左への体重移動はしっかりと行っているとのこと。
しかし見た目には、スイング軸は左には全く移動していません。
左への体重移動の考え方は他の選手と同じでも、その動き方は大違いなのです。
つまり、言っている事は同じでも、実際にはその選手によってその動き方が大きく異なるのが、ゴルフの世界。
アマチュアゴルファーはこのような点に十分注意して、多くの情報の中から本当に役に立つ理論と動き方を見極めて、レベルアップにつなげていくべきでしょう。