【 その2 】に続いて、最新ドライバーの試打インプレッションを紹介します。
今回は、ダンロップ スリクソン ZX5 MkⅡとZX7 MkⅡです。
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寛容性が向上した曲がらないドライバー!
今回のスリクソンシリーズも、とても期待していたモデルです。
昨シーズンの国内女子ツアーでデビュー以来、破竹の連勝を重ねたドライバー。
そして世間がカーボンフェースやカーボンボディへと進む中で、久々のフルチタンモデルに回帰したことで、その性能と打感にとても興味がありました。
ダンロップ スリクソン ZX5 MkⅡ & ZX7 MkⅡの試打インプレッション
試打をしたのは、ZX5 MkⅡ、ZX5 MkⅡ LS、ZX7 MkⅡの3種類で、3種類とも10.5°タイプのヘッドです。
そのヘッドのロフト角を11.5°に変更しているので、ダンロップ QTSスリーブポジションはL4になっているはず。
ヘッドスピード45m/s以下のアマチュアゴルファーにとっては、最近の高初速ドライバーはロースピンすぎるので、ロフト角が少ないと弾道が低すぎたり、ドロップ気味になってしまい、肝心の飛距離性能が上がりません。
室内の計測器では良さそうな数値が出ていたとしても、練習場やコースではその計測値のような飛びは期待できないと思います。
その対策としてロフト角11.5°に調整しました。
アッパーブローがとても上手い女子プロは、ロフト角9.5°でも絶妙な弾道とスピン量を作り出せていますが、それは常に計測器の数値からフィードバックを得られているからで、アマチュアゴルファーには至難の業。
無理をせずにロフト角は10.5°~11.5°くらいにセットしたほうがよいと思います。
シャフトは今回もミツビシ ディアマナ GT 50 Sフレックスです。
どのヘッドに装着しても打ちやすく、もしかしたらヘッドの悪いクセを隠しているのかもしれないと思うくらいに、とても素直な動きのシャフトです。
■ インプレッション
● ZX5 MkⅡ
一発目から中弾道のストレートボールが良い感じで飛んで行き、飛距離性能は前モデルのZX5よりも5ヤードくらい飛んでいる印象で、ステルス2プラスと互角か、少し劣るくらい。
打感はフルチタンボディの効果でなかなか良い感じになっていて、前モデルの硬いイメージは確実に改善されています。
インパクト音も、前モデルは硬い塊で打っているような感じでしたが、その点も大幅に改善されました。
そして前モデルでも感じた方向安定性は今回も相変わらず抜群で、曲がる気配がないほど安定しています。
今回のZXシリーズの中では、このモデルがNo.1でしょう。
● ZX5 MkⅡ LS
その名の通りのロースピンモデルですが、明らかにハードヒッター向けで、ハッキリ言ってヘッドスピード45m/s以下の人には必要ないと思います。
ロフト角11.5°でもドロップ気味のボールになりました。
● ZX7 MkⅡ
このモデルはZX5 MkⅡよりも重心距離が短いらしく、その点はよかったのですが、重心深度も浅くなっていて、そのバランスが少し合っていないような印象です。
この短めの重心距離ならば、もう少し重心深度が深いほうがよかったのかもしれません。
このモデルも、ヘッドスピード43m/s以上は必要なのかもしれません。
今回のまとめ
【 こちら 】で紹介したように、前モデルはかなりハード系の印象だったのですが、このモデルは、特にZX5 MkⅡは万人受けするようなバランスのよいモデルへと進化しました。
前モデルの性能を引き出すためには、ヘッドスピード43m/s以上は必要だと思いましたが、このモデルはヘッドスピード40m/sでも十分に打ちこなせると思います。
国内女子ツアーで好成績が続いていることも、その性能の証だと思います。
とくにZX5 MkⅡは、山下美夢有選手が使用していて、今シーズンも優勝を重ねていることからも、ドライバーの安定性と信頼性の高さが証明されていると思います。
小柄な山下美夢有選手は、飛ばし屋の選手に負けないように、試合で常に「 マン振り 」しているような印象ですが、今シーズンのフェアウェイキープ率3位が証明するように、とにかく曲がりません。
ただしクラブ自体の飛距離性能に関しては、もう一歩改善して欲しいと思いますが、抜群の安定性によってラウンド全体の平均飛距離は確実に向上するはずなので、どちらを重視するかでこのドライバーの価値は変わると思います。