今回もドライバーのスライスの直し方について説明します。
【 その1 】で、下半身リードによってスライスの原因が作り出されるメカニズムを説明しました。
引き続き今回は、解決への道筋を説明します。
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従来のレッスン内容は対処療法でしかない
下半身を先行させないスイングが出来れば、スライスを根本的に直せるにもかかわらず、従来のゴルフ理論ではその下半身リードという悪い動き方が絶対条件になっています。
それはつまり、従来のゴルフレッスンの考え方でスライスを直す方法として伝えられているのは、根本治療ではなく、ごまかしの対処療法にしかなりません。
そして要求されるその動き方が、非常に複雑で難しいことも大問題です。
脇を締めろ、右ひじを脇腹に近づけるように下ろせ、肩を開くな、腕を返してつかまえろ、等々。
こんなに多く注意点があったら、気持ちよく振れるはずがありませんね。
どんどんぎこちないスイングに導かれてしまうのです。
そもそもこの下半身リードが、本当に必要なのでしょうか?
プロコーチによれば、上半身と下半身の捻転差がパワーを生みだす、下半身リードの切り返しでクラブヘッドが遅れて動くことによるタメがスイングパワーを生む、上半身よりも下半身のほうがパワーがあるので…、といろいろな理由をあげていますが、皆さんはそのような理論を本当に納得出来ていますか?
そのような理論が通用するのは、スポーツ界に「 体幹 」という言葉が普及していなかった昔の時代までです。
肩甲骨をうまく使いながら体幹を意識したスイングができれば、下半身リードに頼る必要はありません。
運動力学的にも下半身リードは不要
捻転差とかタメによるパワーは、長さが短くて重い物を、肩くらいの高さから振り下ろす場合には有効ですが、ゴルフに、それも十分な長さのあるドライバーのスイングには必要ありません。
現代のドライバーは軽量で長さも長くなり、シャフトもよく動いてくれます。
そのドライバーをアドレスからトップまで約270°も回転させて、そこからダウンスイングを開始する作業では、体幹を使ってクラブに正確な回転運動を与えることが最重要課題。
わざわざ捻転差やタメを作ることは、大事なインパクトのタイミングを外すリスクを高めるだけ。
たとえば松山英樹選手のように下半身をリードさせないゴルフロボット打法でも、十分な捻転差とタメは確保で出来るので、しっかりとパワーを出せています。
正しい動き方に導ける理論が必要
本来アマチュアゴルファーがゴルフクラブを無意識でスイングすれば、トップからの切り返しでは必ず下半身から先に動き出します。
これは人間の本能による動き方で、意識しなければ勝手に下半身が先に動きだします。
その本能の動き方がゴルフスイングを複雑にしてしまうので、もっと正しい身体の動かし方を伝えるべきなのに、逆にわざわざ下半身が先行するような動き方を強調する指導法はナンセンス。
ゴルフに限らずスポーツの世界では、プロとアマチュアに同じ動き方を伝えたとしても、アマチュアのほうが無駄な動きが多く出てしまうので、どうしても各部位の動く量は大きくなります。
その大きくなってしまう動きを想定して、無駄に大きく動かさないように、アマチュアにその動き方をうまく指導するのがコーチングの腕前。
それなのにゴルフ界の指導法は、その無駄に大きくなる動きを逆に強調するような傾向になっています。
そのような指導を受けていては、アマチュアゴルファーの上達が難しいのは当然なのです。
そんな従来のゴルフ理論が不要なことは、松山英樹選手を始めとする世界のトップ選手たちが証明しています。
しかし人間の感性は様々なので、もしかしたら松山英樹選手も下半身リードを意識しているのに、あのような下半身が先行しないスイングになっているのかもしれません。
もし仮にそうだとしても問題はありません。
大事なことは、松山英樹選手が実際に示してくれているスイングの動き方。
ゴルフロボット打法とも言えるあのスイングを、我々に示してくれただけで十分なのです。
あのスイングの動き方をお手本にして、アマチュアゴルファーが実現出来るようなスイング理論を考えればよいだけです。
【 その3 】でそのヒントをつかんで下さい。