もっと飛距離性能が高くて打ちやすいドライバーを目指して、試行錯誤を繰り返しながら、理想のドライバー像を追求してきましたが、ようやく満足できる1本が出来上がりました。
今回は、そのドライバーの詳細を紹介します。
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理想のドライバー完成までの道
これまでに【 クラブセッティング 】の中で、長尺ドライバー ⇔ 短尺ドライバー、または大型ヘッド ⇔ 小型ヘッド、そして重いドライバー ⇔ 軽いドライバーという具合に、幅広い選択肢とスペックの中から、その組み合わせやセッティングの試行錯誤を繰り返して、もっと高性能なドライバーの姿を探し求めてきました。
着実にデータを積み重ねてきた成果として、ようやく満足できるドライバーが1本完成しました。
そのドライバーが、ナイキのヴェイパー フライです。
【 今年も冬用ドライバーを作りました! 】で紹介した時のスペックに変更を加えて、オリジナルの仕様を作り出した結果、飛距離性能と安定性が高く、そして打ちやすいという理想的な1本になりました。
ナイキ ヴェイパー フライのスペック
■ ヘッドデータ
ヘッド体積 : 450cc
ヘッド重量 : 206g ( スリーブ変更のため重量アップ )
ロフト角 : 10.5° ~ 12.5° ( リアルロフトは約11.5° ~ 13.5° )
フェース角 : ニュートラル ~ ライト
■ シャフトデータ
シャフト : VR_S コバート2.0 純正シャフト
シャフト長さ : 45.25インチ ( ナイキ表示では45.5インチ )
フレックス : S
シャフト重量 : 57g
トルク : 4.5
■ クラブデータ
クラブ重量 : 未計測 ( 推定315g )
ヘッドバランス : D4
グリップ : 純正 ( 推定47g )
● クラブ完成までの過程
ドライバーを実際に使用する僕の奥さんによると、【 今年も冬用ドライバーを作りました! 】で紹介したナイキ ヴェイパー フライが、我が家にある数多くのドライバーの中では、最も打ちやすくて、打感がよいとの高評価でした。
そして飛距離性能もトップクラスです。
それならば、「 そのドライバーで十分だ 」と言いたいところなのですが、ハードスペックが好みの僕の奥さんにとって、気温が15℃以上に上がっていくと、「 シャフトが柔らかすぎるし、軽すぎる 」と感じてしまうのです。
だから『 冬用ドライバー 』として位置づけされていました。
そのために、もっと気温が上がる春から秋までのゴルフシーズンでも満足できるようにと、他のドライバーを試しながらも、それとは別に、このナイキのヴェイパー フライを改良する作業も続けていました。
カスタムシャフトを試したりしながら、もっと適するスペックは何かと探っていたタイミングで、ナイキのVR_S コバート2.0の新品同様の中古品を発見。
このドライバー自体にも興味がありましたが、それよりも、装着されていた純正シャフトの重量や特性に注目し、購入を決定。
そこでスリーブの互換性があるヴェイパー フライとVR_S コバート2.0の2本の中で、ヘッドとシャフトの組み合わせを変えながら、最適なロフト角や鉛の調整でベストセッティングを探っていきました。
その結果、当初の予想通りにヴェイパー フライのヘッドと、VR_S コバート2.0のシャフトの組み合わせがベストマッチとなったのです。
ヴェイパー フライの純正シャフトよりも少しだけ重くて硬いシャフトは、特性も似ていて打ちやすかったのですが、もっとフィーリングが合うようにと、次の写真のように、『 チップ巻き 』やシャフトの中間に鉛のテープで調整を進めると、特性がバッチリと決まりました。
たとえ気温が30℃くらいの高温下でも、そして15℃まで低下した初冬のようなコンディションでも、本人はその変化に翻弄されることなく、常に同じ感覚でスイングできるようになりました。
その効果によって、飛距離性能も過去最高レベルで安定するという、まさに理想的な1本に仕上がりました。
● セッティングの説明
【 今年も冬用ドライバーを作りました! 】で紹介した仕様は、純正シャフトのSRだったので、もう少し重くて硬いシャフトを求めるならば、同じシャフトのSも考えましたが、それよりもVR_S コバート2.0の純正シャフトのほうが重さとトルクが少しだけハード寄りなので、その方が適していると予想しました。
VR_S コバート2.0の純正シャフトは、メーカー値では45.5インチとされていますが、ヘッド装着状態で他のクラブと比較すると、45~45.25インチに該当しています。
実際にも、ヴェイパー フライの純正シャフトは45.75インチですが、自分で0.5インチカットしてあるので、45.25インチのはずなのですが、VR_S コバート2.0と同じ長さになっています。
…と言うことで、シャフトの長さに関しては、45.25インチくらいの中尺ドライバーだと認識しています。
そしてこのVR_S コバートの純正シャフト、当初は互換性があるので注意していなかったのですが、実はスリーブの重量が ヴェイパー フライ用よりも5g重いことが後で判明しました。
このドライバーを使用する僕の奥さんは、シャフトの重量差以上に重さのフィーリングが違うことを感じていたのですが、当初はその事実を確認しないままセッティングを進めていました。
しかし結果的にはそのミスが正解に導いてくれたようで、そのスリーブ重量差のおかげで、クラブ重量とヘッドバランスを希望値にまで増やすことができました。
僕の奥さんの本来の好みである、『 重いけれど、硬すぎないクラブ 』に仕上がったのです。
重いシャフトは硬いものばかりだし、重すぎるヘッドは振りづらくなってしまいますが、スリーブ重量という新たなセッティング材料の発見とその効果は、今後のクラブ製作にも役立ちそうです。
ロフト角とフェース角については、ロフト角12.5°のライト設定と、10.5°のニュートラル設定を、使用するボールによって使い分けています。
今回のドライバー製作では、シャフトカットやリシャフト、グリップ交換等の作業がなく、まだゴルフ工房並みの腕を持つ友人のお世話にはなっていないので、クラブ重量が未計測で、推定値になっていますが、正確な数値が分かったら訂正する予定です。
今回のまとめ
今回のドライバーは、かなりの自信作になりました。
このヴェイパー フライのヘッドは、色の好みさえクリアできるならば、見た目の形状はよく、飛距離性能、打感、方向性は抜群で、なおかつ慣性モーメントが4439gcm2と大きすぎないので操作性も残されている、とてもお勧めな高性能ヘッドです。
ただし450ccで45.25インチだと、強風下のラウンドでは多少影響があるので、このフィーリングを、430ccで44.75インチ辺りのスペックで実現できるならば、それこそ完璧なドライバーになると思います。
まずは1本、理想的なドライバーが出来上がりましたが、今後もその完璧を目指して研究と作業を続ける予定です。
※その後、2本目が完成したので、【 その2 】で紹介しています。