「 ヘッドスピード45m/s以下の人がもっと飛ばせるドライバーはないのか!? 」
宣伝文句ほどには飛ばない最近のドライバーに失望して、そんな研究を『 夢のドライバー構想 』として続けていますが、今回はその続編を報告します。
sponsored link
『夢のドライバー構想』の続編を紹介
最近の高初速をセールスポイントにしているアスリートモデルのドライバーは、おそらく適応するヘッドスピードがもっと高いので、ヘッドスピード45m/s以下のゴルファーにとっては、期待したほどには飛ばないし、よく曲がるのではないか!?
メーカーからはよい話ばかりが発信されていますが、実際に試打をしてみると、最近の主力モデルにはそんな傾向が感じられます。
そこで思いついたプランが、レディス用のヘッドにメンズ用のシャフトを組み合わせるという『 夢のドライバー構想 』です。
【 『夢のドライバー構想』は幻想に終わる…!? 】で紹介したように、メンズ用よりもボディ剛性が低いはずのレディス用ヘッドならば、最新の高初速モデルであっても、ヘッドスピード45m/s以下のゴルファーとの相性がよいのではないかと考えました。
ところが残念ながら前回のテストでは、選択したモデルがこちらの予想よりもボディ剛性が低かったので、その性能は期待外れに終わりました。
しかし今回別のモデルで再チャレンジする機会があり、そこでようやく期待通りの素晴らしい反発力を発揮するドライバーが出来上がったので、その詳細をお伝えしたいと思います。
そのドライバーが、キャロウエイ ローグ ST MAXのUSウィメンズ仕様に、NGS マッハライン プロト 7061というシャフトを組み合わせた特別なセッティングです。
キャロウェイ ローグ ST MAX USウィメンズ+マッハライン プロト 7061のスペック
■ ヘッドデータ
ヘッド体積 : 460cc
ヘッド重量 : 不明
ロフト角 : 11° ( 推定リアルロフト13°~14° )
( 標準12°のスリーブ仕様で11°~14°まで調整可能 )
■ シャフトデータ
シャフト : NGS マッハライン プロト 7061
シャフト長さ : 45.25インチ
フレックス : S
トルク : 3.6
シャフト重量 : 59g
● ヘッド説明
今回試したドライバーは、【 『夢のドライバー構想』は幻想に終わる…!? 】の時と同様に、【 初心者から僅か1年6か月でベストスコア86を達成!! 】で紹介した友人の奥様用のドライバーヘッドです。
実は娘さんがもう一人ゴルフを始めたので、奥様用としてもう1本ドライバーが必要になりました。
そこで今回狙いをつけたのが、USウィメンズ仕様のキャロウェイ ローグ ST MAXです。
標準シャフトのスペックが本人に適切に思えたことと、この秋に早くも価格が大幅に下がったので、品切れになる前に即購入してもらいました。
そしてこのローグSTのレディスヘッドならば、以前テストしたマーベリックとシム2のレディスヘッドよりもボディ剛性が少し高いと予想していたのです。
なぜならば、【 最新ドライバーを試打してみました!! その5 】で説明しているように、ローグSTシリーズのメンズモデルはボディ剛性が高すぎるように感じていましたが、その時に一緒に試打したローグ ST MAX FAST ウィメンズはボディ剛性が適度だったので、凄い反発力を得られたからです。
今回試したUSウィメンズ仕様のローグ ST MAXも、きっとボディ剛性は適度なはずで、そして国内モデルとは違い、スリーブ仕様なので最適なシャフトを組み合わせられる可能性が高まります。
ただしヘッドの詳細なスペックは、『 重心ハンドブック 』には記載されていないので、不明な点が多くあります。
実は国内販売向けにも、ローグ ST MAX D ウィメンズというスリーブ仕様が用意されていて、ロフト角10.5°のモデルも選択できるのですが、そちらはあくまでもカスタム販売なので高価であり、中古品はまだ市場に出回っていないようです。
そしてこの国内モデルのボディ剛性が、メンズ仕様なのかレディス仕様なのかは判明していません。
僕の知人がメーカーに確認したところ、メンズ仕様と同じだと回答されたそうですが、僕の経験ではメーカーの担当者がボディ剛性について知っている可能性は低いので、おそらくボディ剛性はレディス仕様だと推測します。
● シャフト説明
【 『夢のドライバー構想』は幻想に終わる…!? 】での経験から、レディスヘッドと組み合わせるメンズシャフトは、あまり重すぎずに、そして硬すぎない物が合いそうな気がしていました。
重くて硬いシャフトだと、たとえヘッドスピードがそれほど速くなくても、レディスヘッドに対する負担が大きすぎるように感じたのです。
かと言って、各メーカーのメンズモデルの標準シャフトのような50gくらいの柔らかすぎるシャフトだと打ちづらくなってしまう…。
そこで今回は、テストを担当する僕の奥さんが普段使用しているシャフトのスペックよりも、少しだけ軽くて柔らかいものを用意することにしました。
そこで狙いをつけたのが、NGSのマッハライン プロト 7061です。
NGSのマッハラインシリーズは、知る人ぞ知る名品で、10年以上前に一部のマニアには人気だったシャフト。
我が家もマッハラインシリーズのシャフトを使用しているアイアンやユーティリティを所有しているので、その特性と打ちやすさはよく分かっていました。
これまでに各メーカーのいろんなシャフトを試してきましたが、そのデータを基にして、今回の組み合わせに適しているのではないかと予想しました。
● クラブ性能
このヘッドはリアルロフトが大きすぎるので、標準のロフト角12°を11°に変更して、コースで試してみました。
シャフトとの相性のよさもあり、予想通りに素晴らしい反発力で、「 過去イチ 」くらまでボールは飛んで行きました。
しかしロフト角を11°に調整していてもリアルロフトは13°~14°もあるので、やはり弾道が高すぎます。
そしてボールがつかまりすぎるので少し左方向に飛んで行き、もっと右方向に打ち出そうとすると、ボールはもっとふけ上がりやすくなります。
もしこの点をスリーブ調整で、ロフト角をあと1°立てて、フェース角を0.5°オープンに調整できるならば、かなり満足できる性能になると思います。
それでも前回テストしたマーベリックやシム2のUSウィメンズ仕様よりは、明らかに飛距離性能が高く、打感もまだ許容範囲に収まっているので、本当に「 あと一歩 」という状態にまで迫れたように感じました。
そして今回のヘッドは12°仕様でしたが、USモデルには10.5°仕様も用意されているので、そちらならば完璧に仕上がるような気がしますが、現在は在庫切れで入手不可能なのが残念です。
今回のまとめ
『 夢のドライバー構想 』である、レディスヘッド + メンズシャフトの組み合わせで、満足できるレベルにまで「 あと一歩 」にまで近づきました。
しかし今回のヘッドは友人の奥様用であり、テスト後は本人に返却したために、すでに手元にはありません。
今後もよさそうな他のヘッドが見つかれば、このレディスヘッド + メンズシャフトの組み合わせの研究を続けたいと思います。
そして今回のドライバーは、スライス癖が抜けない僕の男性の友人には最強のドライバーと言える性能を発揮しました。
この友人のスイング軌道は、スライサー特有のアウトサイドインのダウン軌道なので、このドライバーの高すぎてつかまりすぎるという弾道特性と見事にマッチして、素晴らしい中弾道のストレートボールが打てて、自分のドライバーよりも10~20ヤード以上も飛んで行きました。
つまりスライサーの人ほど、レディスヘッドとの相性がよいはずなので、ご参考にして下さい。