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世の中にはいろんなゴルフ理論がありますが、アマチュアゴルファーが、その全てを参考にする必要はないと思います。
その中には、忘れてしまった方がよい理論もあったのです。
【 シンプルゴルフ ラボの記事がYahoo!JAPANのトップページに登場します! 】で紹介したように、時々ですがYahoo!JAPANに記事を提供しています。
このブログで既にアップしている内容を、少し説明の仕方を変えながら記事を制作していますが、当然その中にはもっと分かりやすく説明できた記事も出てきます。
今回はそんな記事を紹介したいと思います。
この記事の元は【 弊害だらけの『ゆるゆるグリップ』】です。
数あるゴルフ理論の中でも代表的な物に、『 ゆるゆるグリップ 』があります。
いわゆるグリップを握る時に、できるかぎり力を入れずに握るという理論です。
多くのプロが提唱していて、その中には「 クラブがすっぽ抜けるくらい緩く握りなさい 」と言っているプロもいます。
確かに『 ゆるゆるグリップ 』のほうが、クラブヘッドが走りやすいので、飛距離アップに繋がるかもしれません。
そしてクラブを自然に操作できるようになるのかもしれません。
しかし結論から言えば、週に1回程度しか練習しないアマチュアゴルファーには、永遠に習得不可能とも言える難易度の高いものなのです。
したがって、プロが言う通りの「 ゆるゆる 」は捨てて、適度に「 しっかり 」と握りながらクラブをコントロールした方が、少ない練習量でも上達のスピードが上がることになります。
そして上達とともに、少しずつ「 ゆるゆる 」に近づけていくようにすればよいわけです。
■『ゆるゆるグリップ』の弊害を確認しましょう!
次の写真は友人のスイングで、彼は『 ゆるゆるグリップ 』の信者です。
久し振りにラウンドに同行した時に、「 フックやチーピンが止まらない 」と悩んでいました。
彼はベストスコア76の腕前なのですが、確かにそのラウンドの時も悲しいくらいのドライバーショットが続いていました。
そこでスマホのスロー動画で撮影して確認してみると、驚きの現象が発覚したのです。
①
インパクトの瞬間では、スイングのバランスは悪くはなく、若干フェース面が開いていますが、ボールはフェース面センターより少し先で、やや上部に当たっていて、一般的な理論ならばよい位置でヒットしているはずですね。
➁
ところが、その直後のフェース面はこの写真➁のように、真上を向くように驚くほど大きく開いていました。
③
そしてその後フェース面は、何事も無かったかのように軌道に戻り、よい具合にターンしています。
もし写真①と写真③だけを見せられれば、これはナイスショットだったと思うようなスイングの流れです。
ところが写真➁の動きによって、結果的にはこの時のショットも「 チーピン 」でした。
そしてこの症状こそが、まさに『 ゆるゆるグリップ 』が引き起こしているものなのです。
この写真➁の症状は、いわゆる「 当たり負け 」によって起こっています。
あまりにも「 ゆるゆる 」に握っていたので、フェース面の上側に当たっただけで「 当たり負け 」をして、フェース面が上を向いて開き、その時に滑ったボールの回転によって「 チーピン 」が引き起こされていたわけです。
■ 対策法
この友人は、クラブがすっぽ抜けないギリギリ、つまり握力で言えば10kg以下くらいで握っているらしいのですが、現在の大型ヘッドのドライバーはかなり低重心で、重心深度が深いので、過剰な『 ゆるゆるグリップ 』で打つ場合、少しでもフェース面の上側に当たれば、写真➁のような症状が起きやすくなります。
そして写真➁を見れば分かりますが、慣性モーメントがいくら大きくても助けにはなっていません。
つまり、せっかく大型ヘッドで芯が広くなっていても、その恩恵は得られていないわけです。
したがってこの友人の場合は、せめて20kgくらいの握力で、ある程度しっかりと握るべきで、それならば「 当たり負け 」の度合いは大幅に減少し、何事も起こらずにナイスショットが多くなるはずです。
もちろん40kg以上もの「 ガチガチ 」に握ってしまうのはいけませんが、元々の握力が弱い人は、少し頑張って握る必要もあるはずです。
それでは各自それぞれがどれくらいの握り加減がよいのかというと、その人の握力の半分くらいの力感でよいのではないかと思います。
つまり、握力60kgの人は30kgで握ると、ちょうどよい握り具合になると思います。
握力20kgの人は10kgですが、さすがに緩いので、15kgを目指して頑張るというイメージです。
■ プロと同じではうまくいかない理由
それではなぜプロが『 ゆるゆるグリップ 』でもうまく打てるのかと言えば、それはフェースターンとアームローテーションの量が圧倒的に大きいからです。
大きなアームローテーションとフェースターンによって、「 ゆるゆる 」でも「 当たり負け 」しないインパクトが出来上がります。
たとえば写真①と写真③の手元の角度を比較すると、友人の場合はアームローテーションが10度くらいしか行われていないことが分かります。
そしてこの手元が動く角度が少ないことは、アマチュアゴルファーの標準的なアームローテーションの動き方なのです。
プロの場合は皆が、子供のころから「 当たり負け 」をしないように、本能的にアームローテーションが大きい動き方が身についています。
ところが大人になってからゴルフを始めて、週1回程度しか練習しないアマチュアゴルファーは、そんな大きなアームローテーションを身につけることは困難であり、そして現在のゴルフクラブにはそれほど必要としない動き方なのです。
これがゴルフ理論の真実であり、それを知らずして『 ゆるゆるグリップ 』だけを取り入れても、上手くいくはずがありません。
ゴルフだけでなく、道具を使う他のスポーツでも、「 ガチガチ 」ではなく適度に道具を握ることが基本なのですが、それは初心者からレベルアップと共に、徐々に絶妙な握り具合を身につけていくという考え方であり、その方が確実にレベルアップに繋がっていくものです。
ゴルフの場合は、あまりにも『 ゆるゆるグリップ 』を強調しすぎているので、それが原因で上達の妨げになっている人がとても多いと感じています。
プロとアマチュアの生い立ちの違いによって、ゴルフにはこのような理論のミスマッチが多く生まれています。
その問題点を、これからも解明していきたいと思います。
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Luke (ルーク)
テクニカル分析が得意な元プロスポーツ選手です。 ゴルフ界の常識にとらわれずに、ゴルフをもっと簡単にプレー出来るように研究しています。 詳しいプロフィールはこちら➔ [詳細]
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