2024/11/24
前回の【 パターの距離感の出し方 勘に頼らない新発想の方式を説明します 】では、パッティングの距離感を合わせるための新発想の考え方を説明しました。
続いて今回は、具体的な換算方法を説明します。
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パターの距離感を数値化して導き出す新方式
前回の説明では、今回説明する方式を分かりやすくするための例として、ベースとなる距離感の数値を「 実際の上りの5歩 」を「 自分なりの4歩 」、「 実際の下りの5歩 」を「 自分なりの2歩 」、「 実際の平坦な5歩 」を「 自分なりの3歩 」と仮定しました。
ここからの説明でも、この数値を基準値の例として説明します。
第3ステップ ➔ 距離に合わせて換算する
換算する基準となる数値が決まったので、あとはラウンド中の「 実際の距離 」に対して、「 自分なりの距離 」を計算するだけです。
例えば「 実際の上りの15歩 」のパッティングの場合、数値の基準とする「 実際の上りの5歩 」の距離に対しては15÷5=3なので、基準値の5歩に対して3倍の距離ということになります。
基準値の距離感の数値は、「 実際の上りの5歩 」は「 自分なりの4歩 」なので、3倍×4歩=12歩になります。
…ということは、「 実際の上りの15歩 」に対しては「 自分なりの12歩 」の距離感で打てばOKということになりますね。
同様に考えて「 実際の下りの28歩 」なら、基準値に対しては28÷5=5.6倍の距離となり、基準値の距離感は「 実際の下りの5歩 」が「 自分なりの2歩 」なので、5.6倍×2歩=11.2歩になりますが、そこはアバウトに11歩として、「 実際の下りの28歩 」を「自分なりの11歩」で打てばOK。
次の例は複合の傾斜で、「 実際の上りの5歩の後に実際の下りの10歩 」という複合の難しい傾斜の場合も、同様の計算で距離感を算出します。
まず「 実際の上りの5歩 」の距離感は、「 自分なりの4歩 」になりますね。
そこにプラスして「 実際の下りの10歩 」は、「 実際の下りの5歩 」の10÷5=2倍の距離、そして「 実際の下りの5歩 」の距離感は「 自分なりの2歩 」なので、2×2=4、つまり「自分なりの4歩」。
そこで合計した距離感は、4+4=8になり、換算を合計した「 自分なりの8歩 」で打てば、上りの後に下りになる複合傾斜でも、不思議なほどに距離感を合わせることができるのです。
第4ステップ ➔ 芝目の対応
平野部にあるゴルフコースの芝目はそれほど気にならないかもしれませんが、山間部にあるコースの芝目はかなりの影響力があります。
ホームコースなら芝目の方向は分かっていると思いますが、経験の少ないコースでは、パッティング練習の前に大まかな芝目の方向を確認しておきましょう。
その上で、芝目に合わせた距離感を数値化します。
その芝目の影響を第2ステップで算出した基準値を基にして例えると、
▼ 芝目の方向 | ▼ 5歩に対する自分なりの距離感 |
順目の上り ➔ | 3.5歩 |
逆目の上り ➔ | 4.5歩 |
順目の下り ➔ | 1.5歩 |
逆目の下り ➔ | 2.5歩 |
順目の平坦 ➔ | 2.5歩 |
逆目の平坦 ➔ | 3.5歩 |
芝目の影響による距離感を測定すると、このような数値になります。
勿論、芝目の強弱によって数値は変わりますが、おおよその傾向は同じです。
しかし実際のラウンドでは、これだけの数値を覚えて換算することは大変です。
そこでラウンドに向かう時は、一番強いタッチが必要になる「 逆目の上りの4.5歩 」と、一番弱いタッチとなる「 順目の下りの1.5歩 」だけ覚えて下さい。
あとは4.5歩と1.5歩の間にそれぞれの傾斜と芝目の数値が入っているので、その状況に応じて比較的簡単に各数値を思い出せるでしょう。
このやり方とコツに慣れてくると、スタート前に時間が無い時は、「 逆目の上りの自分なりの距離 」と「 順目の下りの自分なりの距離 」の2つの数値だけを練習で確認すれば、その他の状況は2つの距離感の数値の間にあるので、「 順目の上りはこれくらい 」とか「 逆目の平坦はこれくらい 」と適当に数値を当てはめることが出来るようになります。
あとはその当てはめた数値を、ラウンド中のグリーンの状態に応じて微調整していけばOK。
それでは復習を兼ねて、芝目も考慮した換算法の計算方法を考えてみましょう。
「 実際の順目の下り20歩 」なら、基準値5歩に対しての距離は20÷5=4倍になります。
「 順目の下りの5歩 」は「 自分なりの1.5歩 」なので、4倍×1.5歩=6歩となり、その結果「 自分なりの6歩 」の強さでストロークすれば、しっかりと20歩分転がってくれるはずです。
この「 実際の順目の下り20歩 」が「 自分なりの6歩 」のタッチになるという事実は、とても大きな違いですね。
この大きなタッチの違いをはっきりし認識しない一般的な距離感の合わせ方では、「 実際の順目の下り20歩 」という事実だけは分かっていても、「 下りで順目だから…これくらいかな? 」と勘を働かせてタッチを探ることになります。
ところが、もしそのタッチが強すぎてカップを5歩もオーバーしてしまうと、返しのパットが「 逆目の上り 」だと分かっていても、ついつい打ちきれずにショートするパターンが多くなります。
ラウンド中にこんなことを繰り返すと、結局正確なタッチがつかめないまま1ラウンドが終わることになるでしょう。
その点で今回説明している「 パッティング換算法 」なら、常に「 実際の距離 」に対して「 自分なりの距離 」を把握してあるので、ラウンド中にどんどん換算する数値の精度を上げることが出来るのです。
応用編
次にこの「 実際の順目の下り20歩 」に対して応用パターンを考えてみます。
この場合は先に説明した計算方法では「 自分なりの6歩 」になりますが、例えば2段グリーンの場合で、途中で1段下るようなケースでは、段を下る時にボールが加速する分を考慮して、その加速分を2歩分として差し引いて、「 自分なりの4歩 」に調整します。
また同様に「 実際の順目の下り20歩 」だとしても、ボールがグリーンエッジにあり、グリーンに乗るまでが2歩の場合、先に計算した「 自分なりの6歩 」に対して、グリーンエッジでボールの転がりが食われる分を1歩と考慮して、1歩分多い「 自分なりの7歩 」として調整します。
まとめ
パッティングの距離感の新発想理論
である「 パッティング換算法 」、いかがだったでしょうか?
この説明の仕方では、1回読んだだけでは完璧に理解するのは難しいと思います。
理解しても慣れるまでは、考え方も計算方法も面倒だと思われるでしょうが、意外にすぐに慣れることができるし、不思議なくらい距離感が安定するので、確実にプレー中のストレスを軽減します。
そしてこの方法に慣れてくると、練習グリーンとコースのグリーンの速さの違いや、傾斜の大小の微妙な違いもすぐに微調整して換算出来るようになります。
例えば「 逆目が強いこのグリーンで、大きな段を1段上りきった直後にあるピンまでの15歩を、どれくらい強く打てばよいのか? 」。
または「 この順目が強い下りの7歩、もしオーバーしたらグリーンを外れそうで手が動かない 」といったシビアな場面こそ、見た目の感覚に惑わされずに、換算ではじき出した「 その日の自分の距離感 」を信じて打てばよいのです。
ゴルファーの中には、順目でも逆目でも、上りでも下りでも、その日のグリーンの状況に対して、すぐにタッチを合わせられる素晴らしい勘の持ち主も存在します。
しかし多くの人は、「 手探り 」状態の中でタッチを合わせることに苦労しています。
まさにその状態は、見た目の状況に惑わされて、本来の自分のタッチを見失っているだけです。
そんな人こそ、この「 パッティング換算法 」がお役に立つことでしょう。
この「パッティング換算法」、もしトライしてみたもののどうしても馴染めない人もいるでしょう。
しかしそうであっても、この方法を一度試してみて考え方を理解することで、例えば今までは「順目の下り」に必要以上に怯えていたり、「逆目の上り」がどうしても打ちきれないような症状が、なんとなく感覚で理解できるようになり、かなり症状を改善できるようになるでしょう。
今回は、見た目の感覚に惑わされずに、その日の自分が持っている距離感を生かして、カップまでの距離を自信を持って攻めるこの方式を説明しました。
難しいと思わずに是非試してみて下さい。
それでもなおパッティングがうまくいかない場合は、【 魔法のパターグリップの握り方 驚くほどスムーズにヘッドが動く 】をもう一度確認してもらい、スムーズなストロークを身につけて下さい。