2021/02/07
今回は最も簡単なアプローチショットの打ち方を紹介します。
これまでにも何度か説明している打ち方なのですが、その打ち方にたどり着いた経緯と、その要点をもっと分かりやすくお伝えします。
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プロに負けないくらいにピンに寄せられる打ち方!
簡単なアプローチショットの打ち方をつかめれば、面白いようにピンに寄せることができて、スコアメイクがとても楽になります。
いろんなライからでも安定してピンに寄せることができる打ち方があるので、是非マスターして、アプローチの達人を目指して下さい。
アプローチの達人に変身した友人の打ち方の極意
● 一番簡単な打ち方は『 ハンドジャストの減速打法 』
僕がゴルフのアドバイスしている友人の女性の中に、プロよりもうまいかもしれないアプローチショットの達人がいます。
その打ち方を名づければ、『 ハンドジャストの減速打法 』
その名の通り、ダウンスイングで減速するようにクラブヘッドをコントロールして、アドレスの中央でシャフトが垂直になるようにインパクトする打ち方。
現在は世界のトップクラスも多用している打ち方なのですが、彼女はこの打ち方のみを活用して「 寄せワン 」を取りまくり、ベストスコア79で、年間アベレージが86という安定したプレーを続けています。
初めてのコースでも、悪コンデイションの中でも、安定して80台でラウンドを続けられる秘訣は、とにかくアプローチショットがうまいこと。
パワーがあるわけではないので、パーオンは少ないのに、ハーフで「 寄せワン 」5回は当たり前、というくらいに寄せまくり、楽々とパーをキープしていきます。
この友人のゴルフライフは、練習は多くても週一回程度、ラウンドは年間30回程度。
それなのに、プロ並みのアプローチショットの成功率を誇っているのは、どんなライからでも『 ハンドジャストの減速打法 』に打ち方を絞っていることと、パーオンが少ないので、ラウンド中に打つ機会が多いことも上達の要因になっています。
● 偶然から生まれた『 ハンドジャストの減速打法 』
この打ち方に気づいたのは偶然の産物でした。
この友人がまだ100を切るのに苦労していた頃、グリーン周りの深いラフからのアプローチショットを打ったところ、たまたまボールが「 フワリ 」と高く上がってから「 ポトリ 」とピンの脇に止まったのです。
ラフからはスピンが効きづらいのでランが多い、というゴルフの常識からかけ離れた現象。
その当時の友人のボールはスピン系ではない飛び系の軽いボールで、クラブは僕の奥さんから譲り受けた使い古されたアイアンセットのアプローチウェッジ。
それなのになぜ、あんなにも止まるボールが打てたのか?
そこで気づいたのが、深いラフの影響です。
非力な友人は深いラフに負けて、結果的に減速するようなインパクトになっていたようなのです。
それ以前からもハンドファーストにはならないように、ハンドジャストでインパクトするようにアドバイスしていたスイングに対して、たまたまラフに負けてクラブヘッドが減速したことで、偶然に『 ハンドジャストの減速打法 』が出来上がっていたわけです。
その時のボールの止まり方があまりにも不思議に思ったので、試しに僕の奥さんにも同じ状況で打ってもらうと、その当時の僕の奥さんは、ゴルフ界の定説に従ってラフに負けないようにクラブヘッドを加速させて打っていたので、ボールはもっと高く上がったものの、ランが多くてピンをオーバーしていきました。
ボールはスピン系で、専用のウェッジを使っていたにもかかわらず…。
つまり、ボールを止めるためには、必ずしもスピン量に依存する必要はなかったのです。
クラブヘッドを加速させるのでなく、逆に減速させると、別の世界があることに気づきました。
● 達人への道
その時の友人は、自分が打ったボールがなぜあんなにも「ピタッ」と止まったのかは分からない状態でした。
しかしその感触は覚えていたので、その後の練習やラウンドで、深いラフがなくても同じようなボールを打てるように研究した結果、しっかりとマスターしてアプローチショットの達人へと変身しました。
ラフに負けて減速する動きに似せるために、大きめのバックスイングから、小さなフォローになるように意識して、自然な減速感がでるようにスイングの振り幅と振り方を変更。
フェアウェイの芝の薄いライからでもうまく打てるように、ソールの滑り感が友人にマッチするウェッジを探して、タイトリスト TVDの56°に変更し、シャフトは減速感を出しやすくするために、友人にはあえて「 重すぎる 」90g台の島田ゴルフのK`s 7001のフレックスRにリシャフトしました。
このセッティングがバッチリとはまり、現在も溝がすり減ったそのウェッジで、更にアプローチショットの腕前を磨き上げています。
● 世界も簡単な打ち方に気づいた!
偶然に発見した『 ハンドジャストの減速打法 』
気づけば世界のトップクラスも、似たような打ち方を多用するようになってきました。
日本ではいまだに主流になっている、オープンスタンスから、クラブヘッドを加速させて、鋭角的にインパクトして、「 キュキュッ 」とボールを止める打ち方は、世界のトップクラスでは見る機会が激減しています。
フェース面を真上に向けるように開いて、クラブヘッドを加速させるロブショットもあまり使っていません。
『 ハンドジャストの減速打法 』ならば、ボールの勢いを抑えて、柔らかい球質でボールを思い通りに止められることに気づいてきたのです。
クラブヘッドを加速させる打ち方は、スピン量が増えますが、たとえフェース面を開いてもボールの勢いは強くなるので、少しのミスが命とりに…。
加速させていると、見た目の距離感よりも強く振っていることに対する防衛本能が働くので、「 ゆるむ 」というプロが恐れるミスが起こりやすくなります。
その点で『 ハンドジャストの減速打法 』ならば、見た目の距離感通りにクラブヘッドを減速させてコントロールするので、「 ゆるむ 」というミスが起こりづらいのです。
そして、試してもらえば分かりますが、加速させるよりも、減速させたほうが、どんなライでもソールの滑り方が滑らかで、芝の抵抗感も少なくなります。
● 成功の秘訣は「インから入れる」
どんなライからも簡単に打てる万能な打ち方ですが、成功の秘訣は「 クラブヘッドをインから入れる 」ことです。
その意識をしっかりと持つことがとても重要だったのです。
プロでもよく目にしますが、緊張する場面では自分の意志よりも腰が早く開いてしまう場合が多く、そんな時は、自分ではインからクラブヘッドを入れているつもりでも、実際はイメージよりも外側から入ってしまうものです。
外側から入ると、ボールに対して鋭角的になりやすく、ミスが起こりやすくなります。
そして今回の写真のような急傾斜では、アウトからの軌道になっていると、どんなに緩い角度で滑るようにクラブヘッドを入れたとしても、フェース面にボールが乗らずに、「下を潜る」現象が起きるようになります。
ところが、しっかりとインからクラブヘッドを入れてみると、フェース面で包み込むようにボールを柔らかくとらえることができます。
したがって、平たんなライからは勿論ですが、どんなに急な左下がりの傾斜でも、ゴルフ界の定説に逆らって、クラブヘッドをしっかりとインから入れて下さい。
あまりにも急傾斜だと、インからクラブヘッドを入れるスペース作りが難しくなりますが、そんな時は傾斜に応じてボールの位置を右側に移して、その分少しだけハンドファーストになるようなセットアップになります。
● 松山英樹選手のスーパーショットも実現可能!
たとえば先日行われたマスターズで、松山英樹選手がクリーク越えの急激な左下がりのラフから、見事にピンに寄せたスーパーショットがありましたが、その時もしっかりとインからクラブヘッドが入っていました。
まさにあのイメージで打つことができるのが『 ハンドジャストの減速打法 』なのです。
● 写真で確認しましょう
➀トップ
大きめのバックスイングから、ダウンスイングではインから入れる。
腰が流れて開かないように、下半身をしっかりとコントロール。
②インパクト
ハンドジャストで減速しながらインパクトすると、ボールは「フワリ」と上がる。
③フォロー
低いフォローに合わせるように、クラブヘッドを減速させる。
今回のまとめ
どんなライからのアプローチショットでも、それこそバンカーショットでも有効な『 ハンドジャストの減速打法 』
基本的にはこのブログの定番でもある、ボールの位置はセンターで、大きなスイング軌道を意識して、緩やかな入射角で、ソールを滑らすように、イン側からクラブヘッドが下りて行けば、『 ハンドジャストの減速打法 』はすぐにマスターできるはず。
イメージ通りの「 フワリ 」としたボールで、どんどんピンに寄せていきましょう!
なお、ランニングアプローチが必要な場合は、もちろん『 ユーコロ 』をお勧めします。