今回は難しいアプローチショットをもっと簡単にする打ち方を紹介します。
これまでにも何度か説明している打ち方なのですが、その打ち方にたどりついた経緯と、その打ち方の要点をもっと分かりやすくお伝えします。
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プロに負けないくらいにピンに寄せられる打ち方!
簡単なアプローチショットの打ち方をつかめれば、面白いようにピンに寄せることができて、スコアメイクがとても楽になります。
いろんなライからでも安定してピンに寄せることができる打ち方なので、是非マスターして、アプローチの達人を目指して下さい。
アプローチの達人に変身した友人の打ち方の極意
● 一番簡単な打ち方は『 ハンドジャストの減速打法 』
僕がゴルフのアドバイスしている友人の女性の中に、プロよりもうまいかもしれないアプローチショットの達人がいます。
その打ち方を名づければ、『 ハンドジャストの減速打法 』
その名の通り、ダウンスイングで減速するようにクラブヘッドをコントロールして、スタンスの中央でシャフトが垂直になるようにインパクトする打ち方。
現在は世界のトップクラスも多用している打ち方なのですが、彼女はこの打ち方のみを活用して「 寄せワン 」を取りまくり、ベストスコア78で、年間アベレージが86という安定したプレーを続けています。
初めてのコースでも、悪コンデイションの中でも、安定して80台でラウンドを続けられる秘訣は、とにかくアプローチショットがうまいこと。
パワーがあるわけではないので、距離が届かずにパーオンが少ないかわりに、ハーフで「 寄せワン 」5回は当たり前、というくらいに寄せまくり、楽々とパーをキープしていきます。
この友人のゴルフライフは、練習は多くても週一回程度、ラウンドは年間30回程度。
それなのに、プロ並みのアプローチショットの成功率を誇っているのは、どんなライからでも『 ハンドジャストの減速打法 』に打ち方を絞っていることと、パーオンが少ないので必然的にアプローチショットの機会が多く、それが実戦練習になっていることも上達の要因になっています。
● 偶然から生まれた『 ハンドジャストの減速打法 』
この打ち方に気づいたのは偶然の産物でした。
この友人がまだ100を切るのに苦労していた頃、グリーン周りの深いラフからのアプローチショットを打ったところ、なぜかたまたまボールが「 フワリ 」と高く上がって、「 ポトリ 」とピンの脇に止まったのです。
ラフからはスピンが効かないのでランが多い、というゴルフの常識からかけ離れた現象。
その当時の友人のボールはスピン系ではない飛び系のボールで、クラブは僕の奥さんから譲り受けた使い古されたアイアンセットのアプローチウェッジ。
それなのになぜ、あんなにも止まるボールが打てたのか?
そこで気づいたのが、深いラフの影響です。
非力な友人は深いラフに負けて、結果的に減速するようなインパクトになっていたようなのです。
それ以前からも、ハンドファーストにはならないように、ハンドジャストでインパクトするようにアドバイスしていましたが、たまたまラフに負けてクラブヘッドが減速したことで、偶然に『 ハンドジャストの減速打法 』が出来上がっていたわけです。
その時のボールの止まり方があまりにも不思議に思ったので、試しに僕の奥さんにも同じ状況で打ってもらうと、その当時の僕の奥さんは、ゴルフ界の定説通りに、ラフに負けないようにクラブヘッドを加速させて打っていたので、ボールはもっと高く上がったものの、ランが多くてピンをオーバーしていきました。
ボールはスピン系で、スピン性能の高いウェッジを使っていたにもかかわらず…。
つまり、ボールを止めるためには、必ずしもスピン量に依存する必要はなかったのです。
クラブヘッドを加速させるのでなく、逆に減速させてみると、全く別の世界があることに気づきました。
● 達人への道
その時の友人には、自分が打ったボールがなぜあんなにも「 ピタッ 」と止まったのかは、もちろんその理由は分かりません。
しかしその感触は覚えていたので、その後の練習やラウンドで、深いラフがなくても同じようなボールを打てるように研究を重ねた結果、しっかりとマスターしてアプローチショットの達人へと進化していきました。
ラフに負けて減速する動きに似せるために、大きめのバックスイングから、小さなフォローになるように意識して、自然な減速感を作り出せるようにスイングの振り幅と振り方を変更。
フェアウェイの芝の薄いライからでもうまく打てるように、ソールの滑る感覚が友人にマッチするウェッジを探して、タイトリスト TVDの56°に変更し、シャフトは減速感を出しやすくするために、非力な友人にはあえて「 重すぎる 」90g台の島田ゴルフのK`s 7001のフレックスRにリシャフトしました。
このセッティングがバッチリとはまり、現在も溝がすり減ったそのウェッジで、更にアプローチショットの腕前を磨き上げています。
● 世界も簡単な打ち方に気づいた!
偶然に発見した『 ハンドジャストの減速打法 』
気づけば世界のトップクラスも、似たような打ち方を多用するようになってきました。
日本ではいまだに主流になっている、オープンスタンスから、クラブヘッドを加速させて、鋭角的にインパクトして、「 キュキュッ 」とボールを止める打ち方は、もはや世界のトップクラスでは見る機会が激減しています。
フェース面が真上に向くくらいに大きく開いて、クラブヘッドを加速させるロブショットも、世界のトップクラスはあまり使っていません。
『 ハンドジャストの減速打法 』ならば、ボールの勢いを抑えて、柔らかい球質でボールを思い通りに止められることに気づいてきたのでしょう。
クラブヘッドを加速させる打ち方は、スピン量が増えますが、たとえフェース面を開いてもボールの勢いは強くなるので、少しのミスが命とりに…。
加速させることは、自分が感じている見た目の距離感よりも強く振ることになり、緊張する場面ではその違和感に対する防衛本能が働くので、「 ゆるむ 」というミスが起こりやすくなるのです。
その点で『 ハンドジャストの減速打法 』ならば、見た目の距離感通りにクラブヘッドを減速させてコントロールするので、「 ゆるむ 」というミスが起こりづらくなります。
そして試してもらえば分かりますが、加速させるよりも、減速させたほうが、どんなライからでもソールの滑り方が滑らかで、芝の抵抗感も少なくなります。
● 成功の秘訣は「 インから入れる 」
どんなライからも簡単に打つ秘訣は、「 クラブヘッドをイン側から入れる 」ことです。
その意識をしっかりと持つことがとても重要だったのです。
プロの試合でもよく目にしますが、緊張する場面では自分の意志よりも腰が早く開いてしまい、自分ではイン側からクラブヘッドを入れているつもりでも、実際には自分のイメージよりも外側から入っています。
外側からクラブヘッドが入ると、ボールに対して鋭角的になりやすく、必然的にミスが起こりやすくなります。
そして今回の写真のような30°くらいの急な左足下がりでは、アウトからカット軌道で打とうとしても、フェース面にボールがうまく乗らずに、「 クラブヘッドがボールの下を潜る 」現象が起きやすくなります。
ところが、しっかりとイン側からクラブヘッドを入れてみると、フェース面で包み込むようにボールを柔らかくとらえることが可能になります。
したがって、急な左足下がりの傾斜ほど、ゴルフ界の定説に逆らって、クラブヘッドをしっかりとイン側から入れることを心掛けてみましょう。
その場合のスタンスの向きは、もちろんクローズドです。
あまりにも急傾斜の場合は、傾斜に応じてボールの位置を右側に移して、もっとダウンスイング中の右の懐を使えるセットアップを作ればOKです。
● 松山英樹選手のスーパーショットも実現可能!
たとえば2020年マスターズで、松山英樹選手がグリーン周りでクリーク越えの急激な左足下がりのラフから、見事にピンに寄せたスーパーショットがありましたが、その時もしっかりとイン側からクラブヘッドが入っていました。
まさにあのイメージで打つことができるのが『 ハンドジャストの減速打法 』なのです。
● 写真で確認しましょう
➀トップ
大きめのバックスイングから、ダウンスイングではイン側から入れる意識を持つ。
スタンスの向きは、急傾斜の中で安定して立てることが前提ですが、クローズドスタンスです。
腰が流れて開かないように、下半身をしっかりとコントロールします。
②インパクト
ハンドジャストで減速しながら、ボールの前後の芝を「ザザ~」と滑らすようにインパクトすると、ボールは「 フワリ 」と上がる。
③フォロー
フォローを低めの位置に収めるように、クラブヘッドをうまく減速させる。
今回のまとめ
どんなライからのアプローチショットでも、それこそバンカーショットでも有効な『 ハンドジャストの減速打法 』
このブログの定番でもある基本項目として、ボールの位置はセンターで、大きなスイング軌道を意識して、緩やかな入射角で、ソールを滑らすように、イン側からクラブヘッドが下りて行けば、『 ハンドジャストの減速打法 』はすぐにマスターできるはず。
イメージ通りの「 フワリ 」としたボールで、どんどんピンに寄せていきましょう!
なおグリーンエッジまでの距離が近い場合はランニングアプローチも選択肢に入りますが、その場合はもちろん『 ユーコロ 』をお勧めしますよ。
【 失敗しないランニングアプローチの方法! 】を参照して下さい。