今回は、友人用に製作した大型ヘッドの短尺ドライバーを紹介します。
【 短尺ドライバー 】の中でこれまでに数々の短尺ドライバーを紹介してきましたが、小型ヘッドが多かった中で、珍しく大型ヘッドで製作してみました。
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大型ヘッドの短尺ドライバーが目指したものとは!?
今回のドライバーは、【 初心者レベルから5ヶ月で95を達成!! 】で紹介した友人用に製作したものです。
この友人は【 最新ドライバーを打ちやすくセッティングしてみました! 】で紹介したピンのG425 MAXドライバーを使って100切りを達成しましたが、次なる目標の90切りに向けては、ドライバーショットの安定化が急務でした。
パワーがあるものの、それでいてまだまだスイングが安定しいないこともあり、コースでのドライバーショットは大暴れの状態です。
…かと言って、そんな発展途上の彼に合うドライバーを探し出すことはなかなか大変な作業なので、それならば現在の彼の特徴に合うようなドライバーを、我が家の手持ちのドライバーヘッドとシャフトの中から組み合わせて製作することにしたのです。
そのクラブが、ジャスティック プロシード ツアーコンクェスト455R Ⅷ プレミアム という長い名前のドライバーヘッドと、ディアマナ S73を組み合わせた、大型ヘッドの短尺ドライバーなのです。
ジャスティック プロシード ツアーコンクェスト 455R Ⅷ プレミアムのスペック
■ ヘッドデータ
ヘッド体積 : 451cc
ヘッド重量 : 197g
ロフト角 : 9.5° ( リアルロフト10.4° )
■ シャフトデータ
シャフト : ディアマナ S73
シャフト長さ : 44.25インチ
フレックス : S
シャフト重量 : 69g ( シャフトカット前 )
トルク : 3.0
● クラブデータ
総重量 : 320g ( 鉛調整後 )
ヘッドバランス : D0
グリップ : ゴルフプライド ツアーべルベット・ラバー M60 50g
● 製作目的
友人がそれまでに使用していたピン G425 MAXは、軽すぎる、長すぎる、超大型ヘッドのドライバーでした。
不安定なスイングで、パワーに任せて振り回しているので、コース上では思うような制御が効きません。
なんと5452g・cm²という巨大すぎる慣性モーメントは、逆にスイング中の修正が効かなくなるので、不安定なスイングのゴルファーにはメリットどころかデメリットにしかならないのです。
そこで考えた作戦が…
➡ まだゴルフ歴が浅い友人でも安心感が得られるような大型ヘッド
➡ それでいてスイング中に修正が効くような慣性モーメントが大きすぎないもの
➡ むやみに振り回さないように、しっかりと重量感がありながら、硬すぎないシャフト
➡ スイングしやすくて、スイングの改善を進めやすい短尺シャフト。
このようなプランで検討し、我が家の手持ちの中から組み合わせて用意したものが今回のドライバーです。
● このスペックの理由
ドライバーヘッドの特徴は、451ccの大型でありながら、慣性モーメントは4094g・cm²という、操作性が期待できる適度な数値。
このドライバーヘッドは、【 超小型ヘッドの短尺ドライバーを試してみました! 】で使用したクロカゲ XD 60のシャフトを手に入れるために、中古で購入した時に装着されていたヘッドですが、以前から飛距離性能の高い「 地クラブ 」として興味がありました。
購入時の中古クラブは長尺だったのですが、購入してから少し短尺化してみたものの、僕の奥さんにはシャフトとヘッドの特性が合わなかったので、このヘッドは今後に別のシャフトと組み合わせることを考えていました。
そこで今回、友人用にマッチしそうだったので出番が来たわけです。
このシャフトは、【 『重・短・小ドライバー』をコースで試してみました! その4 】で使用していたシャフトで、【 理想のドライバーまであと一歩に迫る! 】で紹介したように、その後にそのエスヤード T.388はスピーダー 569 エボリューション Ⅳにシャフト変更したために、別のヘッドとの組み合わせを待っている状態でした。
このシャフトなら、友人のパワーでも軽すぎず、それでいて撓り戻りを感じやすい特性なので、コントロール性を高めるには最適だと思いました。
このヘッドとシャフトを、いつも作業をお願いしている別の友人に、シャフトを継ぎ足しで0.5インチ長く、シャフトの先端に2gの重りを装着、という特別なリクエストをして組み上げてもらいました。
その理由は、友人が今まで使用していたピンのG425 MAXはヘッドバランスがD3もあったので、短尺ドライバーに慣れていないこともあり、ヘッドバランスが軽すぎないように、せめてD0に近づけたかったからです。
それでも予想よりもヘッドバランスが出なかったので、写真のように鉛の調整も各所に加えてあります。
もちろんこの鉛の位置は、友人が振りやすいと感じて、スイングが安定する位置になっています。
こうして出来上がったこのドライバーに名づけるならば、重くて、短くて、大型ヘッドなので、『 重・短・大ドライバー 』になるでしょう。
● インプレッション
このドライバーが完成してから、慣れる間もないタイミングで、友人のラウンドに同行して確認しましたが、バッチリとこちらのイメージ通りに仕上がっていました。
操作性のよい大型ヘッドの短尺ドライバーは、実際のコースでもよい効果を発揮していたのです。
隣のホールにまで行くような大曲りやOBは減少し、多少失敗しても230ヤードをキープしながら、一発決まれば平たんなホールでも260ヤードのナイスショットも達成。
本人が慣れて、スイングがもう少し安定すれば、もっと高い性能を発揮できるはずです。
今回のまとめ
この友人同様に、ゴルフ歴の浅い多くのゴルファーにも当てはまりますが、どうしてもダウンスイング中にクラブをボールに合わせる微妙な操作が無意識に入ってしまうものなのです。
ところが感性モーメントが大きすぎると、その無意識な操作が効かなくなるので、スイングを途中で修正できずに、ボールは逆に大きく曲がってしまうことになります。
プロのようにスイングの完成度が高く安定していれば、そのようなスイング中の操作は不要なので、大きな慣性モーメントの恩恵を受けられるかもしれませんが、ところがそんなプロであっても、結局はプレッシャーやコースからの視覚的要素に負けてスイングが乱れる時は、やっぱり慣性モーメントの大きさが邪魔をしてしまうことになります。
つまり結局のところ、プロであれ、アマチュアであれ、実用的な慣性モーメントは4000~4500g・cm²もあれば十分であり、どんなに大きくても5000g・cm²以上は必要ないと思います。
もし自分のドライバーの慣性モーメントが5000g・cm²以上と大きい数値なのに、コースでは曲がって困っている人は、発想を変えて逆に慣性モーメントを減らしてみてはいかがでしょうか?
自分がいかにスイング中のコントロールを必要としていのかが分かると思います。
そしてそんな時に役立つのが、【 あの「 重心ハンドブック 」が復活しました! 】でも紹介している「 重心ハンドブック 」です。
今回の慣性モーメントについての問題は、【 『慣性モーメント』が大きいと曲がらない!? 】でも説明しているので、合わせてご覧ください。