「 キレのあるアイアンショット 」を打つために、【 その1 】【 その2 】【 その3 】と一歩ずつ手順を踏んで進んできました。
今回はいよいよ最後の仕上げに入ります。
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キレキレのアイアンショットを打つための仕上げとは!?
次のステップはこの項目です。
⑤ キレキレのアイアンショットの一歩手前の打ち方をマスターする
「 キレのあるアイアンショット 」の打ち方について、どのようなイメージを持っていますか?
プロゴルファーのようにダウン軌道で下りてきたクラブヘッドが、芝に触れずにボールをとらえて、その後にボールの先にあるターフを取る。
このようなイメージを持っている人が多いと思います。
しかしそのようなボールの打ち方は、プロゴルファーが好んで使っているマッスルバックのアイアンに適している打ち方なので、そのイメージは少し変える必要があります。
◆ クラブの特性に合った打ち方が必要
マッスルバックのアイアンのヘッドは重心位置が高いので、多少上から打ち込むようなスイング軌道のほうが「 芯に当たる 」確率が高くなるでしょう。
しかしアマチュアゴルファーの多くが使っているポケットキャビティのアイアンのヘッドは、重心位置が非常に低いので、上から打ち込んでしまうと芯よりも上に当たることになります。
そこでポケットキャビティのアイアンの場合は、出来るだけ緩い入射角でボールをとらえる必要があるのです。
ソールの幅も広く設定されているので、その点でも上から打ち込むよりは、緩い入射角のほうがソールの幅を有効に使うことが出来ます。
※ キーポイント ➔ ソールの幅を利用することで、クラブの特徴を生かすことが出来る。
★ クラブヘッドの入れ方の注意点 ★
アイアンショットの場合は、プロゴルファーがターフをぶ厚く取っているイメージが強いので、クラブヘッドをリーディングエッジから芝に入れる感覚を持っている人が多いと思います。
しかしポケットキャビティのアイアンは、ソールの面を芝に擦るような感覚のほうが適しています。
◆ 勘違いを修正する
アマチュアゴルファーなら誰もが経験したことがある激しいダフり。
クラブヘッドが地面に突っかかって振り抜けないようなダフりかたです。
このようなケースは、リーディングエッジが地面に刺さった、と思っているかもしれませんが、実はほとんどの場合がトレーリングエッジ、つまりソールの後ろ角が引っかかっています。
本人はダフりたくないので、ダウンブローを意識して、リーディングエッジからボールに入れているつもりなのに、実はボールの手前の段階でトレーリングエッジが地面に引っかかっているのです。
リーディングエッジから地面に刺さるようなダフりは、非常に稀なケースだと思って下さい。
そしてこのトレーリングエッジが引っかかってダフる、という状態は
【 その1 】で説明した、クラブヘッドの軌道がボールの手前ですくい上がっている。
【 その2 】で説明した、身体の起き上がるタイミングが早い。
【 その3 】で説明した、インパクト直前の手元の急激な操作。
これらの要因から作り出されています。
ボールに対して上からクリーンに入れようとすると、クラブヘッドの軌道がU字型またはV字型になりやすくなります。
そしてそのU字型やV字型の軌道自体も、ボールの手前からすくい上がる軌道になっているので、フェース面が上を向いた状態でダフることになり、トレーリングエッジが引っかかっているのです。
※ キーポイント ➔ 引っかかるのはリーディングエッジではなく、トレーリングエッジだということを認識しましょう。
◆ ソールジャストでボールをとらえる
それではどのようなイメージでボールをとらえればよいのか?
目指すイメージは、ソールがボールの真下に入った後に、ボールの左側の芝を数センチ滑ってから、クラブヘッドが上昇して行くようなスイング軌道。
そのコツは、フェース面でボールを打つ感覚を消して、ソールをボールの真下に滑り込ませる感覚でボールをとらえることです。
このイメージを「 ソールジャストのインパクト 」と勝手に呼んでいます。
これで目指す打ち方のイメージは決まりました。
次はそのイメージ通りに打てるようになるための、もう一歩ステップを踏んで下さい。
◆ キレキレのアイアンショットの一歩手前の打ち方にトライ
目指すイメージの「 ソールジャストのインパクト 」をすぐにマスターすることが出来れば問題ないのですが、そんなにゴルフは甘くはないので、もうワンステップを踏んで下さい。
その一歩手前の打ち方とは、ボールの手前にソールの面をダフらせること。
えっ!?ダフらないようにここまで手順を踏んできたのに、今度はわざわざダフらせるのか!?…と言われそうですが、それでOKなのです。
ここまで説明してきた手順は、悪いダフりを無くす方法です。
悪いダフりとは、クラブヘッドをリーディングエッジから入れているつもりが、実はトレーリングエッジが地面に引っかかっているダフりかた。
次のステップとなる、ボールの手前にソールの面をダフらせることは、よいダフりかたなのです。
フェアウェイウッドやユーティリティの打ち方でもよく使われている「 ボールの手前からソールを滑らす 」と同じ考え方です。
ポケットキャビティのアイアンの広いソール面を、ボールの真下に入れたいのですが、まずはアバウトに3~5cmくらいダフらせる意識を持って下さい。
そのように意識させたダフりは悪いダフりと違って、不思議なくらいヘッドがよく抜けるはずです。
◆ 悪いダフりからよいダフりへ
ボールの手前にソールの面をダフらせる打ち方。
これで悪いダフりからよいダフりに進化することが出来ます。
ゴルフレッスンの中にはこのような打ち方を用いている例もありますが、その目的はスイング軌道の改善です。
アマチュアゴルファーの場合、ダフらせないようにクリーンにクラブヘッドを入れようとすると、どうしてもU字型やV字型のスイング軌道になってしまいます。
もともとプロゴルファーよりもスイング軌道の回転半径が小さいのに、U字型やV字型になってしまっては、余計にインパクトゾーンが短くなるだけです。
例えばプロゴルファーがU字型の軌道で…と表現していたら、アマチュアゴルファーはもっと大きな円軌道をイメージしないと、同じようなスイング軌道にはなりません。
そこで、大きな回転半径のスイング軌道に改善するように、あえてボールの手前にソールをダフらせるようにイメージしてもらうのです。
リーディングエッジからヘッドを入れるのではなく、ソールの面をボールの手前にダフらせることで、結果的に大きなスイング軌道になり、ボールに対して適切な入射角が身につきます。
⑥ 最後の仕上げで切れ味を磨く
いよいよ最後の仕上げです。
⑤ のステップでよいダフりを身につけられれば、あとは手前にダフらせていたソールの面を、ボールの真下に「 ソールジャスト 」に入れるようにするだけです。
これでリーディングエッジが刺さることもなく、トレーリングエッジが引っ掛かりもせずに、ポケットキャビティのアイアンヘッドは綺麗にキレよく抜けて行くはずです。
※ キーポイント ➔ 自分のアイアンのソール面の形状をよく確認して、いかにそのソールの面を綺麗に滑らせられるのか、を自分で研究して下さい。
◆ キレキレにするもうひと手間
ソールの面をボールの真下に入れられれば、「 キレのあるアイアンショット 」になっているはずですが、「 キレキレ 」にまでもっと進化させるためには、もうひと手間必要です。
その手間とは、インパクトロフトを2~3°くらい立てるイメージを持つことです。
ソールを滑らせながらも、トレーリングエッジの引っかかりを完全に防ぐために、フェース面をもう少し立てるイメージを持って下さい。
アマチュアゴルファーは、どうしてもインパクトでフェース面が寝るように動くので、このフェース面を立てる意識は、最後の仕上げに必要になってきます。
これが出来れば完成です。
◆ ソールの形状に助けてもらう
このソール面を滑らせながら、インパクトロフトを立てる方法。
世の中にはいろんな形状のアイアンがあり、そのクラブの形状に助けてもらう方法もあります。
例えばアマチュアゴルファーから絶大な支持を受け続けているゼクシオのアイアン。
そのソール面の形状と幅が絶妙で、さほど意識しなくてもソール面がうまく滑りながら、インパクトロフトを立ててくれる形状になっています。
だからゼクシオのアイアンはダフりに強く、飛距離性能も高いのです。
練習場のマットの上を「 シュパッ 」と抜けのよい音をさせている人のクラブは、ゼクシオのアイアンが多いのは事実。
実際にはダフっているのに、妙に抜けがよい音がしています。
しかしだからといって、ゼクシオのアイアンを推奨する訳ではありません。
それぞれのクラブには別のよい特徴があるので、今回説明したようなクラブヘッドのコントロールの仕方と打ち方が出来れば、ゼクシオでなくても大丈夫です。
それぞれのクラブのソールの形状を有効に使いましょう。
まとめ
ここまで4回に分けて、「 キレのあるアイアンショット 」を打つための手順とコツを説明してきました。
アマチュアゴルファーの多くが使用しているポケットキャビティのアイアン。
そのアイアンの特徴を生かしながら、「 キレのあるアイアンショット 」を打てなかった理由と、打てるようになる方法を理解して、レベルアップを目指して下さい。
なお、アイアンショットのスイング全体についての考え方は、【 まるでゴルフロボット! 松山英樹選手のスイング解説 その1 】と【 松山英樹選手のスイングをアマチュアゴルファーが目指すためのコツ その1 】を参考にして下さい。
注意して欲しい点は、【 脱・従来のゴルフ理論 】の各記事で説明しています。
是非ご覧ください。