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短尺ドライバーの打ち方とセッティング講座! もっと短尺ドライバーを使いこなすためには!?

このブログでは、【 短尺ドライバー 】の記事の中で、多くの短尺ドライバーを製作し、そのセッティング方法も紹介してきました。

皆さんからの反響も大きいので、そろそろゴルフ業界も変わってくれることを期待していたものの、残念ながら全く変化の兆しがないまま、相変わらず長尺ドライバー一辺倒の道を進み続けています。

それならば、もっと皆さんに短尺ドライバーの魅力を知ってもらい、そして活用してもらえるように、これからも短尺ドライバーに関する情報を提供していきたいと思います。

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短尺ドライバーを使いこなすためのポイントを紹介

先日、このブログの愛読者である遠方の知人から質問が届きました。

「 ブログの記事を参考にして、短尺ドライバーを製作したけれど、今一つ性能を発揮できていないので、アドバイスを… 」とのことでした。

詳細に報告されていたその質問内容が、多くの皆さんにもとても参考になると思ったので、そこで今回は、その質問に対する返答を記事にさせてもらうことにしました。

ちなみに知人は、ゴルフ歴40年のベテランゴルファーで、平均スコア95、ヘッドスピードが37~38m/sだそうです。

 

知人の短尺ドライバー

スリクソンZ725リミテッドのスペック

■ ヘッドデータ

ヘッド体積 : 420cc

ヘッド重量 : 199g

ロフト角 : 10.5°

ライ角 : +2°

 

■ シャフトデータ

シャフト : フジクラ スピーダー SLK  5

シャフトの長さ : 44インチ

フレックス : X

シャフト重量 : 62g

トルク : 5.9

 

■ クラブ重量 : 312g

 

本人のインプレッション

小型ヘッドの短尺ドライバーが強風のラウンドで真価を発揮! 】の記事を参考にしてドライバーヘッドを中古のスリクソン Z725リミテッドを選択し、【 話題の短尺ドライバー専用シャフト 】の記事を参考にしてシャフトをフジクラ スピーダーSLK 5のフレックスXを選択。

この組み合わせは振りやすいけれど、ヘッドが軽く感じ、弾道が低く、飛距離も不十分。

そこで、ヘッドの調整ウェイトを7g×2個を8gと9gに変更し合計で3gアップ。

ヘッドが軽すぎる感覚はなくなり、振りやすくなったものの、弾道の低さと飛距離は変わらず。

 

セッティングアドバイス

このヘッドとシャフトの組み合わせは、僕の奥さん用にも試してみたいほどの、とても魅力的なセッティングですね。

しかし知人には、まだマッチしていない…。

ちなみに、それまでのエースドライバーは、ゼクシオクラフトモデル スピーダー V 569 フレックスRで45.25インチの304g。

このクラブのスペックも魅力的なのですが、知人は長尺に苦手意識があるので、短尺ドライバーを試してみたそうです。

そこで僕の経験から推測しますが、ゼクシオのヘッドバランスはD3~D4で、かなりのヘッドヘビーな仕様になっています。

一方のZ725リミテッドは、ヘッドがゼクシオよりも5g重く、シャフトのスピーダーSLK フレックスXも、スピーダー V 569フレックスRよりも5.5g重いので、シャフトがゼクシオよりも1.25インチ短くなっているとしても、C8~D0くらいの十分なヘッドバランスはあったと思います。

それでもゼクシオと比べればヘッドが軽く感じられるので、ウェイト調整で3g重くした訳ですが、そのヘッドバランスはD0~D2くらいまでになっているはずです。

このように「 短尺ドライバーはヘッドが軽い 」という感覚を持つことと、そしてすぐにヘッドを重くしてしまうことは、短尺ドライバーの初心者には必ず起こる症状です。

僕の奥さんや友人達も同じような感覚を持ち、最初の頃は本人の要求のまま、ヘッドを鉛やウェイト調整でどんどん重くしていきました。

小型ヘッドの短尺ドライバーが強風のラウンドで真価を発揮!で紹介しているスリクソン Z925 の時も、最初は調整用のウェイトを購入して、いろいろと試してみました。

ところが、本人が打ちやすいと感じるくらいにヘッドを重くしてしまうと、ヘッド自体の構造のバランスが崩れるのか、あまり飛距離が伸びなくなるのです。

そこで、ウェイト調整はSTDに戻し、鉛の量もなるべく少な目になるようにして、ヘッドを再調整したところ、どの短尺ドライバーも飛距離性能が上がっていきました。

打つ本人もそのうちに慣れてきて、たとえばC6~D0くらいなら、違和感なくスイングできるようになったのです。

 

したがって…セッティングのアドバイスとしては、【 鉛の貼り方 】を参考にしてもらい、まずはソールに0.3~0.5gの鉛を1か所、ヘッドの重みが感じられて振りやすくなる位置を探します。

本人とヘッドの相性によって、その場所は特定できないので、まずはそれを見つけ出して、それにプラスして、0.3~0.5gをもう1か所貼る程度にしておいたほうがよいと思います。

場合によっては、【 ドライバーの鉛の貼り方に新方式!!】で紹介した『 ルーク貼り 』や、【 ドライバーシャフトの鉛の貼り方に新提案! 】で紹介した『 チップ巻き 』も効果的かも…。

そしてこの段階で鉛を使ったセッティングは一旦妥協して休止し、次は短尺トライバー用の打ち方にトライしてみて下さい。

その後、打ち方を改善してもまだ不十分に感じるならば、ヘッドやシャフトを鉛で再調整してみて下さい。

 

短尺ドライバーの打ち方のアドバイス

短尺ドライバーの潜在能力を引き出すためには、打ち方を少し改善したほうがよいと思います。

長尺ドライバーはシャフトが長い分だけ、ダウンスイングからボールを打つまでの「 間 」ができるので、少しおかしな軌道でも、途中で修正する時間が稼げているのです。

皆さんは自分では意識していなくても、本能によって必ず修正の作業を無意識で行っています。

ところが短尺ドライバーは、シャフトが短い分だけ修正作業の時間が少なくなるので、悪い軌道のごまかしが効かなくなります。

しかし逆に考えれば、ごまかしは効かないけれど、扱いやすい短尺ドライバーのほうが、スイングを改善するのは簡単なので、この機会にスイングを改善してみましょう。

 

短尺ドライバーの打ち方として、取り組んでもらいたい最低限に必要な項目は次の2点。

① ヘッドの回転半径を大きくする

② 必ずアッパー軌道でボールをとらえる

 

① ヘッドの回転半径を大きくする

当然ですが、短尺ドライバーは長尺ドライバーよりもヘッドの回転半径が小さくなるので、それを補うくらいに、従来よりも大きなスイング軌道を意識して下さい。

たとえば1インチ短くしたならば、1インチ分大きなスイング軌道を作る。

もともとアマチュアゴルファーのスイングは、プロよりもかなりヘッド軌道の回転半径が小さいことが問題なので、この機会に改善する意識を持てば、他のクラブにも相乗効果が生まれます。

回転半径を大きくする具体的な方法は、【 スコアアップのツボはこれだった! その2 】で後日に紹介します。

 

② 必ずアッパー軌道でボールをとらえる

ゼクシオZ725リミテッドは同じ10.5°だとしても、リアルロフトはゼクシオのほうが約1°大きいので、Z725リミテッドはその分だけ低弾道になります。

なおかつ、シャフトが短いほど低弾道になりやすいので、ゼクシオと同じ弾道の高さを出すためには、最低でもゼクシオより入射角を2°以上はアッパーにする必要があると思います。

さらに知人のヘッドスピードを考慮すれば、飛距離アップのためにはアッパー軌道が絶対条件なので、この機会に「 今までよりも3°アッパーな入射角 」を目指してみて下さい。

一般的なレッスンでは、アッパーにするためには、ボールの位置を左にすることを勧められますが、そこは我慢して、ボールの位置をセンター付近にセットした状態で、3°アッパー軌道になるように頑張って下さい。

身体が左に流れないようにして、ボールの30cm手前が最下点になるように意識すれば、3°くらいのアッパー軌道になり、どんどん理想的な弾道に変わっていくはずです。

下の写真のようにボールがヘッドの上部にしか当たっていないのなら、それは最下点がボールに近すぎるか、身体が左に流れています。

ショットマーカーを使用して、しっかりとアッパー軌道で、なおかつフェースのセンターに当たるようにスイングを改善できれば、小型ヘッドの短尺ドライバーは、ロースピンの美しい弾道でボールが飛んでいくはずです。

( ちなみに、写真のショットマーカーは、節約のために半分にカットして使用しています。)

 

今回のまとめ

今回の知人のケースは、すでに短尺ドライバーを試している人や、これから試そうと思っている人にも参考になると思います。

短尺ドライバーをうまくセッティングして、打ち方も改善することができれば、飛距離と精度が両立されるドライバーシットが可能になります。

そして副産物として、短尺ドライバーの方がスイング改善の作業が順調に進むので、その改善されたスイングならば、以前よりも長尺ドライバーをうまく打てるようにもなります。

知人の場合は、手持ちの長尺ドライバーも魅力的なスペックなので、その可能性は広がるのではないでしょうか。

最後に、短尺ドライバーの特徴として、忘れてはいけないポイントがあります。

それは「 本番に強い 」、つまり、練習場よりもラウンドのほうが成果が表れる、ということです。

練習場では、たとえ長尺ドライバーに対するアドバンテージを感じなかったとしても、コースで使用してみるとその差は確実に表れることでしょう。

セッティングと打ち方がある程度仕上がってきたら、まずはラウンドで使用してみて下さい。

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