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ゴルフをもっと簡単にするためには!? その4 参考にしたいスインングは意外な人…!

KeithJJ / Pixabay

ゴルフをもっと簡単にする方法と考え方について、【 その1 】~【 その3 】で説明してきました。

もっとその考え方とスイングの全体像のイメージをつかんでもらうために、今回も実例をあげて説明します。

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参考にするのはプロ野球選手の菅野智之選手

その3 】ではタレントの武井壮さんのスイングを例にして、下半身と上半身のスイングの考え方について説明しました。

武井壮さんの場合は、本当は素晴らしい上半身の動きを持ちながら、無駄に大きすぎる下半身の動きに足を引っ張られて、ゴルフが難しくなっていました。

下半身の動き方を変えるだけで、すぐに大幅なレベルアップが可能なタイプだったのです。

今回参考にしたいのは、プロ野球選手の菅野智之選手です。

BSジャパンの正月特番で『 原辰徳VS菅野智之 ~夢のゴルフガチンコ対決~ 』という番組がありました。

元巨人軍監督の原辰徳さんといえば、ベストスコア66を誇るプロ野球界屈指のゴルフの腕前ですが、今回その原辰徳さんよりも注目したのが、菅野智之選手のスイングです。

ベストスコアは69で、その腕前も素晴らしいのですが、そのスイングには目を奪われました。

 

参考にしたい菅野智之選手のスイング解説

 上半身の動き方が抜群

菅野智之選手は投手ですが、さすがはプロ野球選手だけあって「 振る 」ことに関しては、素晴らしい完成度です。

ヘッドスピードはなんと57m/sオーバー!

打ち下ろしではない平坦なホールでも、キャリーで軽く300ヤードは飛びそうな圧倒的なパワー。

そしてそのパワーよりも注目したいのは、クセのないスムーズなスイングです。

肩甲骨がよく動いているので、スイングアークも非常に大きくなっています。

ダウンスイングで変に「 タメ 」を作らずに、アームローテーションも非常に少ない動き方は、プロゴルファーにも参考にして欲しいレベルの高さ。

インパクト直後に少し腕の返しが大きくなる傾向だけが注意したい点。

 

 下半身の使い方に注目!

その菅野智之選手の最大の武器が、下半身の使い方。

なんと、膝をほぼ曲げずに直立に近い状態で下半身を使っていたのです。

スイングをシンプルにする秘訣を発見! 小倉彩愛選手がアマチュアゴルファーに与えてくれたヒント 】で説明した、小倉彩愛選手の下半身の使い方と非常によく似ていました。

この下半身の使い方なら、腰と膝が大きく動きすぎることもなく、腰の左回転も先行し過ぎないので、無駄な動きが少なくなります。

 

● 上半身と下半身の組み合わせも抜群

下半身の無駄な動きが少ないことによって、上半身はストレスなく「 振る 」ことに専念できているので、自分の持っているパワーを余すところなく使えています。

この点が【 その3 】で説明した武井壮さんとの大きな違いです。

武井壮さんも上半身だけのスイングなら、菅野智之選手にも引けを取らないレベルなのに、下半身の無駄な動きに足を引っ張られて、スイング全体のレベルを落としていました。

もし武井壮さんが、菅野智之選手のような下半身の動き方を身につけることが出来るなら、目標にしているシニアプロツアーへの道も夢ではなくなるでしょう。

 

 問題点はただ一つ

素晴らしい菅野智之選手のスイングですが、唯一の欠点が「 ダウンスイング中に身体が左に流れる 」こと。

腰の位置が20cmほど左に流れているのですが、腰だけでなく、スイング軸全体も腰と一緒に流れています。

腰の位置が20cm程度左に流れる動き方自体は、日本のプロゴルファーでは平均的な数値なのですが、菅野智之選手の場合は頭の位置も少し流れてしまっています。

そして、飛ばそうと思うほどその動きは大きくなっています。

この腰が左に流れる量を、松山英樹選手のように10cm以内に収められれば、もっと「 飛んで曲がらない 」ボールを打つことが出来るでしょう。

 

● 下半身の使い方を参考にしましょう

菅野智之選手の膝を伸ばしたままの下半身の使い方は、非常によいお手本です。

膝や腰を大きく使ったほうがパワーが出る、と思いこんでいる人が多いと思いますが、そんなことはありません。

余計な動きを抑えて、スイング軸を保つことで、クラブの遠心力を余すことなく使えるので、逆にボールへのパワーは伝わりやすくなります。

また菅野智之選手は、グリーン周りのアプローチショットが非常にうまかったのですが、その秘訣も膝を伸ばしたままの下半身の使い方によるものです。

無駄な動きが抑えられるので、非常に精度よくクラブをコントロールすることが出来ます。

 

他のプロ野球選手のスイングの特徴

● 下半身が大きく動く

これまでに見たプロ野球選手のゴルフスイングは、野球のバッティングのような下半身の使い方をしていて、膝を大きめに曲げて、膝と腰を大きく動かすスイングばかりでした。

そのような下半身の使い方なので、腰の左回転が先行しすぎて、上半身も開きすぎるので、かなりのカット軌道になっていて、せっかくの凄いパワーを生かしきれていませんでした。

 

● 正しいスイング理論が必要

このようなプロ野球選手のスイングに対して、プロゴルファーとプロコーチは、「 打ちに行こうとして右肩が前に出るからカット軌道になる 」と口をそろえて指摘して、上半身の動き方を修正するようにアドバイスしています。

しかしその動き方については、「 先行しすぎている腰の左回転に引っ張られて、上半身がインパクトで左を向いているので、右肩が前に出ているように見えているだけ 」、と説明することが正解。

そしてその状態は、下半身の左回転が先行しないようにするだけで、右肩が前に出る動きは消えて行きます。

ところが、腰の左回転が先行することを野放しにしたまま、本当は問題ないはずの上半身のスイングを変形させてアジャストさせようとするので、帳尻合わせの複雑なスイングになってしまうのです。

上のバッティングの写真を見て下さい。

野球の場合は、ボールを打つポイントがゴルフよりも前方なので、このようなスイングになります。

ところがこのスイングのイメージで、写真のホームベース後端くらいの位置にあるゴルフボールを打とうとしたら、右肩が前に出てしまうスイングになるのは仕方ありませんね。

そこで右肩が前に出ないようにするために、上半身だけで対処しようとすると、非常に窮屈な動きになるだけです。

それならば菅野智之選手のように、下半身の動きを抑制することで、上半身の動きは普段通りに近いフルスイングをしても、それほど右肩は前に出なくなるので、気持ち良く振り抜けるようになります。

 

● プロ野球選手はもっと飛ばせるはず

アスリートとしての鍛え方と体格が桁違いなので、本来ならプロ野球選手のスイングレベルの高さとパワーは、プロゴルファーよりも明らかに上回っているはず。

その証拠に、番組内で菅野智之選手のドライバーショットは、プロゴルファーの深堀圭一郎選手よりも40ヤード以上も飛んでいました。

ところが、プロ野球選手に共通している下半身を使いすぎることによって、本来のスイングレベルとパワーを落としてしまっているのです。

その点を、下半身の無駄な動きが少ない菅野智之選手が証明してくれました。

つまり、もっとパワーのあるホームランバッターが、菅野智之選手のような下半身の使い方でスイングすれば、ヘッドスピードは軽く60m/sを越えるはずなので、350ヤードの曲がらないビックドライブも夢ではありません。

 

プロ野球選手に適したクラブセッティング

菅野智之選手のドライバーは、ピンのG400 LS TECにグラファイトデザインのDI8でフレックスはおそらくX。

スイングを見た印象では、シャフトは少し軽すぎると思いました。

菅野智之選手のパワーとスイングの特徴なら、DI 9のSXがよさそうなのですが、そんなスペックはメーカーにも用意されていません。

パワーがあり過ぎる場合も、なかなか大変ですね。

また、ヘッドスピードが凄いので、ヘッドの空気抵抗の影響がその分だけ大きくなります。

そこで空気抵抗を減らすために、ヘッドの体積をもっと小さくしたいところです。

そこでお勧めしたいスペックは、400cc前後のヘッドに90g台のシャフトでフレックスSXを44インチで組み上げる。

こんなクラブを作れるなら、もう20ヤードは行けるはず。

 

今回は、これまでに説明してきた内容の具体例として、菅野智之さんのスイングを紹介しました。

そろそろゴルフが簡単になりそうなイメージは出来上がってきたでしょうか?

次回は、ゴルフを簡単にする方法を身につけるための次のステップへの道を【 その5 】で説明します。

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