【 リモートレッスンでスイングの問題点を検証! 】で知人のスイングについて解析しましたが、今回は正面から見たスイングのスロー動画写真の分析も加えて、もっとその核心に迫ってみたいと思います。
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スイングの問題点は、後方と正面から確認しましょう!
スイングの問題点を正しく理解するためには、後方から見ただけでも、正面から見ただけでも不十分です。
問題点を正しく理解する、または詳細に分析するためには、少なくとも後方と正面からの2方向から確認したいものです。
少し手間がかかりますが、練習場のスイング、ラウンド時のスイングを正しく確認したい時は、後方と正面から撮影してもらいましょう。
知人に対するリモートレッスンでも、正面からのスロー動画も確認したところ、その問題点がもっと正確に見えてきました。
今回はその点を説明します。
知人のスイングで修正すべき点は…!? その1
【 リモートレッスンでスイングの問題点を検証! 】で紹介したように、知人が抱えていた問題点と課題は、ドライバーショットの安定性と飛距離アップでしたが、アイフォンのスロー動画を確認したところ、その他にも気になる点が見えてきました。
まずは、その問題点と課題、そして気になる点を再確認しましょう。
■ 知人の問題点と課題、そして気になった点
➀ドライバーショットの安定性向上
➁ドライバーショットの飛距離アップ
これが本人の感じていた問題点と課題です。
そして、スイング後方からのスロー動画の写真で気になった点は、次の2点です。
③バックスイングがイン側に上がりすぎている
④トップで伸び上がっている
この4点について、正面からのスイングと重ね合わせて問題点を正確に分析し、その改善方法を考えながら、ドライバーの安定性向上について、じっくりと説明します。
➀ドライバーショットの安定性向上について
【 リモートレッスンでスイングの問題点を検証! 】の中の❻で、プッシュアウトになった瞬間が映し出されていましたね。
ダウンスイングへ切り返した後のシャフトの角度や、クラブヘッドの軌道は素晴らしかったのに、なぜこのような問題点が起きてしまうのか?
それは正面からのスロー動画の写真を見ればすぐに分かりました。
次の2枚の写真を見て下さい。
❶ アドレス ( 正面 )
❷ インパクト ( 正面 )
注目して欲しいのは、アドレスとインパクトでの左腰の位置です。
左腰の位置を緑線で表していますが、アドレスとインパクトでは20cm以上も左側に流れていることが分かります。
これが原因でプッシュアウトが起きやすくなっていて、この状態のままでは安定性の向上は難しい作業になるでしょう。
そしてなによりも、肝心の飛距離においても不利になります。
●プッシュアウトの原因
アドレスの写真を見ると、ボールの位置は真ん中より少し左、グリップ位置はセンターと、とてもバランスのよいアドレスに見えます。
インパクトの写真も、パッと見には悪くないのですが、2本の緑線を見てもらえば分かるように、左腰の位置が20cm以上も左に流れています。
頭の位置は見事にアドレス時のままキープできているので、『 ビハインド・ザ・ボール 』という形になっています。
しかしいくら頭の位置が右側に残っていたとしても、腰の位置がここまで左に流れてしまうと、スイング軸としては実質的に10cmくらい左に流れていると思ってよいでしょう。
スイング中の本人には、スイング軸が10cmも流れている自覚がないので、アドレス時の身体とボールの位置関係がイメージとして残り、そのイメージのままインパクトすることになるはず。
ところが…実際のスイング軸は10cmも左側に移動しているので、インパクトのボールの位置が相対的に10cm分右側になってしまうのです。
そうなるとフェース面をスクエアに戻す時間が、本人のイメージよりも10cm分不足してしまい、その分だけフェース面が戻り切らずにプッシュアウトが起こりやすくなるという構図なのです。
❸ インパクト直後 ( 後方 )
腰が左に流れる量がもっと大きければ、もっとプッシュアウトになり、腰が流れる量が少ない時は、しっかりとボールがつかまる…。
そんな流れになります。
そしてこのプッシュアウト状態が長く続くと、次には無意識のうちに目標方向よりも左方向に引っ掛けるようとする動きが現れるはずです。
● プッシュアウトの対策
知人の場合は、腰の位置が20cmも左側に流れ、スイング軸も10cm分左側に流れていることになるので、この場合、ボールの位置を10cm左にセットすれば、ちょうどインパクトが「 ピタリ 」と合うことになります。
従来のゴルフ理論は、このような考え方で成り立っています。
しかしこの方法は、あくまでも帳尻合わせでしかありません。
そんな帳尻合わせのスイングになると、その日によって、そのショットによって、毎回正確に腰の位置が20cm左に流れるわけではないので、ショットの精度を上げることは難しいでしょう。
それよりももっと効果的なのは、常に腰の位置が左側に流れないように意識することであり、あくまでも腰が左に流れる量はゼロcmを目指します。
その意識を持つ中でもどうしても腰の位置が流れてしまうのなら、その時には腰が流れる量に合わせてボールの位置を決めましょう。
その方が腰が流れる量は一定になります。
現状のように腰が流れるがままに放置してしまうと、正確な制御が効かずに、毎回流れる量にバラツキが出てしまうので、それではスイングは安定しません。
ここはしっかりと腰が流れないように意識して、『 体重移動 』という腰の流れを放置してしまうような悪い意識は捨てて、アドレスの位置でスイングできるように取り組んで欲しいと思います。
● 完璧を目指す必要はない
腰が左側に全く流れないスイングが理想なのですが、それは誰もが簡単に身につくわけではありません。
それでも大事なことは、その意識をしっかりと持ち続けることなのです。
何も意識せずに20cm前後も左に流れているよりも、しっかりと意識して10cm程度に抑えるようにできれば、スイングの精度は確実に上がります。
当然のことですが、無意識の20cmよりも、しっかりと意識した10cmのほうが、ボールの位置も帳尻合わせではない、正しい位置に決まってくるはずです。
㊟ 従来のゴルフ理論の誤解
従来のゴルフ理論では、「 ドライバーのボールの位置は左足のかかとの内側 」とされていることは皆さんもご存知だと思います。
ところが…そのような理論を唱える人のスイングを確認すると、ほぼ全員が「 体重移動をすることが正しい 」という理論の傘の下、ドライバーショットのインパクト時には、腰の位置が20cm以上も大きく左側に流れています。
つまり、腰が大きく左に流れてもナイスショットできるように、帳尻を合わせるかのように、「 左足のかかとの内側 」というボールの位置が決まったのではないでしょうか。
「 ドライバーショットをアッパーで捉えるために左側に置く 」というのも、後付けの理論だと思います。
なぜならば、ドライバーショットのインパクトでは必然的に左肩よりも右肩が下がるので、腰の位置が左に全く流れないスイングならば、たとえボールの位置がセンターであっても適正なアッパー軌道を作れるからです。
「 体重移動は必要ない 」「 腰が左に流れないほうがよい 」というのが、現在の世界の主流であり、そのほうが確実に精度は上がり、飛距離もアップし、なによりもゴルフが簡単になります。
体重移動を抑えて、腰が左に流れないようにするべきか。
体重移動を意識して、腰が左に流れることを放置してしまうのか。
その点をどう解釈して対処するのかが、今後のゴルフを簡単にするための分かれ道になると思います。
この続きは、【 飛距離アップへのポイントはこれだ!! 】をご覧ください。