7月13~16日に開催されたPGAツアーのジョン・ディア・クラシック。
シード権確保に向けて戦っている石川遼選手は、残念ながら4戦連続の予選落ちに終わりました。
残るチャンスはあと3試合のみ。非常に厳しい状況になってきました。
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遂に石川遼選手がドライバーを短尺化
その石川遼選手、この大会に向けてドライバーのシャフトを45インチから43.5インチへと一気に1.5インチも短くして臨みました。
今シーズンのPGAツアーでは、【 長尺ドライバーは本当に飛ぶのか? 遂に短尺ドライバーブームの兆しが… 】で説明したように、ドライバーの短尺化がブームになる兆しが見られます。
その流れに乗るかのような今回の変更。その効果は?
結果は残念ながら予選落ちとなりましたが、予想通り飛距離はほぼ同程度で、フェアウェイキープ率とパーオン率は大幅に向上し、確かな効果が見られたようです。
今回はスコアアップにはつながらなかったのですが、残る3戦に向けての最後の切り札になる可能性が見えてきました。
本人によると、長いシャフトではついついシャフトに頼ってしまい、知らず知らずのうちに身体をうまく使えなくなっていた、と言うことです。
このポイントはまさに長尺ドライバーの欠点であり、アマチュアゴルファーも気をつけたほうがよい点です。
ただこのドライバーの短尺化、もっと早く試して欲しかった。
石川遼選手はドライバーの飛距離を追求するために、シーズン開幕前には45インチ以上の長尺も試していたようです。
しかし、【 長尺ドライバーは本当に飛ぶのか? 遂に短尺ドライバーブームの兆しが… 】でも説明したように、長尺ドライバーが実際のコースでも飛ぶ、という根拠は薄く、単純に曲がる確率が増えるだけ、とも言える状況だと思います。
石川遼選手も「 長尺は飛ぶ 」という安易な流行に流されてしまったことで、短尺化に踏み切るタイミングが遅れてしまったと思います。
その石川遼選手が今回選択したのは43.5インチ、しかしもう少し長くても、例えば44~44.5インチでも良かったのではないでしょうか?
43.5インチという長さ自体は、リッキー・ファウラー選手と同じですが、リッキー・ファウラー選手はもともと44.5インチだったので、1インチ短くする変更でした。
石川遼選手もそれまでが45インチだったのなら、44インチでよかったのではないでしょうか?
もちろんいろいろな長さを試したうえでの決定なのでしょうが、実際に試合で使う場合は、もう少し変化の振り幅が少ないほうがよいと思います。
本来ゴルフというスポーツは、微妙な感覚の違いが大きな変化をもたらすものなので、シャフトの特性の変更や長さの変更に対しては、もっと慎重に行ったほうがよいはずです。
クラブヘッドに鉛を貼る調整方法でも、多くのプロゴルファーは2~3gもの鉛を大胆に貼っていて、今回の石川遼選手の短尺仕様のヘッドにも、ソールの中央部に2gほどの鉛が貼ってありました。
しかしこの鉛の貼り方、皆さんも試してみれば分かりますが、0.5gでもそのフィーリングは大違いで、誰にでも感じられるほどの変化が起きます。
それなのに2~3gを大胆に貼っている感性には、少々疑問を感じています。
もし皆さんが鉛の調整を試す場合は、プロゴルファーの貼り方には惑わされずに、0.5g程度の重さで、貼る場所も1cm刻みで細かく移動させながら、自分の感覚に合う貼り方を見つけて欲しいと思います。
その場合は、一般的に言われている「 ボールをつかまえたい時はヒール側 」などの情報を一切無視したほうが、自分に合うよい場所を見つけ出せるはずです。
僕の経験では、男女問わずいろんなタイプのアマチュアゴルファーには、プロの言う定説とは逆に、トゥ側に鉛を貼ったほうがつかまりがよくなりました。
さて話が大きく外れてしまいましたが、ようやく短尺ドライバーを選択した石川遼選手、たとえ「 大きすぎる変更 」であってもプロの世界は結果が全て。
今回の変更によって覚醒出来ることを期待しましょう。
また今回も石川遼選手はグリーン周りでミスを連発していましたが、その理由を含めた技術面の分析は、【 石川遼選手の覚醒に必要なものは? 】でも説明しているので、是非ご覧下さい。
ブライソン・デシャンボー選手のアイアンセットに注目!
最後に、ジョン・ディア・クラシックで優勝したのは、ブライソン・デシャンボー選手。
ご存知の方も多いと思いますが、なんとアイアンのクラブの長さが全番手で同じという異色の選手です。
日本のレジェンドゴルファーである岡本綾子さんも、現役時代はそのようなセッティングだった、という話を聞いたことがありますが、実際に目にするのは初めてです。
このセッティングには興味津々ですが、実際に試したくても、ライ角を大きく変更しなければならず、ロフトも調整が必要なので、アマチュアゴルファーが試すことは簡単ではありません。
そこでブライソン・デシャンボー選手が今後も勝ちまくってくれるなら、このような面白いセッティングのクラブも次々と市販されるかもしれません。
そんな楽しみが増えたジョン・ディア・クラシックでした。