【 その1 】から引き続き、今回も失敗しない短尺ドライバーの作り方を紹介します。
今回は具体的なドライバーを題材にしながら、いろんな手法の短尺ドライバーの作り方を紹介していくので、その内容を参考にして、皆さんの短尺ドライバーに対するハードルを下げてもらいたいと思います。
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短尺ドライバーの作り方あれこれを紹介!
短尺ドライバーを作る方法は無限のようにありますが、それでは選択肢がありすぎて、どのように進めればよいのか迷ってしまうはずです。
そこで少しでも迷いを減らせるように、代表的な手法に絞って、具体的な例を挙げながら紹介していくので、その内容を参考にして短尺ドライバーにトライして欲しいと思います。
中古クラブの中から見つけ出して短尺ドライバーを作る!
今回紹介するのは、ゴルフパートナーのオンラインショップを活用して、短尺ドライバーを作る方法です。
僕はこれまでに、奥さん用や友人用に多くの短尺ドライバーを作ってきましたが、ほぼ全てのクラブをゴルフパートナーのオンラインショップからそのベースとなるクラブを選択しています。
イメージしているクラブを見つけ出し、オンラインショップでは送料がかかるので、近所のゴルフパートナー実店舗に電話で商品コードを伝えてそのクラブの取り寄せをお願いし、入荷したら受け取りに行くパターンです。
それではその手法を紹介します。
● ベースクラブを仮に設定して説明します
まずは、ヘッドスピードが40m/s~45m/sのゴルファーで、現在長尺ドライバーを使用していると仮定して話を進めます。
クラブヘッドがピンのG400 MAXのロフト角9°で、シャフトがスピーダー569 エボリューションⅣと仮定して、このクラブをベースクラブとして考えて下さい。
シャフトは45.25インチでフレックスはS、シャフト重量は59g。
おそらくこのクラブ重量は304gで、ヘッドバランスはD3。
このクラブを新品で購入し、打ちやすくて、飛距離性能も十分なのに、コースでは曲がってしまってスコアが伸びないので改善したい、という設定で話を始めます。
ちなみにこのクラブヘッドを題材にしたのは、ある程度人気があって、オンラインショップを利用して考える場合に、その後の話の展開を進めやすかったからです。
そしてこのシャフトを選択したのは、クセがなくて打ちやすい万人向けの特性であり、少し前のモデルなので中古クラブの中での選択肢が多いからです。
このクラブをベースにして、短尺化のいろんなパターンを考えてみましょう。
➡ パターン1 そのままシャフトカットして短尺化
通常ならあまりお勧めしませんが、このベースとなるクラブはヘッド重量が約203gもあり、クラブ重量も304gあるので、0.5インチカットする程度ならば、軽くて短いドライバーには該当せずに44.75インチの短尺ドライバーが出来上がります。
なお、このベースクラブを改造する場合に気をつけてもらいたいのは、グリップの重量です。
純正品は40gの軽量グリップなので、シャフトカット後にそのまま使用するのか、一般的な50gくらいのグリップに交換するのかによって、クラブ重量が10gも変わるので、当然打った時のフィーリングも変化します。
➡ パターン2 同じモデルで買い替えてから短尺化
次に考えるのは、同じクラブヘッドのモデルを中古クラブで購入して、短尺化を進めるパターンです。
オンラインショップのリストの中から、ベースモデルと同じピンのG400 MAXを選択しますが、ここではロフト角10.5°を選択します。
その理由は、短尺化すると慣れないうちはボールの高さが低くなる傾向なので、長尺ドライバーの時よりも少しロフト角を増やしておいたほうが無難だからです。
このクラブは調整機能付きですが、どうせ新たに購入するならばロフト角を増やしておきましょう。
次はシャフトの選択ですが、仮定として長尺ドライバーのシャフトが打ちやすかったので、それと同系列の銘柄の1ランク重いシャフトを選択します。
しかしシャフトが重くなると必然的に振り心地が硬くなってしまうので、フレックスを柔らかめのSRで設定して、オンラインショップから探してみると…見つかりました!
〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇という商品コードのクラブが該当します。
G400 MAX 10.5°のスピーダー661 エボリューションⅣです。
おそらく長さは45.25インチでフレックスSR。
このスペックはシャフト重量65.5g、クラブ重量は約311g、ヘッドバランスD4です。
Cランク品ですが程度はよく、価格は49,478円と高めですが、そこはあくまでも例として考えて下さい。
仮にこのクラブを購入したとして、そこからシャフトを1インチカットして44.25インチに短尺化します。
この方法ならば、長尺ドライバーのベースクラブの振り心地のイメージを残したまま、よい感じの短尺ドライバーに仕上がるはず。
おそらくヘッドバランスはD1かD0になり、初めのうちは少しクラブヘッドが軽く感じられるかもしれませんが、すぐに慣れていくことができます。
そしてこのクラブのヘッド重量を考慮すれば、43.5インチくらいまで短くしても大丈夫かもしれません。
このグリップもおそらく純正品の軽量タイプなので、50gのグリップに交換すればクラブ重量は321gという重いクラブになりますが、43.5インチという短さならば十分に振り切ることができるでしょう。
➡ パターン3 ベースクラブと違うモデルのクラブヘッドと、同系列のシャフトの組み合わせから短尺化
次のパターンは、クラブヘッドを違うモデルに変える場合を考えてみましょう。
せっかく新たにクラブを購入するなら、違うクラブヘッドも試してみたいというパターンです。
その代わり、シャフトはパターン2と同じスピーダー661 エボリューションⅣのフレックスSRで考えます。
そのクラブが、商品コード■■■■■■■■■■■■■の、テーラーメイド M4の10.5°になります。
パターン2と同じCランク品ですが、少しソールに傷が目立つので32,978円と少し安価になっています。
このクラブも45.25インチのはずなので、購入してから44.25インチに短尺化すれば、よい感じに仕上がるのではないでしょうか。
細かい所をチェックするなら、ヘッド重量は約200g、グリップは50gの物が装着されているので、クラブ重量は約315g。
このくらいの重さがあれば、44インチまで短くしても大丈夫でしょう。
➡ パターン4 スリーブ付きシャフトで短尺ドライバーを仕上げる
ベースとなるクラブが調整機能付きなので、その利点を生かして短尺化する方法も考えてみましょう。
たとえばパターン3のようにクラブを購入し、短尺化して試してみたものの、シャフトのフィーリングはよいのに、クラブヘッドが好みでなかった場合です。
そこでそのシャフトを生かすために、たとえばテーラーメイド用のスリーブをピン用に交換してベースクラブに装着すれば、簡単に短尺ドライバーに生まれ変わり、長尺と短尺をその都度付け替えて試すことも可能になります。
ベースクラブは調整機能付きなので、もし短尺化してボールの高さが不足するのなら、ロフト角を増やすこともできますね。
問題点があるとすれば、それぞれのクラブヘッド形状とスリーブの長さが違うので、たとえばパターン3で44.25インチだったとしても、実際にそのクラブヘッドに装着してみないと何インチに仕上がるのか分かりません。
➡ パターン5 全く違うモデルから短尺化
次のパターンは、クラブヘッドもシャフトもベースクラブとは違う物の中から選択する方法を考えてみましょう。
たとえば、以前から気になっていたクラブヘッドとシャフトを組み合わせて、短尺ドライバーを作るパターンです。
仮にそのクラブを、商品コード●●●●●●●●●●●●●のグローブライド オノフ KURO 10°とツアーAD PT6のフレックスSRの組み合わせにしました。
23,980円とお手頃な価格です。
クラブヘッドは、今までに打ったことはないけれど打ってみたかったので選択し、短尺化を想定してロフト角は10°にします。
シャフトはスピーダー661 エボリューションⅣと同様にクセがなく、万人に合いそうな特性のツアーAD PT6ですが、PT6のフレックスSは硬めだということと、短尺化を想定してフレックスはSRです。
ヘッド重量が約193g、シャフトが62g、グリップが50gなので、クラブ重量はおそらく305g。
シャフトの長さは取り扱い店舗に確認する必要がありますが、おそらく45.5インチくらいの長尺だと思います。
この場合はヘッド重量が軽めなので、あまり短くするとヘッドバランスが軽すぎてしまうので、短尺化は44.5インチくらいまでにしておいたほうが無難でしょう。
もし44インチまで短くしたいのなら、【 鉛の貼り方 】を参考にしながら、自分のフィーリングに合うように鉛調整をして下さい。
➡ パターン6 小型ヘッドの短尺ドライバーにチャレンジ
短尺ドライバーに慣れてくると、シャフトが短い利点を生かして、小型のヘッドを試してみたくなる人もいるはずです。
シャフトが短くなるとクラブヘッドが相対的に大きく見えるので、それならば操作性がよく、低スピンのボールが打ちやすい小型ヘッドのドライバーにも興味が湧いてくると思います。
そんな人のために、小型ヘッドのパターンも考えてみましょう。
その場合に狙うべきクラブが、例えば商品コード△△△△△△△△△△△△△のダンロップ ZR-30のロフト角10.5°です。
古いモデルなので、価格は8,470円とリーズナブル。
シャフトは、パターン5でも紹介したツアーAD PT6のフレックスSRです。
ヘッド重量が約196gなので、44.25インチあたりが最適になるでしょうか。
このクラブヘッドは420ccなので、小型ヘッドに挑戦するには適したサイズだと思います。
ZR-30と言えば、松山英樹選手が長年愛用していたことで有名になりましたが、実は僕の奥さんも松山英樹選手よりも前にエースドライバーとしていた時期がありました。
僕の奥さんは現在、340ccや390ccの超小型ヘッドを『 重・短・小ドライバー 』に仕上げて使用していますが、いきなり超小型ヘッドにトライしたわけではなく、それ以前から420cc ~ 440ccの小型ヘッドのドライバーを使用していたので、超小型ヘッドへの移行もスムーズにできました。
そんな経験からも、このZR-30のような小型ヘッドのドライバーで短尺化することもお勧めの方法です。
小型ヘッドのモデルは古いモデルが多いので、全体的に価格がリーズナブル。
もし使ってみてクラブヘッドが好みでなかったのなら、そのシャフトをピン用のスリーブを装着して、ベースクラブで試してみることも可能です。
ただしダンロップのクラブは、シャフトのチップ径が他メーカーと違うので、その点には気をつけて下さい。
そして残念なことにこのクラブは、この原稿を書いている間に売れてしまったようです。
今回のまとめ
具体的な例を挙げて、いろんなパターンの短尺ドライバーの作り方を紹介しました。
今回の例として利用したゴルフパートナーのオンラインショップは、品数も豊富で、選択条件も細かく指定できるので、紹介したように意中のクラブを探し出すことが簡単にできます。
現在のコロナ禍の中でも、非公式大会ながら果敢に男子ツアーを開催してくれたことに対する感謝の意も込めて、この内容としました。
ただし商品の動きがかなり速いので、今回例にしたクラブはすでに売れてしまっているかもしれませんが、あくまでも考え方の参考として下さい。
前回の【 その1 】と今回の【 その2 】を読んでから、【 短尺ドライバー 】の中の記事を読み返してもらえば、皆さんにとっての最適な短尺ドライバーのイメージが湧いてくると思います。
まだ短尺ドライバーに躊躇しているならば、一歩踏み出せるきっかけになれればよいのですが…。
ところで残念なことに、【 こちら 】で紹介した「 重心ハンドブック 」を提供してくれていた「 月刊ゴルフクラシック 」が休刊になってしまいました。
今回説明したデータのように、短尺ドライバー製作にはとても役立つ書籍だっただけに残念でなりません。
※その後、年1回「 重心ハンドブック 」付録号が発売されています。