このブログでは、これまでに多くの短尺ドライバーを製作し、実際に打ってみたインプレッションを紹介してきました。
そのどれもが、最新モデルの長尺ドライバーをも上回る性能と打ちやすさに仕上がっていて、ますます短尺ドライバーへの探求心が湧いてきました。
そこで今回は、もう一歩進んだ短尺ドライバーのセッティングを紹介します。
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ドライバーは重くて短いほうが打ちやすく精度も上がる!
今回トライしたのは、もっと重くて、もっと短いドライバーです。
選んだクラブは、タイトリスト プロチタニウム 905R 。
このクラブは友人の物で、数年前に中古で購入しましたが、ハードすぎたのでしばらく家に眠っていたクラブです。
そのクラブが短尺化で大変身しました。
タイトリスト プロチタニウム 905R のスペック
■ ヘッドデータ
ヘッド体積 : 446cc
ヘッド重量 : 201g
ロフト角 : 9.5°
■ シャフトデータ
シャフト : ディアマナ S73
シャフト長さ : 標準45インチ ➔ 42.5インチ
フレックス : S
シャフト重量 : 69g ( 標準時 )
トルク : 3.0
● 選択の理由
短尺ドライバーを多く製作してきた過程で、もっと短いほうが振りやすくなりそうだと感じていました。
しかし、ただ短くするだけではクラブ重量が不足して、運動エネルギーが少なくなるので、もっと重いシャフトが必要になります。
ところが重いシャフトは、フレックスも硬いものばかりなので、その点が心配でした。
そこで友人が持っていたクラブを思い出したのです。
デイアマナ S73なら、それほど硬くなかったので、短くすればいけるのでは?
それならば思い切り短くしてみようと、その長さを42.5インチに決定。
【 長尺ドライバーは本当に飛ぶのか? 】で紹介したように、僕の短尺ドライバー製作のきっかけを作ってくれたジミー・ウォーカー選手が42インチだったこともあり、42.5インチなら、多少重くても振り切れるだろうと予想しました。
● インプレッション
その結果は、驚きの打ちやすさです!
全くハードな感じはなく、短くなった分だけ振りやすくなりました。
そして意外なことに、シャフトは全く硬く感じません。
それどころか、60g前後のSフレックスよりも柔らかく感じるのです。
不思議だったので、ディアマナ S73とS63のどちらもSフレックスを手で押し比べてみると、S73のほうが大きくしなりました。
S63がSとするならば、S73はSRくらいにしなります。
このS73のシャフト特性によって、超がつくほどの短尺ドライバーの製作は成功しました!
この友人は、身長180cmを越える大柄で、パワーもあるほうですが、スイングが安定しないことが問題でした。
ダウンスイングに切り返す時にカット軌道になりやすく、スイング全体を改善しても、切り返しのクセはなかなか直らなかったのです。
そのクセを、重くて短いクラブなら修正できるのではないかと予想していましたが、案の定、見事にそのクセは修正されて、ドライバーのカット軌道は完全に解消されました。
そしてその効果で、他のクラブも心配なく振れるようにもなりました。
この友人に限らず、多くのアマチュアゴルファーにとって、ダウンスイングへ切り返す時のクラブコントロールは、悩みのポイントだと思います。
しかしその悩みは、クラブが長すぎることによる影響が大きく、長いほどにタイミングやスイング軌道の問題が出てくるものなのです。
限られた練習量の中では、その問題解決に余計な時間を使わないためにも、短尺ドライバーは効果を発揮することでしょう。
今回のまとめ
この超短尺ドライバー、まるで3番ウッドのように振れるので、僕の奥さんが振っても自分のクラブよりも振りやすいくらいで、他の友人もその振りやすさに衝撃を受けていました。
現在のゴルフ界は、長尺ドライバーはヘッドスピードが上がるから飛ぶ、という考えを持っていますが、長尺にするほどクラブ重量を軽くする傾向があります。
巷では『 軽硬シャフト 』が取り上げられていますね。
はたしてそれで運動エネルギーが大きくなるのでしょうか?
短尺化してヘッドスピードが多少落ちたとしても、クラブ重量を増やすことができるなら、運動エネルギーは逆に増大します。
皆さんも『 重柔シャフト 』の打ちやすさには、きっと驚くことでしょう。
そこでこの流れのまま、僕の奥さん用と、他の友人用にも、重くて短いドライバーの製作を開始することになりました。
その第1弾が【 こちら 】です。
※ 追記
この記事公開後に、本人からラウンドの報告が入りました。
振りやすくて飛距離性能もよいけれど、ボールが左に真っすぐ飛んで行くそうです。
おそらく…カット軌道が解消されたので、今までの感覚でスイングすると、フェース面が戻りすぎていると思われます。
42.5インチというクラブの長さも、練習場ではよかったものの、コースではもう少し長いほうがコントロールしやすいのかもしれません。
もちろん、一気に短くしたので、本人の慣れも必要だと思います。
そのデータも参考にしながら、次の重くて短いドライバーを製作してみます。