バンカーやグリーン周りから、とても簡単にピンに寄せられるウェッジを発見したので、そのクラブについて詳しくお知らせします。
どんなライからでも上手く打てるオールラウンド性があり、次元を超えるくらいに簡単なクラブなので、皆さんも一度試してもらいたいと思います。
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超簡単なウェッジの秘密はソール形状にある!!
【 結果を出せるクラブセッティング! その2 】では、僕の奥さんの最近のクラブセッティングを公開していますが、実はその直後に素晴らしい性能のウェッジを発見し、バックの中身が入れ替わることになりました。
そのウェッジは、ブリヂストンのツアーB HB-Wという、ブリヂストンとゴルフ5が共同開発し、2019年に販売されていたウェッジです。
バンカーやグリーン周りから簡単にピンに寄せられる、とても優れたウェッジの詳細を報告します。
ブリヂストン ツアーB HB-Wは魔法のウェッジだった!!
■ 購入までの経緯
このツアーB HB-Wは、2019年にゴルフ5限定で発売された当時に、すぐに店内で試打をしていましたが、店内の試打マットからボールを打っただけでは、それほどソール形状の違いによる効果を感じることができませんでした。
このクラブの特徴は、ハイバウンスと呼ばれる、ソールのバウンス角が通常よりも大きくなっていることです。
たとえば56°のウェッジだと、バウンス角は18°で、一般的な10°~14°よりもかなりバウンス角が大きくなっています。
このようにバウンス角が大きくなると、一般的には、ライに対するクラブヘッドの入り方はよい具合になるかもしれませんが、その代わりにソールが抜ける時に後ろ側のトレーリングエッジが引っかかりやすくなってしまいます。
そこでこのツアーB HB-Wは、ソールの接触面を極力狭くするように形状を工夫して、入りのよさを残したまま、抜けのよさも実現することができたのです。
ただ前述のとおり、店内の試打マットでは、他のクラブとは違う感覚はあったものの、その効果はあまりイメージできずに、一度試打しただけでその後は関心が薄れていました。
ところが最近になり、再びそのソール形状が気になったので、中古品を購入したところ、あまりにも簡単で、そして素晴らしい性能に驚かされたのです。
■ なぜこのウェッジが優れているのか!?
皆さんもウェッジのソール形状には、とても興味があると思いますが、それでは一体どんな形状がベストなのかと考えても、なかなか正解が分からない状態だと思います。
なぜなら、ウェッジはバンカーやグリーン周りのいろんなライからピンに寄せることを求められますが、それぞれのライに合わせようとすると、いろんなソール形状とバウンス角が必要になるからです。
フカフカのバンカーとカチカチのバンカーでは、求められるソール形状とバウンス角は違うと思います。
グリーン周りのラフからと、芝の薄い花道からでも同様で、打ちやすいソール形状とバウンス角が変わってきます。
だからと言って、バンカー専用ウェッジや、アプローチ専用のウェッジを何本も用意できるほど、バックに入れられる本数には余裕がありません。
そこでなるべく万能性の高いウェッジを選ぶことになるわけですが、その選択がとても難しかったのです。
そんな万能なソール形状とバウンス角を求めて、ずっと研究を続けていましたが、市販されているウェッジでは自分のイメージ通りの形状が見つからないので、「 それならば自分でソールを削ってしまおう 」という結論に達しました。
そこで「 こんな形状がよさそうだ 」とイメージして、機械加工をしてくれる友人に依頼しようと思った時に、「 あれっ、もしかしたらこのソールの形状はツアーB HB-Wに似ている!? 」ということに気が付いたのです。
僕のイメージした形状は、「 バウンス角は少し大きめで、ソールの接触面が少ない形状 」なのですが、それはまさに以前に試打をしていたツアーB HB-Wのソール形状だったのです。
そこで早速中古品を探したところ、ダイナミックゴールド ツアーイシュー X100にリシャフトしてある商品を発見。
【 アイアン用のスチールシャフトを打ち比べました!! 】でも紹介していますが、ダイナミックゴールド EX ツアーイシューの性能が素晴らしいことは分かっていたので、こちらのシャフトも打ちやすいはずだと思い、すぐに56°と50°を購入しました。
ちなみに、このウェッジの標準シャフトは、ダイナミックゴールド S200と、モーダス³ 105 Sになります。
■ インプレッション
購入後に練習場で試してみると、以前に店内で試打した時のように、それほど劇的な効果は感じなかったのですが、そのソール形状を信じてすぐにラウンドに投入してみました。
すると、期待通りにそのラウンドで衝撃的な性能を発揮してくれたのです。
時期的には雪が降る直前の12月で、フェアウェイや花道の芝はとても短くて、そしてベタッと寝ている最悪な状態。
グリーン周りのラフは芝の密集度がとても低く、湿った重いラフの中にボールは埋まってしまいます。
バンカーは砂の量が少なく、湿っていてカチカチの状態。
こんな最悪な状況下で、コースでは何も練習せずにラウンドしたのに、ダフリ、ザックリ、トップは一切なく、イメージ通りの距離感で見事なアプローチショットを連発。
バンカーも1回入っただけでしたが、あっさりとサンドセーブに成功。
僕の奥さんはベストスコア71なので、アプローチショットもバンカーショットもそこそこの腕前なのですが、このウェッジを使うと急に上達したかのように、まるで別人のようなハイレベルでピンに寄せられるようになりました。
その後に違うコースでもう1回ラウンドしましたが、そちらのコースでも同様の感覚で、この厳しい時期のグリーン周りに対するプレッシャーはほぼ無くなりました。
そしてこのウェッジ、僕の奥さんに合っているだけでなく、他の友人に試してもらっても、皆が自分のウェッジよりも簡単にナイスショットに成功したのです。
その成功の理由は、適度なハイバウンス角でありながら、接地するソール面積が➪のように最小限に抑えられていることです。
このソール形状によって、あらゆるライに対して、クラブヘッドが刺さることも跳ねることなく、とても少ない抵抗感で絶妙なコントロールが可能になります。
もしダフリすぎたとしても、周囲には気づかれないくらいに、そこそこよい感じでボールは飛んで行ってくれます。
打ち方のコツとしては、必ずソール面を接地させること。
せっかくの絶妙なソール形状を、接地させずにトップ気味に打つことは全く無意味なので、どんなライでも安心して少しダフらせるように打って下さい。
あらゆるライでクラブヘッドが抜ける時の抵抗感がイメージ通りなので、自分の距離感がとてもつかみやすく、使えば使うほどに簡単に感じるのではないでしょうか。
■ 補足説明
このウェッジは、ブリヂストンとゴルフ5の共同開発品ですが、製造を担当しているのは遠藤製作所です。
遠藤製作所は自社ブランド「 エポン 」を展開していますが、各メーカーのOEMを担当している会社でもあり、松山英樹選手のアイアンも製作していたり、多くのメーカーの鍛造クラブを製作しています。
しかし以前は、各メーカーはあえて遠藤製作所製ということを公表しないようにしていたのですが、このツアーB HB-Wが発売された頃から各メーカーが方向転換したらしく、逆に遠藤製作所製ということを商品PRに利用するようになり、ツアーB HB-Wの製品パンフレットにもしっかりと表記されていました。。
つまりこの製品のセールスポイントは、特異なソール形状だけではなく、遠藤製作所がS20Cの軟鉄素材で高精度に製作した逸品でもあるわけです。
ちなみに、このツアーB HB-Wと同時期に、ミズノとゴルフ5が共同開発したTHE CRAFTというウェッジも発売されています。
こちらのバウンス角の数値は、ロフト角のマイナス35°なので、56°ならば21°のバウンス角になります。
そして2023年には第2弾が発売されて、今作はロフト角のマイナス30°、つまり56°では26°という超ハイバウンス角になりました。
はたしてどれくらいのハイバウンス角がベストなのかは、各自の好みになりますが、実際に使用してみた印象では、ツアーB HB-Wのバウンス角が適しているような気がします。
そして地クラブも含めて、他メーカーの15°前後のハイバウンス角のウェッジも何本か試打してみましたが、接地するソール面の面積とバウンス角のバランスを比較すると、ツアーB HB-Wが最もバランスが取れているように感じました。
今回のまとめ
ウェッジのソールには各メーカーが様々な工夫を施してあり、ソール面積が広い物や特殊な形状の物まで、とても多くの選択肢があります。
そしてそのソールを開いたり閉じたりしながら、最適な角度を見つけ出して使用することが一般的なのですが、今回紹介したツアーB HB-Wのようなハイバウンス角と少ない接地面の組み合わせならば、むやみに開いたり閉じたりする必要もなく、打ち方もあまり変えることなく、いろんなライにうまく対応できるようになります。
この異次元の感覚は実際に使用しないと分からないと思うので、興味のある人は、是非試してみて下さい。