パッティングストロークの向上は、スコアアップには欠かせないポイントです。
スムーズで正確なストロークが出来れば、自然にパット数が短縮されていくでしょう。
このブログでは以前に、【 魔法のパターグリップの握り方 驚くほどスムーズにヘッドが動く! 】で、自分の微妙なクセに合わせたパターグリップの握り方について説明しました。
今回は、ロングパットとミドルパットの打ち方のコツを説明します。
ショートパットについては、【 こちら 】で説明します。
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自分に合うパッティングスタイルを見つけ出す
パターの打ち方には決まった形がないと言えるほど、非常に多くの打ち方があります。
パター本体の種類も多いので、本当に自分の特徴とパターの特徴に合った打ち方を見つけ出すのは至難の業。
ゴルフレッスンの中でも、特にパターに関しては無数の情報が溢れているので、いったい何を信じてよいものか?
そんな悩みを持っている人も多いと思います。
しかしパターに関しては、どんな打ち方でも、どんなパターの種類であっても、しっかりと「 毎回イメージ通りに打つ 」ことが出来ればOKなのです。
自分に合うパターを見つけて、本当に自分の感覚に合うオリジナルな打ち方を完成させれば、ゴルフの楽しさは倍増するでしょう。
ところがどうしてもその過程の中で、多くの情報に翻弄されて迷走してしまうのは仕方のないことです。
ピンタイプのパターの打ち方は…、マレットタイプの打ち方は…等々。
その他にも、「 パチン 」としたインパクトで打ちたい人と、流し込むように打ちたい人とでは、その感覚もテクニックも大きく変わってきます。
そのように多くの打ち方と、道具に対する情報が溢れている中でも、極めなければならないパッティング。
その中から、自分だけのパッティングの極意をつかむ方法を考えてみましょう。
パッティングを極めるためのポイント
そのパッティングを極めるための第一歩として、これだけは忘れないで欲しいポイントを説明します。
そのポイントとは、アドレスと同じ状態でインパクトすること。
「 そんな事は当たり前 」とは言わないで下さいね。
パッティングストロークに問題を抱えている人を観察すると、残念ながらこの大事なポイントをつかめていないようなのです。
特にロングパットやミドルパットの場合、距離感やストロークの大きさに意識が分散されてしまうと、知らず知らずのうちにインパクトの形にズレが出てきます。
パッティングストロークに問題を抱えている人は、いろんなクセも持っていますが、どんなクセであっても、アドレスと同じ状態でインバクトすることを続けていれば、そのクセも自然に改善されて、よいストロークに変わって行くでしょう。
ストロークの問題点とは
『 何故アドレス通りに戻らないのか? 』
パッティングストロークに問題を抱えている人の、具体的なストロークの動き方を説明します。
アドレスからバックスイングの動きは、多少の問題があってもまだ許容範囲になっています。
それよりも問題となるのは、バックスイングを切り返してからインパクトまでの動き方です。
この区間のストロークの動き方が、パッティングのうまい人と、問題を抱えている人では大きく違います。
パッティングのうまい人は、バックスイングからインパクトまでの手元 ( グリップ位置 ) の動きとパターヘッドの動きが、うまく連動していて、インパクトでは見事にアドレス通りの形に戻っています。
ところが、パッティングに問題を抱えている人によく見られる動き方は、バックスイングからインパクトに向かう時の動き方が、手元の動きのほうが大きすぎて、パターヘッドの動きが相対的に小さいこと。
手元よりもヘッドのほうが遅れて動くことになるので、インパクトの時には手元がアドレス状態よりも左側の位置になっています。
遅れて動いているパターヘッドを、インパクト後に手元に追いつくように左に引っ張り込むような動き方になっています。
簡単に言うと、パターヘッドが振り遅れの状態になっているのです。
この動き方によって引き起こされる問題点は2つ。
①適正なインパクトロフトになっていない。
ヘッドが遅れた状態のインパクトでは、ロフトが立った状態でインパクトすることになるので、そのパターの設計通りの適正なロフト角でボールを打つことはできません。
それでは「 転がりのよいボール 」は打てませんね。
また、「 マイナスロフトでインパクトしたほうがよい 」という説もありますが、その説の正否よりも、まずはアドレス通りのインパクトを作ることを第一に考えましょう。
②方向性の精度が上がらない。
ヘッドが遅れた状態のインパクトでは、フェース面が開きやすくなるので、当然右方向に「 プッシュアウト 」のボールが出やすくなります。
その状態が続くと、今度は無意識に調整しようとする動きが出て、フェース面を必要以上に返してしまい、次には「 引っかけ 」の状態が出てくるでしょう。
まさにこの「 プッシュアウト 」と「 引っかけ 」は紙一重の状態なのです。
この①と②の2つの問題点は、パッティングストロークの向上には、非常に大きな妨げになります。
どんな形のパターを使っても、どんな打ち方やグリップの握り方であっても、このような問題点を引き起こさないように、アドレス通りのインパクトになるように、しっかりと意識してストロークして下さい。
アドレス通りのインパクトを作るためのコツ
皆さんが当たり前のように意識しているつもりが、実はほとんどの人がアドレスと同じ状態でインパクトすることができていません。
そこでその動きを実現させるためのコツは、シンプルにただ一つ。
振り子のイメージでストロークすることです。
ゴルフのスイングとストロークの基本には、振り子の動き方が根底にあり、その延長としてフルスイングの回転運動があると思ったほうがよいでしょう。
その中でもパッティングのストロークの動き方は、たとえクロスハンドの握り方であっても、たとえ押し出すようなストロークであっても、振り子の動き方の中での応用形だと考えるべき。
それでは具体的にどのような振り子のイメージがよいのか?
通常の長さのパターでストロークする場合を例に考えて下さい。
それはイメージとは、両肩の中心にあたる位置、つまり[ 鎖骨の付け根 ]を支点として、パターヘッドが振り子の動きになるようなイメージ。
[ 鎖骨の付け根 ]からパターヘッドを糸で吊るしたようなイメージの中で、手元 ( グリップ位置 ) は、その振り子の動きの中のちょうど中間地点になると考えましょう。
振り子の動きの中間地点にあたる手元が10cm動けば、振り子の先端のパターヘッドは20cm動く事になります。
別のイメージとしては、長尺パターのグリップエンドを[ 鎖骨の付け根 ]を支点にして、シャフトの中間地点を握ってストロークするようなイメージ。
このようなイメージが持てれば、パターヘッドが遅れずに、アドレス通りの形でインパクトしやすくなります。
あとはその人の好みによって、その振り子の動きの中で「 パンチ 」を入れたり、動き方を安定させるために左脇を意識したり、と自分にとってもっと自然に動けるように工夫を加えて下さい。
アドレス通りの形でインパクトすることが当たり前のように出来るようになれば、あとは応用編として形を少し変えながら、もっと自分に適した形に進化させることも出来るはず。
例えば、ハンドファーストでインパクトしたほうがフィーリングがよいのなら、ちゃんとアドレスの時にハンドファーストの形を作って、インパクトの時にその形を再現すればよいわけです。
※ 注意点
通常の長さのパターで、直接グリップエンドを[ 鎖骨の付け根 ]に向けると、パターヘッドのライ角が合わずに、トゥ側が下がるようになります。
そこで考え方としては、ライ角は通常通りになるようにセットして、自分の正面から見た場合の動き方が、[ 鎖骨の付け根 ]からの振り子になるようなストローク のイメージを作って下さい。
最後に…
今回は、パターの打ち方のコツについて説明しました。
パターの打ち方のレッスンには、ストロークのフォローの出し方についての指導内容が多い印象ですが、その前に一番重要になるのがインパクトの形。
しっかりと意識して、パッティングストロークを磨いていきましょう。
また、各自のゴルフスイングのクセには統一性があり、パッティングのストロークで手元が先行しパターヘッドが遅れてしまう人は、パター以外のクラブでスイングした場合も同じように、スイング中に手元が先行してしまい、クラブヘッドが振り遅れになっている傾向があります。
その点についても、今一度確認して下さい。
さて、パッティングストロークが安定してきたら、次の課題は距離感ですね。
【 パターの距離感の出し方のコツ 勘に頼らない新発想の方式を説明します 】を参考にして、自信を持ってカップを狙って行きましょう。