アプローチショットのシャンク、ゴルファーにとっては最も避けたいミスではないでしょうか?
せっかくグリーンに近づいたのに、そこからとんでもない方向にボールが飛んで行ってしまっては、そのショックは大きいものですね。
今回はアプローチショットで起きるシャンクの原因と、その対策方法について考えてみましょう。
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ラウンド中に突然起きるシャンクの恐怖
シャンクと一言で言っても、その内容は様々です。
全てのアイアンショットで起きる場合、特定の番手のクラブにだけ起きる場合、など多くのパターンがありますが、今回はアプローチショットの場合だけに起きるシャンクについて説明します。
先日、ラフからのアプローチショットでシャンクが起きてしまう、という友人のラウンドに同行する機会がありました。
アプローチショット、それも50~80ヤードくらいのラフからの場合にだけシャンクが出るけど、その他のショットでは全く出ないとのことでした。
いざラウンドが始まりましたが、なかなかその状況がやってきません。
そして彼の言うとおり、その他の場面では全くシャンクは出ませんでした。
ようやくラウンドの後半にその場面がやってきました。
深いラフからの70ヤードのアプローチの場面です。
わざとやってみたかのような見事なシャンクが起きました。
右前方、ほぼ真横くらいに飛び出したボールの残り距離は、またも深いラフからの50ヤード。
まだまだ彼にとっての危険ゾーンです。
そこで彼のシャンクの原因と対処法をその場で簡略に説明して、その対処法をしっかり意識して打ってもらったところ、見事50cmにつけるベタピンに成功。
シャンクで落ち込んでいた彼の機嫌が直ったことは言うまでもありません。
シャンクの原因と対処法
それではここからが本題です。
その時に彼に説明した、シャンクの原因と対処方について説明します。
● 原因
その原因は、フェース面がアドレス通りの状態に戻っていない、という非常にシンプルなものです。
シャンクと呼ばれる状態には、クラブのネックに当たってしまうものと、フェース面が大きく開いた状態で当たってしまうものと、2つのタイプがありますが、今回の彼の症状はフェース面が戻らずに、開きすぎた状態でインパクトしてしまうことで起きていました。
勿論本人はフェース面を戻しているつもりなのに、実際のインパクトでは戻っていない理由は、ヘッドの軌道が大きくズレているからです。
そしてそのヘッドの軌道を狂わしている根本的な原因は、右肘のコントロール。
彼の場合、アプローチショットの時の右肘をたたむタイミングが、フルショットの時よりも早くなっていました。
その右肘を早くたたんでしまう動きによって、ヘッドの回転運動の軌道が途中で急激に上方にズレが出ます。
急激に上方にズレるだけでなく、フェース面も大きく開いていました。
それなのに本人が、そのズレた動きに気づいていないことが大問題なのです。
本人は理想の軌道上でヘッドをコントロールしているつもりなのに、実際は大きく上方にズレて、フェース面が大きく開いている。
その状態を自覚せずにダウンスイングしているので、ヘッドの動きは急激なダウン軌道になり、フェース面を戻すことが間に合わなくなっていたのです。
● 対処法
対処法もいたってシンプルなもので、たとえアプローチショットの場合でも、ヘッドの回転運動の軌道をフルショットと同じように大きくすることです。
アプローチショットの場合は、距離をコントロールする意識が強いため、どうしても手打ちスイングの傾向が強くなります。
左の肩甲骨をあまり動かさずに、ヘッドの軌道を作ろうとするので、結果的に右肘をたたむタイミングが早くなります。
しかしそれではヘッドの軌道が、自分のイメージから大きくズレてしまい、ヘッドの回転運動をうまく作ることが出来ません。
そこで自分のイメージ通りのヘッドの軌道を作るためには、たとえ距離をコントロールする場合でも、その距離に見合うだけ左肩甲骨をしっかりと動かして、右肘を伸ばした大きなスイングを心掛けましょう。
この動きが出来れば、ヘッドの軌道が大きくズレることなく、フェース面も大きく開くようには動かないので、シャンクの危険性は大幅に減少します。
まとめ
今回はアプローチショットのシャンクについて説明しました。
シャンクについては、プロコーチの皆さんもその原因と対処法を説明していますが、残念ながらスイング全体の形ばかりにこだわって、問題を逆に複雑にしているように思います。
アプローチショット以外のシャンクについても、大まかには今回の原因と対処法が当てはまります。
ヘッドの回転運動の軌道を崩さずに、フェース面をしっかりと戻すことさえ出来れば、怖いシャンクは未然に防ぐことが出来るでしょう。
アマチュアゴルファーの場合は、インパクトまでにフェース面を戻すタイミングがどうしても遅くなりがちです。
シャンクが出ないゴルファーでも、実はギリギリのタイミングでフェースが戻っている場合が多く見られます。
他人事だとは思わずに、しっかりとその点を認識して、シャンクから逃れて下さい。
今回の内容は、【 左肩甲骨を回せばゴルフが楽になる! その理由とは? 】や【 アプローチショットのコツ 30ヤード以内のショートアプローチ編 その2 】をもう一度読んでもらったほうが、分かりやすくなると思います。