2019/07/02

8月18~20日に開催された国内女子ツアーCAT Ladiesで、イ・ボミ選手がようやく今シーズン初優勝!
同大会の2連覇も達成しました。
今回は完全復活に近づいたイ・ボミ選手が、一気に調子が上向いた理由を解説します。
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イ・ボミ選手の復活の理由と不調の原因
国内女子ツアー2年連続賞金女王が今シーズン苦しんでいました。
CAT Ladiesの大会前までは、優勝0回でトップ10以内が5回のみ。
その成績以上に本人の苦悩が深かったようですが、思わぬ人からのアドバイスがきっかけとなり、ようやく初勝利をゲット。
そのアドバイスを送った人とは、日本のゴルフ界のレジェンド樋口久子さん。
前週のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントのプロアマで同組になったイ・ボミ選手に、「 バックスイングで右足に乗って、シンプルにしっかり回る 」というアドバイスを送ったそうです。
その効果はテキメンで、NEC軽井沢72ゴルフトーナメントで7位、今回のCAT Ladiesで優勝と、ダイレクトに結果に表れてきました。
イ・ボミ選手の調子がよい時は、「 体重移動を抑えながら、バックスイングでは右足、フィニッシュでは左足に自然に体重が乗る 」というスイング。
このブログでも【 ゴルフロボットのようなシンプルなスイングを目指す 】で説明しているように、イ・ボミ選手は松山英樹選手にも匹敵するようなスイングの完成度を誇っていました。
世界の最先端とも言えるシンプルで効率のよいスイングです。
ところがイ・ボミ選手は、「 フィニッシュで左足に体重を乗せる 」ことばかりに意識が向かって、全体のスイングバランスを崩していたようです。
実はイ・ボミ選手が最近のゴルフ雑誌の中で、「 下半身リードでダウンスイングを開始する 」というような内容を説明していて、それを見て非常に驚きました。
昨年まではゴルフ雑誌の中のレッスンでは、「 ダウンスイングでは下半身に遅れないようにクラブヘッドを回転させる 」と言っていたものが、内容が大きく変わっていたのです。
担当コーチを変えたという情報が無かったので、これは本人がかなり迷走している証拠だと思い、その復活には時間がかかると予想していました。
イ・ボミ選手のスイングタイプで、下半身リードでダウンスイングを切り返すと、カット軌道にならないようにするために、必要以上にイン側からクラブを下ろすことになります。
イ・ボミ選手は158cmとそれほど身長が高くないので、イン側からクラブを下ろしすぎるとスイングがフラットになり、フック系のボールが出やすくなります。
今シーズンのイ・ボミ選手は、ボールが左に巻き込み気味になることに苦しんでいるように見えました。
そんな状況での樋口久子さんのアドバイスは、タイミング的にもドンピシャでした。
実際にその時一緒にラウンドした樋口久子さん本人のスイングも、アドバイス通りのシンプルなスイングだったので、余計にすんなり受け入れられたようです。
…と言うことで、もしイ・ボミ選手が「 下半身リードで切り返す 」と説明していたゴルフ雑誌を読まれた方がいたなら、その時のアドバイスは忘れたほうがよいと思います。
イ・ボミ選手のスイングには、下半身リードの動き方はミスマッチなのです。
ようやく今シーズンの初優勝で賞金ランクは現在16位。
完全復活となれば、トップ3に追いつくまではそれほど時間は必要ないでしょう。
今後の躍進に期待しましょう。
※追記 その1
イ・ボミ選手はその後も完全復活とはならず、不調が続いていて心配です。
その後にコーチも変えたという情報が入りました。
しかし2018年には、また元のコーチに戻したとのことです。
※追記 その2
実際にトーナメント会場でイ・ボミ選手のスイングを確認して、不調の原因が少し分かりました。
その原因とは、フォーローからフィニッシュにかけての、左肘のたたみ方がうまくできていない点です。
イ・ボミ選手は、ダウンスイングからインパクトの動きばかりに気を取られていて、フィニッシュのクラブの収まり方には、全く意識が届いていなかったのです。
現在の引っかかりがあるような左肘のたたみ方を、もっと滑らかになるように調整するだけで、フィーリングは一気に改善されて、よいボールが打てるようになると思います。。