2022/01/19
6月2~4日開催の国内女子ツアーのヨネックスレディスゴルフトーナメント。
今大会の注目はキム・ヒョージュ選手です。
2014年にLPGAのメジャー大会ザ・エビアン選手権を優勝し、一時は世界ランク4位をキープしていた実力者です。
なんといっても印象深いのが、2012年に16歳でアマチュアとして出場した国内女子ツアーのサントリーレディスオープンゴルフトーナメントで、当時の最年少記録を更新して優勝したこと。
韓国ジュニアゴルファーのレベルの高さには衝撃を受けました。
そのキム・ヒョージュ選手はヨネックスとクラブ契約を結んでいる関係で、今回はホステスプロとして久々の国内大会への参加が決定しました。
最近は少し調子を落としていて、世界ランクは32位まで後退していますが、それでも今大会出場選手の中では3番目の高ランク保持者です。
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キム・ヒョージュ選手の美しいスイングは必見!
キム・ヒョージュ選手で最も注目して欲しい点が、そのスイングの美しさ。
非常に滑らかでブレのないスイングは必見です。
そのスイングを分析すると、① トップからの切り返しでは明らかに下半身が先行する動きがあります。つまり下半身リード。② スイング軸が左へ移動する動きは少なく、アドレスの位置で回転しています。③ ダウンスイングのタメが大きい。④ ハンドファーストのインパクトですが、ヘッドの入射角は鋭角ではありません。
この① ~④ の動き方は、このブログで推奨しているゴルフロボット打法と、従来のゴルフ理論が推奨しているスイングの中間的な位置づけの動き方です。
松山英樹選手、ジェイソン・デイ選手、イ・ボミ選手などのゴルフロボット打法と、石川遼選手や多くの日本人選手に見られる従来のゴルフ理論によるスイングは、対極とも言えるほどの違いがあります。
キム・ヒョージュ選手の中間的な位置づけのスイングは、両者のよい所取りなのか、それとも中途半端なのかは微妙なところですね。
しかしそのスイングの美しさは、間違いなく世界のトップクラス。
一般的には、① 下半身リードで、③ ダウンスイングでタメが大きいと、スイング中のどこかにぎこちない動きや、「 ガクッ 」と段付きするような動きが見えるのですが、全くそんな動きは見られずに、とにかく滑らかなスイングになっています。
その秘訣には、身体の柔軟性と運動センスの高さが必要になっていると思います。
また、キム・ヒョージュ選手のような① 下半身リードと、③ ダウンスイングのタメが大きいスイングは、身体の柔軟性とスイングリズムの正確性が重要になりますが、このようなスイングの選手はゴルフ界全体の傾向としては、10代の若さで一気に活躍するものの、20代に入るとやや苦労するパターンが目立っています。
それは20代になって身体の柔軟性が落ちることと、プロアスリートとしてトレーニングを積むことで身体のバランスに変化が起きて、スイングの微妙な感覚にズレが生じてくるのではないでしょうか?
その後20代中盤を過ぎれば、身体の状態は安定するので、そこでよい感覚を取り戻せた選手は再び活躍していく、というパターンが多いと分析しています。
キム・ヒョージュ選手は現在21歳、まさに見えない変化のど真ん中の状態かもしれません。今大会ではその辺の状態を確認してみたいと思います。
その他の注目選手は?
そのヨネックスレディスゴルフトーナメント、キム・ヒョージュ選手の対抗馬として注目したいのはキム・ハヌル選手です。
現在国内女子ツアー賞金ランキングトップ。世界ランクは出場選手の中ではトップの26位。
今大会へは初参加になりますが、勿論優勝候補のNo.1です。
キム・ハヌル選手も美しいスイングですが、スイングのタイプはゴルフロボット打法と言える非常にシンプルで無駄のないスイング。
キム・ヒョージュ選手とはスイングのタイプが多少違いますが、その美しさと滑らかさは比較して欲しいポイントです。
勿論日本人選手の活躍も期待しています。その筆頭は上田桃子選手です。
昨年はプレーオフで敗れるという悔しい大会でした。
そのリベンジと直前の中京テレビ・ブリヂストンレディスオープンで久々に優勝した勢いをプラスにして頑張ってくれると思います。
ゴルフロボット打法については【 まるでゴルフロボット! 松山英樹選手のスイング解説 その1 】や【 松山英樹選手のスイングをアマチュアゴルファーが目指すためのコツ その1 】をご覧下さい。