誰もが目指すべきスイングの内容を理解していて、本人はその通りにやっているつもりなのに、実際はまったく違うスイングになってしまう。
ゴルフとはそんな難解なスポーツなので、多くのゴルファーが100切り、90切りに苦労するのは仕方のないことかもしれません。
ところが…「 なぜ自分のイメージ通りのスイングができないのか 」という謎を解き明かすことができれば、ゴルフはもっと簡単になり、どんどんスコアアップしていくことができるのです。
今回は、スイングがイメージ通りにならない理由を、じっくりと考えてみましょう。
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コースでうまく打てないことには、必ず理由がある!
今回の内容は、以前に【 こちら 】でも説明していますが、とても重要であり、しっかりと理解して欲しいポイントなので、もっと正しくイメージできるように説明の仕方を変えてみました。
コースではカット軌道が大きくなる真相を解明!
■ なぜか練習場よりもコースのほうがカット軌道になっている!
とあるコースのスタートホールで、多くのアマチュアゴルフアーがティショットでスタートしていく様子を、真後ろから見る機会がありました。
そこでは驚くことに、全員がカット軌道のスイングになっていたのです。
当然そのボールの行方は、大きくスライスしたり、左に引っ掛かるような弾道になっていました。
多くのアマチュアゴルファーのスイングがカット軌道になっていることは皆さんもご存知だと思いますが、まさか全員となると、その理由を正しく考えなければなりませんね。
普段の練習場で多くのゴルファーのスイングを観察しても、確かにカット軌道のゴルファーは多いものの、しっかりとイン側からボールをとらえているゴルフファーが一定数いることも事実。
それなのになぜコースでは、全員がカット軌道になってしまうのか、その点を理解するかしないかで、ゴルフの上達に大きな差が生まれることになります。
■ スイングに悩むのは、その理由を正しく理解していないから!
練習場ではカット軌道になっていないのに、なぜコースに出るとカット軌道になってしまうのか?
まさにこの現象が、ゴルフを難しくしている最大のポイントなのです。
その理由を理解しないままだと、「 練習場では調子がよかったはずなのに… 」とか、「 コースだとなんでちゃんと当たらないんだ…… 」と、ラウンド中に悩んでしまうことになるわけです。
でもその理由をしっかりと理解できるなら、その対処法はもっと明確になるので、安定したプレーができるようになります。
それでは、その理由とは!?
■ カット軌道が大きくなる理由とは!?
練習場よりもコースのほうがカット軌道になってしまう理由は、非常にシンプルなものです。
それは、『 コースのほうが下半身が早く、大きく動いてしまう 』からです。
それも本人の自覚以上に……。
本人が意図するよりも、そして自覚しているよりも、ひざや腰の下半身が先に動いてしまって、それとともに左に開いています。
腰から下が左に開くことで、実は上半身も左向きに引っ張られているので、ダウンスイングに切り返す時には、正しくトップに収まっていた手元とクラブヘッドの位置が、勝手にアウト側 ( つまり前側 )にズレる現象が起きます。
つまり、アウト側にロールするという現象です。
ところが本人はそのズレを感じないまま、練習場と同じ感覚でダウンスイングへ切り返しを始めるので、そのズレた分だけアウト側からクラブヘッドが下りことになり、カット軌道が大きくなってしまうのです。
まずはこの事実を知ることがとても重要で、ゴルフを簡単にできるかどうかの分かれ道なのです。
そして、『 コースのほうが下半身が早く、大きく動いてしまう 』ことを引き起こす理由は、主に心理面からの影響です。
「 飛ばしてやろう! 」という意識が強くなると、誰もが力んでしまうものですが、その力みによって、ひざと腰は必ず早めに大きく動くようになり、逆に手元は「 グッ 」と一呼吸「 タメ 」が入るような感じで動き出しが遅くなります。
その時に、「 ボールをよく見なければ… 」という意識が強くなると、さらに手元が動き始めるタイミングが遅れてしまい、もっとひざと腰の動きが先走ってしまう状態になっていきます。
その結果として、大きく先行して開いた下半身に引っ張られるように、動き出しが遅れた手元やクラブヘッドの位置は、5~20センチもアウト側( つまり前側 )に移動することになります。
ダウンスイングに向かう手元やクラブヘッドのスタート位置が、5~20cmもアウト側に移動しているのならば、もうそれだけでカット軌道になるのは確定ですね。
ところがその重要な事実を、本人は全く察知していないので、当然何も対処することができていません。
そこに加えて、「 ボールが飛んで行く先を見たくなる 」意識がコースでは強くなるので、練習場よりも身体の起き上がりが早くなってしまい、下半身はもっと開きやすくなり、ますますカット軌道が大きくなってしまう要因が増えることになります。
このような理由によって、コースのほうが練習場よりもカット軌道になりやすく、自分の思っているスイング軌道とはズレが生まれてしまうので、うまくボールに当たらない現象が起こることになります。
自分が思っている以上にカット軌道になってしまうと、クラブヘッドはアウト側から鋭角に下りて行くこのになるので、ダフる、引っ掛ける、スライスする、というミスが連発します。
そしてこの事実と現象は、間違いなく全てのゴルファーにも多かれ少なかれ該当しているものであり、たとえプロであっても、スタートホールや、ここ一番の緊張する場面では起きやすくなるものなのです。
■ それではどう対処すればよいのか?
重要なことは、ここまで説明した現象を、自分にも起こりえることとしっかりと認識することです。
それができれば、自分なりに正しく対処する方法はいくらでも見つかります。
下半身の動き出しを抑えるように対処したり、手元の位置がアウト側に引っ張られないように工夫したり、下半身の動き出しに遅れないように手元とクラブヘッドを始動させる、などと、各自の特徴に合わせた対処法が見つかることでしょう。
ただし、あまり近視眼的にはならずに、他のスポーツのように、もう少し大局的にスイングを考えたほうが、自分に合うよい方法が見つかると思います。
今回のまとめ
ゴルフ界には昔から、「 練習場ならシングルクラスなんだけど… 」という、コースではなかなか実力を発揮できないゴルファーが多数存在しますが、今回説明した事実をしっかりと認識して対処してもらえるならば、コースでもその実力が発揮されて、シングルプレーヤーがもっと増えるはずなのです。
もちろんそこには、「 ボールを飛ばしたい 」「 ボールをよく見る 」「 ボールの行く先を早く見たくなる 」というような、余計な意識は頑張って抑え込まなければなりません。
「ゴルフはメンタルに左右されるから…」と、ただ漠然としたまま放置しなければ、道は必ず開けていきます。